愛の炎

 

エリザベット・サント(1913〜1985)

世のひかり社/愛心館

 

ハンガリーの女性エリザベット・サントに与えられた主と聖母の

メッセージです。彼女はたくさんの子供をかかえてやもめとなり、信仰を

捨てようとする3年間の葛藤を経て聖母の声を聞き、主に導かれます。

 

 

 

「泣かないで」、やさしい声がわたしの心の中に伝わって来ました。

恵みを受けた人たちだけがいただくようなそんな声で、

「カルメル修道院へ戻ってね」とわたしに言ったのです。(P16

 

 

 

イエズスの愛と痛悔の念にわたしは泣きました。「主よ、

わたしを許して下さい」。わたしは外の世界を忘れたかったのです。

ただ一人でいることと静けさを求めていました。その頃、

主が虚弱で回復期にいる人にだけお与えになる類まれな恵みをわたしに

くださいました。そのときから、わたしの心の奥底でイエズスはごじぶんの

声をわたしに聞かせてくださったのです。イエズスにわたしを

近づける親密な対話が始まりました。(P19

 

 

 

わたしは主に、もうわたしを遠ざけることなく、主と一致しているために

いつも、わたしを主の足元にひき寄せてくださるようにと願いました。

そのときに、ようやく、身の安心をかんじたのです。主は、わたしの放棄を

促しました。わたしはあまりにもこの世間に執着していました。(P20)

 

 

 

「誘惑に対しての隠れ家をわたしの母のマントの下に求めなさい。

今あなたを絶えず苦しめている誘惑から、守ってくれるでしょう。

あなたに会った人がみな、あなたの愛と善良さで一杯になるような

へりくだった人でありますように。謙遜の中にいつも自分がいるように、

聖母マリアに祈りなさい。あなたのまわりの人をわたしのところへ

導けるような話し言葉を、聖母マリアから習いなさい。」(P29)

 

 

 

「わたしのところへ全力を尽くして、罪人を連れて来なさい。

このことにだけ専念するように。奉献された人は、

目をそらさないでわたしの目の悲しみ、わたしだけを見るように。

わたしの心の中に、もう一度新しいいのちに生まれさせるために、

その人を迎え入れます。わたしがその人から望んでいるものは、

わたしに対しての全き信頼です。わたしの愛は限りないのです。」(P35

 

 

 

「家族をわたしの母にまかせなさい。あなたの家族をわたしの母が守ります。

あなたは、自分の家族に責任があるということをよく知っていますね、

家族の一人一人の性格をみながら、わたしのもとへ連れて来るように。

わたしの恵みがその人たちの中にあるように絶え間なく祈っていなさい。」(P38

 

 

 

<金曜日>

「心にある全部の愛を尽くして、わたしの苦しみの中に沈むように、

あなたが朝起きたとき、わたしが夜中に苦しみを受けて寝られなかったことを

考えてみなさい。日中は、ほんの少しもわたしにやすみをくれなかった

十字架の道行について、考えてみなさい。もう力のなくなったわたしを

カルワリオへ追いやったのですから、どんなに多くのことを皆が

わたしにしてくれたとしても、しすぎということはないのです。

みんなのために、みんなの救いのために、最後までわたしは苦しみました。

それでは今日は、十二時から三時までわたしの傷を礼拝するようにしなさい。

そして、出来るかぎりわたしが十字架から下ろされた時間まで、

断食を守るようにしなさい。すべての人に言いますが、わたしの

犠牲を黙想するとき、心の中に恵みが増えます。」(P40)

 

 

 

「わたしは、あなたたちみなが、こんなにいとおしいというのに、

わたしの所へ来る人は、とても少ないのです。その少ない人たち

ぐらいは、もっと熱心にわたしの近くにいるようにしなさい。

わたしをとても悲しませていることは、わたしに信頼を置いていないと

いうことです。信頼をなくして、信仰に何が役立つというのでしょうか。

心の中の勇気を目覚めさせるようわたしの子らに言いなさい。

わたしにとり、戦いの中でくじけることなく、ひっきりなしに

戦っている魂は、何といとしいことでしょう。」(P44)

 

 

 

<イエズスの嘆き>

「親が子供に新しい洋服を買ってあげるとき、少なくともお礼ぐらいは、

言ってもらえるのを期待しています。また、それが高かったので、子供に

大切に着るように言います。永遠の父もあなたたちに洗礼の聖なる恵みという

新しい洋服を与えました。でもあなたたちは、それを大切にしていないのです。

この洋服の最初の美しさを、もう一度あなたたちに与えるのに、わたしより

苦しんだ親はいるのでしょうか。わたしは、ゆるしの秘跡も定めたのに、

あなたたちは、それを利用してはいません。これをあなたたちに与えるのに、

わたしは、血の汗を流し、いばらの冠をかむり、この上ないつらい

苦しみの十字架に釘づけられたのです。

そして、最後には、みんながこわがらないでわたしに近づけるようにと、

わたしは、布にくるんだ赤ちゃんのように、小さなホスティアに

身をひそめています。新しい洋服を子どもに買ってあげるために、

こんなに犠牲を払った親はいるのでしょうか。」(P49

 

 

 

<愛の炎>聖母マリアのメッセージ

「この地上にはたくさんの罪がはびこっています。あなたたちは

その魂を救うのに、わたしを助けなさい。あなたたちの手に一筋の

光を贈ります。それはわたしの心の愛の炎です。わたしは親切でやさしい

あなたたちの母であり、わたしに信頼を置く人を救います。その炎を

あなたの心に灯し、少なくとも一人に伝えなさい・・・。」(P64)

 

 

 

「この大きな奇跡は、サタンの目をくらませるものです。それは

愛の火であり、一致の火であり、また、憎しみの火を愛の火で消す

火なのです。わたしの汚れない心の愛の炎が全世界にわたしの

名前と同じように知れ渡るのを望んでいます。」(P67

 

 

 

「わたしの愛と炎の光と熱は、心をひじょうに頑なにしている人をも

改心へと導きます。わたしは、ただ一つの魂も失われることのないよう

望んでいます。わたしの愛の炎をすべての人、すべての国にまき散らし

ましょう。カトリック教会に属している人だけではなく、わたしの神の子

のしるし、つまり、十字架のしるしをもった人にもです。あなたたちに

注ぐ強い愛の炎は、煉獄の霊魂の上にも及んでいきます。木曜日か

金曜日にくいあらための聖なる時間を守る家族で、その一日を

パンと水だけの断食をするとき、その煉獄のひとりの霊魂を救う

ことができる特別な恵みが与えられます。」(P68)

 

 

 

「わずかの人、小さな人たちの働きかけを通して行われるこの

恵みの光は、世界をゆり動かすことになるでしょう。わたしの

メッセージを読む人、また、聞く人は、誰でも個人的な招待

として、これを受けなさい。あなたたちはすべて、わたしの子であり、

わたしはあなたたちの母親だからです。」(P72)

 

 

 

<聖母マリアの嘆き>

「あなたも母親です。わたしの無限の苦しみをあなたに分け与えます。

あなたの六人の子どものひとりでも滅びの方へ行ってしまったら、

どんなにつらいものか考えてみなさい。わたしのこのひどい苦しみを

考えて下さい。多くのわたしの子どもたちが地獄へ落ちるのをわたしは

見るのです。わたしをどうぞ、どうぞ助けてください。

人はわたしを悲しみの聖母と呼んでいますが、わたしが今でも苦しんで

いることをわかってはいません。おん子のカルワリオの道に

たたずんでいたときの苦しみだけではないのです。」(P76

 

 

 

<新しい聖霊降臨>

「この洪水は、聖霊の力を全世界に注いだ最初の聖霊降臨のものと

比べることができます。全人類は、この大きな奇跡に気づかなければ

なりません。それは、聖母マリアの愛の炎の輝きです。信仰が薄く

なっているこの世は、今、闇に落ちようとしていますが、

信仰に立ち返る前に大きな混乱状態があるでしょう。

このことが信仰の力で新しい世界を築くことになります。信仰の中に

ある信頼は、その心の中に根を下ろし、地の表は新しくされるでしょう。

みことばが人となったとき以来、そのような恵みの洪水はありませんでした。

今、苦しみで満ちているこの世界の刷新は、聖母マリアの力づよい

取りつぎによっておこなわれることでしょう。」(P84)

 

 

 

主が話しをしておられるときに、そのことばは聖母マリアのことばと

重なり合い、まるでひとりの人が話しているかのようでした。(P87)

 

 

 

<愛の炎の敵>

「わたしたちの迫害者は誰か、わかりますか。臆病な人たちです。

その人たちは、自分たちの安楽だけを心配し、よけいに気づかい、

使命をなおざりにする人で、すべてのことを知っていると思っていて、

ありきたりの知識で反対ばかりする人たちです。ちょうどヘロデが、

小さなイエズスの体に憎しみを投げつけたように、わたしの愛の炎に

激しく反対するでしょう。でも、あの時代に天の父が幼な児のイエズスを

守ってくださったように、わたしの炎をも守ってくださるでしょう。

永遠の父は、その炎を大切になさいます。」(P92)

 

 

 

「いま、わたしは、新しい方法をあなたたちの手にまかせます。それは、

一つの光線です。すなわち、わたしの心の愛の炎です。この炎は、

罪を焼き尽くすでしょう。わたしの助けを願うだけで十分です。

火の助けで火にうち勝ちましょう。それは、愛の火で憎しみの火にうち勝つ

ことです。わたしの愛の光は、悪魔の目をくらませるでしょう。わたしは、

すべての民族と国民に、わたしの愛の炎をふり注ぎましょう。それは

カトリック教会に属する人たちだけではなく、すべての人にです。(P97)

 

 

 

「わたしの聖なる五つの傷を礼拝するために五回十字架のしるしをして、

天のおん父のあわれみに、わが身をゆだねなさい。わたしが受けた

むち打ちのために―このむち打ちは、あなたたちからも受けたのです。―

血まみれになったわたしの目をいつも眺めなさい。」(P99)

 

 

 

「わたしの汚れない心の愛の炎は、イエズスご自身です。」(P121

 

 

 

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