都

１．都

２．神の都

３．善から発した諸真理はいわば都会を形作り、それは天界の流入から起こっている

１．都

天界の秘義４０２

　『建てられた都』によりその異端から起った教義的な、異端的な教えの凡てが意味されていることは何らかの都の名が記されている聖言の各々の記事から明らかである、なぜならその何れの場合にもそれは都を決して意味してはいないで、常に教義的なものを、または異端的なものを意味しているからである。天使たちは都の何であるかを知っていないし、またいかような都の名も全く知ってはいない、それは前に述べたようにかれらは、その観念［考え］が霊的なものであり、天的なものである結果、都を考えはしないし、また考えることもできないからである。かれらは単に都とその名の意味することを認めるに過ぎないのである。かくて『聖いエルサレム』とも呼ばれている『聖い都』により全般的な主の王国以外には、或いはその王国の宿っている個別的な個人各々における主の王国以外には何ごとも意味されていないのである。『シオンの都』また『シオンの山』も同じように理解されており、後のものは信仰の天的なものを、前のものはその霊的なものを意味している。

［２］天的な霊的なものそれ自身もまた『都』『宮殿』『家』『壁の基礎［土台］』『とりで』『門』『横木［かんぬき］』真中の『神殿』により記されている、例えばエゼキエル書４８章、黙示録２１・１５から終りまで―そこにはそれはまた聖いエルサレムとも呼ばれている、２、１０節―およびエレミヤ記３１・３８．ダビデの書にはそれは『神の都、至高者の幕屋の聖所』（詩篇４６・４）と呼ばれ、エゼキエル書には『都、エホバはそこにいます』（４８・３５）と呼ばれ、それについてはイザヤ書に以下のように記されている―

　　他国者の息子らはあなたの壁を建て、あなたを侮った者は凡てあなたの足下に身をかがめ、あなたをエホバの都、イスラエルの聖者のシオンと呼ぶであろう（６０・１０、１４）。

　ゼカリヤ書には―

　　エルサレムは真理の都と呼ばれ、シオンの山は聖い山と呼ばれるであろう（７・３）。

　ここの『真理の都』または『エルサレム』は信仰の霊的なものを、『聖い山』または『シオンの山』は信仰の天的なものを意味している。

［３］信仰の天的な霊的なものは都により表象されるように、凡て教義的なものはユダとイスラエルの諸々の都により意味され、その各々は、その名を上げられるときは、教義的なものに関わるそれ自身の特殊な意義を持っているが、しかしその何であるかは何人もその内意によらなくては知ることは出来ない、教義的なものが『都』により意味されるように、異端もまたそれにより意味されており、この場合には各々個々の都は、その名に従い、或る個々の異端的な見解を意味している。現在の所わたしたちは聖言の以下の記事から全般的に『都』は教義的なものかまたは異端的なものかその何れかを意味していることを示すに止めよう。

天界の秘義１１９１

「これはかの大きな都である」。これは教義的なものを意味していること、それが増大して、遍く支配したことは『都』の意義から明白であり、それは（４０２番に示されたように）真の教義的なものであり、または誤った教義的なものである。そしてそれは教義の誤謬のすべては、またそこから発した礼拝の誤謬のすべては生命［生活］の誤謬を生み出すため、『大きな都』と呼ばれている。

天界の秘義１３０５

　『都』は純粋なものであれ、また異端的なものであれ、教義を、または教義的なものを聖言していることは前に示した（４０２番）。

天界の秘義２２６８

「あなたは五人のために都をことごとく滅ぼされますか」。これは、人間が僅かなものが欠けているために滅びるでしょうか、を意味していることは以下から明白である、すなわち『五』の意義は（今し方述べたように）僅かなものであり、『都』の意義は真理であって、そのこともまた前に説明したところである。人間の心はその中に存在している真理については、聖言では『都』にたとえられており、またそのようにも呼ばれており、諸真理の中に存在している諸善については都に住む者にたとえられて、善もまたそのように呼ばれている、なぜならこれらのものは全く同一であるからである。もし人間の記憶の中に存在しその心の思考の中に存在している真理に善が欠けているならば、それは住む者もいない都のようなものであり、同じく空虚で空ろなものであるからである。いな、天使たちについてすら、人間が主に対する愛と隣人に対する仁慈の中に生きるなら、天使たちはその人間の諸真理の中にいわば住んでいて、主から善のいくたの情愛を注ぎ入れていると、述べることができよう、なぜなら天使たちはこのように住むことを、すなわち、こうした人間のもとに生きることを歓ぶからである。多少の真理の中にはいるが、仁慈の善の中には何らいない者らにあってはそれは大変異なっている。

天界の秘義２７１２

『住むこと』は真理の善について、すなわち、真理の情愛［真理に対する情愛］について述べられていることは都をとり扱っている聖言の多くの記事から明白であり、都により真理が意味されており、都に住む人がないと記されている際は、その住む人により善が意味されているのである（２２６８、２４５０、２４５１番）、なぜなら真理には善が住んでおり、善のない真理はたれ一人住んでいない都のようなものであるからである。

天界の秘義３５８４

なぜなら真理と善とは合して一つの社会を形作り、遂には一つの都のようなものを形作り、このようにしてそれらはまた共に交わっているというのが善と真理との実情であるからである。

天界の秘義６４１９

ヨセフにより表象されている霊的な教会は絶えず攻撃されているが、主は絶えずそれを防御されている。ここから聖言ではこの教会に属しているものは、城壁、外塁、門、かんぬきを備えられた都に譬えられ

２．神の都

天界の秘義５２９７

人間の中の諸真理と諸善とはいわば都会のようなものを形作っていることは前に見ることができよう（３５８４番）、そこからその中に教会が存在している人間自身は『神の都』と呼ばれている。

３．善から発した諸真理はいわば都会を形作り、それは天界の流入から起こっている

新しいエルサレムの教義２４

善から発した諸真理はいわば都会を形作り、それは天界の流入から起こっている（３５８４番）。