足台

天界の秘義２１６２［８］

『足台』が聖言の色々な記事に記されているが、しかしそれがその内意で意味していることは知られてはいない。例えばイザヤ書には―

　エホバは言われた、天はわたしの王座であり、地はわたしの足台である。あなたらがわたしに向って建てようとするかの家は何処にあるのか。わたしが休むかの所は何処にあるのか（イザヤ６６・１）

『天』は諸天界における主の王国のまた地上における主の王国の天的なものであり、また霊的なものであり、即ち、教会における、また主の王国であり、または教会である人間各々における天的なものであり、霊的なものであり（引いては最も内なるものであり）かくてそれらはまた愛と仁慈のものであり、愛と仁慈から派生している信仰のものであるところの天的な霊的なものを、即ち、それ自身において観察された際の天的な霊的なものを意味しており、かくてそれらは内なる礼拝に属している凡ゆるものであり、同じく聖言の内意に属している凡ゆるものであり、こうしたものが『天』であり、主の『王座』と呼ばれているのである。しかし『地』はこれらのものに相応している低い凡ゆるものであり、例えば低い合理的な自然的なものであり―そのものについてもまた天的な霊的なものが相応から述べられているが―低い諸天界に存在しているようなものであり、また教会の中にその外なる礼拝の中に、聖言の文字の意義の中にあるものであり、こうしたものは自然的なものであるため、『地』、主の『足台』と呼ばれているのである。（『天と地』が内意で意味していることは前の８２、１７３３番に見ることが出来、人間は小さな天界であることは９１１、９７８、１９００番に見ることが出来よう）。

天界の秘義２１６２

〔１０〕さらに―

　　エホバは、わが主に言われる、わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、あなたはわたしの右手に坐りなさい（詩篇１１０・１、マタイ２２・４２－４５、マルコ１２・３６、ルカ０・４２、４３）。

　ここにも同じく『足台』は自然的なものを、すなわち感覚的なものである自然的なもののみでなく記憶知にぞくした自然的なものを意味しており、またそこから派生してくる人間の合理的なものを意味していて、そのごうりてきなものが礼拝を歪め、しかもそれを聖言の文字の意義からやってのけ、かくて専ら外なるもののみにおける礼拝があって、内なる礼拝が何ら存在しないか、または汚れたもののみしか存在しないときは、その合理的なものは『敵』と呼ばれるのである（１０９、１１７５、１１８２番）。自然的な合理的なものがこのように歪められ、汚されると、それらは『敵』と呼ばれるが、しかしそれらはそれら自身において観察されるときは内なる礼拝に関わりを持っているため、その内なる礼拝が回復されると、それらは、それらが外なる礼拝にぞくするものであれ、または聖言の文字の意義に属するものであれ、前に言ったように、『足台』になるのである。