2.Struts とは

struts について詳しく説明します。

(1) Strutsとは

 Strutsとは、Jakarta Project によって開発されている、Java Servlet/JSP 技術を用いたWebアプリケーション開発を行う上で有用な、 オープンソースフレームワークです。 100% Pure Java で記述されており、ほぼ全てのサーブレットコンテナでの動作が確認されています。 故に、開発者は必要な場所にコードを記述するだけ、または設定ファイルやリソースファイルに必要な設定やメッセージを記述するだけで Web アプリケーションを開発することが可能となります。struts には、v1.3(tldが不要)とv2.x(設定ファイルが不要)では、 機能が大きく変わっています。ここ以降は、v1.1で説明していきます。最後にv2.0を説明します。

Struts(v1.1)の特徴は

・データ処理のロジック(Model)の作成、表示する画面(View)の作成、画面遷移(Controller)に対する作業の分担が容易です。

・Webアプリケーション開発につきもののリクエストデータの取得や再表示時のデータの復元ができます。

・画面遷移情報を全て設定ファイル(struts-config.xml)に持つ為、複雑になりがちな画面遷移処理を容易に記述する事ができます。

・標準で用意されているタグライブラリを利用する事によりJSPの記述に一貫性を持たせることができます。


(2) struts の構成

 Struts(v1.1) によるMVCモデルは、

Cコントローラーアクションサーブレット設定ファイル(struts-config.xml)を参照して処理の制御を担当します。
アクションフォームビーン入力データを格納します。
アクションクラス入力データの処理を記述します。
Mモデルアプリケーションビジネスロジックを担当します。特にDBとのアクセスが発生します。
VビューJSP表示を担当。もちろん表示後のFORM入力も行います。


以下はこれらの関係を図にしたものです。尚、他の解説書によっては、 アクションクラスとアプリケーションをビジネスロジックとしていますが、とにかく処理の流れを理解することが大事です。



 アクションサーブレット(ActionServlet.class)はブラウザからの要求を受け取ると、リクエストデータをアクションフォームビーンに格納し、 アクションクラスを呼び出します。 アクションは、アクションフォームビーンに格納されたデータを元に、アプリケーションであるビジネスロジックを実行し、JSP を呼び出します。

struts(v1.1)を利用して実装する手順は、以下のようになると考えられます。

・設定ファイルstruts-config.xmlの定義(JSP・アクションフォームビーン・アクションクラスの組合せを全て定義)
・表示HTMLを生成するJSP の作成
・アクションフォームビーンの実装 (リクエストの種類毎に作成)
・アクションクラスの実装 (リクエストの種類毎に作成)
・アプリケーションの実装 (リクエスト対する各種処理)


 以降では、簡単なアプリケーションの作成をとおして、説明していきます。

前の章(1.フレームワークとは)    次の章(3.Struts の環境構築)