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テレホンショッピング?【T】
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その日、ラキア宮の住人セレスティナは、いつもに増して機嫌が悪かった。
「何だってこんなにアンデット系モンスターばっかり出て来るんだよ!」
《バシンッ!!》と、手にした報告書を凄まじい力で机に叩き付ける。それにより、机の
上に置かれた物が大きく飛び上がり、床の上に散乱した。幸か不幸か、床には分厚い
カーペットが敷き詰められており、陶器やガラスで作られた小物類が砕け散ると言うことは
無かった。
「セレス、荒れてるね。」
「これだけアンデットモンスターが大量発生すれば荒れたくもなるさ。」
触らぬ神に何とやら。その様子を少し離れたところでパールとレキサンドラが黙ってみていた。
「あ…あのぉ…天使様、これ…」
ビクビクと怯えながらアクイラが報告書を差し出す。セレスティナにしては珍しく、不機嫌な
表情を少しも隠さずに無言で受け取り目を通して行く。と、ある一点でその動きが止まる。
「どういう…事だ…?」
何か気に掛かることが有るらしく、その一点をじっと見つめたまま微動だにしない。
そんなセレスティナの前で、アクイラはビクビクしながら待機していた。
「アクイラ、これ、誰から聞いた?」
「え?あ、ハ…ハイ。ロクス様が無事だった方から聞いたと…」
突然の質問に、アクイラがやはりビクビクした様子で答えると“そうか…”と呟いたきり、
また、押し黙ってしまった。
「悪い、ちょっと、地上界に行ってくる。ご苦労だったな、アクイラ。暫く休んでいいぞ。」
それだけ告げると、セレスティナはあっという間に地上界へと身を翻して行ってしまった。
後には、呆然とした様子のアクイラと、物陰に隠れていた2人が取り残された。
「クライヴ」
声と気配を感じた瞬間、背中に、誰かの温もりと、重みを感じた。
「…セレス…」
ベッタリと背中に張り付くように背後から抱き付いてくるセレスティナに呆れたように声
を掛ける。
「イヤ、良い。何でもない。」
「?」
文句の一つでも言おうと思ったが、言ったところで聞くような相手でもないし、別段、誰か
に見られて困ると言うようなことでもないので、クライヴは好きなようにさせておくことにした。
「何か、あったのか?」
「ちょっと…コレ、見て欲しいんだ。」
そう言って、セレスティナは、何処からともなく数枚の報告書とアルカヤの全体地図を取り
出し、目の前に広げる。
「随分とアンデットモンスターが多いな。」
ゾンビやグール、オーガやスケルトンまで、多種多様なアンデッドモンスターがアルカヤ中
に出没していた。ただ、不思議なことに、北の地方だけはそう言った被害が少ないように見
受けられる。
「これは…?」
報告書を読んでいたクライヴの目が、先程のセレスティナと同じ処で止まる。
「あ、やっぱクライヴも気になった?」
そこには、“夢の中で変な薬のセールスにあった。”や、“変な男に奇妙な薬を買わないか?
と言われた”等、無事だった住人からの証言が書かれていた。てんでバラバラの証言だが、
“夢の中で奇妙な薬を勧められた”と言う一点で全てが一致している。
「夢…か」
「そう。夢。」
暫くの間、2人は考え込む。夢、奇妙な薬、何故か北の地方では少ない事件、そして、アン
デット…これらを結び付けていくうちに、一人の人物が思い起こされた。
「「レイブンルフト」」
見事なまでに2人の声がハモる。どうやら、同じ人物を思い浮かべたようだ。どちらからと
もなく顔を見合わせ、思わずげんなりする。
「何が目的なんだろうね…」
「さあな。ヤツのことだ。どうせ、暇つぶしだろう?」
心底イヤそうにクライヴが吐き捨てる。
「…案外、クライヴが相手してやらないから拗ねて…ゴメン、何でもない…」
冗談半分でセレスティナが言おうとした言葉は、クライヴの冷たい視線により、最後まで言
うことが出来なかった。
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(コメント)
いきなり送ったりしてスイマセン(ペコリ)。急に思い付いたから…
微妙にバカップルだ…うちの天使&クライヴ。それを最初に思い付いた私も私だなぁ
……頭、腐れ気味?(って聞くな;)
名前しか出てこなかったパパ様は、次に出てきます。つか、出張ってます。
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