第1話 玉ねぎ剣士の冒険が始まる!星暦19年9月4日
一切れの玉ねぎとして降臨した第一日目。
ある一匹の小僧がすたこらさっささーっと
街の中を転がるように駆け抜けた。
右手には見習い剣士の魂であるローングソード!
左手にはどこからか拾ってきた、泥臭いウーッドシールド!
へへん、こう見ればおいらだっていっちょ前の剣士に見えるだろ?
なんてことを思いながら天下の往来を闊歩する。
その実はようやっと格闘アビリティが10を越えたばかりの半人前戦士だ。
そらーもう、ひよっこもひよっこ。弱者も弱者。
つい先日だってププに服を脱がされるわ急所をやられるわで、
光の女神エルも呆れ返ってしばらく助けてくれなかったとか……。
さて、今日も雲一つないロラン晴れだ。
玉ねぎがやってきたロランシア西海岸には
今日も太公望や釣り吉や釣りバカや単なるバカで賑わっていた。
一流の戦士になるには、体力技術精神力、そして忍耐力も必要となってくる。
一流の剣士を目指す玉ねぎもその例に習って
まずは冒険者としての素養を身につけようと考えたのだ。
釣りばりの先に、ちょんとミミズをひっかけ、糸を垂らす。
「ブラザメでもチョウザメでもかかってこーい!!」
「…………」
誰にもつっこまれない。
魚も釣れない。
このまましばらく寝てまとう。
遠い空の下
どこまでも続く水平線
玉ねぎの冒険(?)は始まったばかりである。。。
適性は戦士>商人>冒険者
どこの誰だとか野暮なこたぁ聞くな
ただの玉ねぎさ
P.S.ニンニクでもない。
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