一妻多夫
天界の秘義2756
妻を共有することを主義として信奉した者どもがいる。これらの者は他生では善良なものであるかのように語っているが、しかし悪辣で、他を欺くのである。その刑罰は凄まじい。彼らはくくり合わされて、恰も束のようなものになり、表象により蛇が彼らの周りにとぐろを巻いて現れ、彼らの凡てをくくり合わせて、一つの大きなまりのようなものにするが、このようにしては彼らは投げ出されるのである。
霊界日記3765
彼らはいかような種類の礼拝をクェーカ教徒に生み出したかが明らかにされたが、それは彼ら自身にのみ知られていて、他の凡ての者からは用心して隠されているが、その礼拝は、もしキリスト教徒らがそれを知るなら、彼らは社会から追放されて、森の獣の間にのみ生きることを許されるほどにも邪悪で、忌まわしい、憎むべきものである。
霊界日記3766
彼らは下劣にも妻を共有しており、彼らの妻は、自分は悪魔にとりつかれており、その悪魔からは、自分は、聖霊の働きを受けた者が自分と同衾しなくては自由にされることは出来ない、と言うのである。すると彼らは呼ばれて、テーブルに坐るが、そのことが私に表象されたのであり、彼らは聖霊の働きを持ち、彼ら自身の霊の働きを感じると、自身は聖霊に掻き立てられて、その妻と同衾する者である、と言い、そのことをやってのけ、かくして、彼らの言うところでは、悪魔は放逐され、妻は聖霊を得、かくてまた、妻はその罪を赦されるが、しかもそのことは憎むべき姦淫により赦されるのである。彼らの礼拝は、または聖いものは、それで、下劣な姦淫から成っており、かくて彼らの女は罪を赦されるのみでなく、これらの男は女たちに聖いものを伝え、注ぎ入れ、また帰しもするのである。妻が他の者にもまさって好むような人物がこうした目的のために、その夫がその場に居合わせている間にも、招かれる。彼女はその同じ室の中でベッドに臥していて、悪魔にとりつかれていると告白し、たれか聖霊の働きを受けている者により救い出されることを求めるが、これらの者はその集会所におけるように、霊の流入を待った後で、自分がその人物であると言い、同衾が行われ、かくてそのことが無差別に行われるのである。
霊界日記3768
彼らは、そのことはいかに忌まわしいことであることか、と言われた、なぜなら四つよりは少なくはないけしからぬ無法なことがその行為の中に共に働いているからである、先ず、妻を共有することは最も唾棄すべき姦淫を伴っており、第二に、彼らはそのことを神聖の仮面の下に行い、聖いものを最も冒涜的なものの間におき、悪魔は追い出されたと見せかけている間に、悪魔は実際入り込んでおり、第三に、彼らは、このように罪は赦されたと言うことにより良心の拘束をことごとくゆるめてしまい、彼らがたれ一人未だ考え付くことも出来ない下劣なくずとなっていることはそのことに起因しており、第四に、かくて霊どもは人間を通してその人間の女と交渉を持つのである、なぜなら霊らは形体的な事柄においては、例えば、話したり、食べたり、歩いたり、婚姻の関係を持ったりすることにおいて人間の役割を演じるほどには人間を決して支配はしないのであり、こうした事は共通の〔全般的な〕努力から流れ入っていて、彼らは専ら思考へ欲念へ働きかけはするが、決してこうした形体的な事柄へは働きかけはしないからである、それでこうした同衾はソドム人のそれよりも遥かに忌まわしいのである―こうした凡てのことが自分は聖霊であると言っている彼らのそうした霊らに今言われているが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これに対し彼らは何ら答えはしないし、また答えることも出来ないのである。以下のことを知ることも与えられたのである、すなわち、彼らが女と同衾している際に、殆ど何らの知覚も覚えないで、殆ど我を忘れるほどにも彼らの聖霊により操られるのである。ここからまた彼らはその女たちが聖霊を得たか否かを、すなわち、その女たちが悪魔を手に入れたとき、結論づけるのである。これが彼らの聖餐の秘蹟であるが、その真理を彼らは斥けており、そのことがまた私に表象されたのである。