雅歌

 

閉ざされた園、封じられた泉(雅歌4・12)

 

 

 

1.スウェーデンボルグ

2.アグレダのマリア

3.マリア・ワルトルタ

4.ヴァッスーラ

 

 

 

1.スウェーデンボルグ

 

天界の秘義1756

 

彼らは凡ゆる種類の情愛を神、女神として示しさえもして、この神々に後には異教徒は神礼拝を設定したのであり、このことは各文筆家の知っているところである、なぜならこうした古代の書物は依然今も現存しているからである。彼らはこのようにものを書く流儀を洪水以前に生きていた最古代人から得たのであって、この最古代人は地と世界に見られるものにより天界的なまた神的な事柄を彼ら自身に表象し、かくして宇宙の物体を、特にその形と秩序において美しいものを眺めている間に悦びと楽しさをもってその心を満たしたのである。それで当時の教会の書物はことごとくこのように記されたのである。「ヨブ記」もそうしたものであり、またソロモンの「雅歌」もそうしたものであって、そうした書物を模倣しているのである。モーセにより民数記21・14、27に記されている二冊の書もそうしたものであり、その他今は消滅してしまった多くのものがそうしたものであったのである。

 

 

天界の秘義3942[2]

 

この記事が載せられて、『歌[雅歌]』と呼ばれているその書物については、それには内意がないため、それは『モーセと予言者たち』と呼ばれているものの一つとしては認められてはいないが、しかしそれは古代の文体で書かれて、古代教会の書物から集められた表意的なものに満ちており、また古代教会の中で天的な霊的な愛を、とくに結婚愛を意味した多くのものに満ちているのである。そのことがその書物の性質であることはまた以下の事実から明白である、すなわち、その文字の意義には、『モーセと予言者たち』と呼ばれている書には見られない不穏当なものが多く存在しているが、しかしその中には天的な愛と結婚愛とを表象しているものが共に集められているため、それには或る神秘的な意義があるかのように見えるのである。

 

 

 

天界の秘義9942〔5〕

 

雅歌は、こうした書物から派生しているため、そうしたものを模倣して、ソロモンにより記されたのである、なぜならこの書は、その中には聖い書物とは異なって、連続して天界の、また神的な事柄は含まれていないため、聖い書物ではないからである。ヨブ記もまた古代教会の書物である。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.アグレダのマリア

 

アグレダのマリア/神の都市/P342

 

救世主キリストは御母の決意、犠牲を承認され、その成就に賛成されました。そして、全天使たちはソロモンの雅歌や新しい歌を合唱しました。救い主キリストの御出現について啓示されたのは、聖ぺトロと聖ヨハネだけでした。他の人々は神からの強力な効果を内心に感じました。天使たちの歌声は全員が聞くことができました。神の芳香は広がり、外の通りにも達しました。高間の家は素晴らしい光に満たされ、誰にも見えました。主は街路に集まったエルサレムの住民たちがこの光景の証人となるように望まれました。

 

 

アグレダのマリア/神の都市/P342

 

天使たちが合唱を始めた時、聖母は長椅子の上に横になられ、上着は御体のそばにたたんでおかれ、両手をお組になり、御目は御子を見つめられ、神の愛の火に全身が燃えました。天使たちが雅歌の第二章の何節か、「立て、急げ、我が愛せる者、我が鳩、我が美しき者よ、来たれ、冬は去りぬ」などを歌った時、聖母は十字架上の御子の御言葉、「ああ主よ、御手に我が霊魂を任せ奉る」を宣言されました。御目を閉じられ、息が絶えられました。聖母の命を奪った病気は愛です。他の弱さとか、偶発的な干渉は何もありません。神に対する燃える愛をその時まで制御していた助力を神がお止めになった瞬間、聖母は逝去されました。この制御がなくなるやいなや、聖母の愛の火は、心臓の生命の液を蒸発しつくし、この世における御生命に終止符を打ちました。

 

 

アグレダのマリア/神の都市/P349

 

 これらの賜物を身につけ、聖母は御体と霊魂一体で墓から出て来られます。岩の戸も御体を覆っていた上着も外套も動かされません。御母の美しさは、御体を頂いた主が美しい御体をお返しになったからです。墓から最も厳かな行列が天の音楽と共に空中を最高天に向かいます。これは主の御復活と同時刻、真夜中を過ぎたばかりに起こり、墓番をしていた幾人からの使徒たちが目撃しました。天国で我らの救い主キリストの右に着座された聖母は、種々の金でできた着物を着ておられ、大変美しく、天の宮廷全員の賞賛の的になりました。全員が聖母を見つめ、喜び、賛歌を歌いました。ソロモンの賛歌も歌われました、「来たれ、シオンの娘たちよ、明けの明星が讃え、いと高き御方の子息らの歌うお前たちの女王に会いなさい。芳香の柱のように、砂漠から来られる御方は誰ぞ。オーロラのように昇り、月よりも美しく、太陽よりも正義であり、密集せる軍隊よりも強い御方は誰ぞ。砂漠より来られる御方は誰ぞ」(雅歌3・6−9、8・5)。神があらゆる被造物以上に御喜びになり、天の全ての上に挙げられた御方とは一体どなたでしょうか。

 

 

3.マリア・ワルトルタ

 

聖母マリアの詩上P91

 

ヨゼフが

「マリア、私はあわれな無智な人間にすぎず、貧しい労働者でしかありません。学問もなく、財産もない。けれども、あなたの足元に私の宝物として、永久に私の“絶対的”純潔を置きます。“私のいいなずけの姉妹、閉じられた庭園、封じられた泉”神の処女(雅歌4・12)である、あなたのそばにいるにふさわしい者でありますように。私たちの祖先が雅歌を書いた時に、多分あなたのことを書いたのでしょう・・・。私は最も貴重な果物のある香り高い庭園の番人となります。その庭園からやさしく生きる水がほとばしる。」

 

 

4.ヴァッスーラ

 

ヴァッスーラ/私の天使ダニエル P167

‘92.10.5

 

天と地の創造主、私は言う、聖霊は花嫁の配偶者、その花嫁とはあなた方を救い 贖い、その血潮によって自由と 罪の赦しが得られた幼子を 抱いたお方です。 聖霊は閉ざされた庭園のようなその方を見出した、その御方は最も稀な徳の本質を持ち、封印された泉、女性の中でも最も美しい人、そしてただ一人 非の打ちどころない方であるために 清らかさに覆われている。 我が霊はこの方に臨み その影で覆い 神の母、人類すべての母 また天の元后となすことで 私に栄光を与えた。(*) 聖霊の富はこのようなもの、私は今・・・今日・・・あなた方皆に我が聖霊を降り注いでいる、私、全能者であるヤハウェは言う:

 

*ここに特記しておきたいことは、御父が聖母マリアについてこの個所を書かせておいでのとき、神でいらっしゃりながら、このことを通し高められたと書きたくなるほど、そのお歓びが非常に大きかったことです。