★★★しし座γ流星群の予想特集★★★

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2002年の予想
☆今年の11月のしし座流星群はどうなるのでしょうか?☆

2002年しし座流星群の予報。(極大時刻は日本時間)
極大 Lyytine氏ら  Jenniskens氏  D.Asher氏 観測適地
第一極大 19日13:03 19日12:48 19日12:56 ヨーロッパ
(7-rev)  ZHR3500 ZHR5900 ZHR 1000(810〜2000)
第二極大? 19日15:36 19日14:59 
(5-rev)   ZHR 160?  ZHR 28?  
第三極大 19日19:40 19日19:23 19日19:34 アメリカ
(4-rev) ZHR2600 ZHR5400 ZHR6000(2900〜6000)

2002年しし座流星群の小川氏の予想Web 
上のWebは、世界を5度×5度のグリッドに分けて,各ポイントでの総流星数,瞬間最大流星数を計算しました。もちろん輻射点高度・月明かり・薄明などは考慮済みで、それをUnixのGMTで出力したそうです。

2001年の観測結果が出るまでは,ヨーロッパ・西アフリカ方面より,アメリカ方面の方がZHRの値は大きくなっていた。ところが,2001年の出現結果を取り入れ,再計算がなされた。各研究者は4公転トレイルの再見積もりが行われ,結果的に,7公転トレイルよりも4公転トレイルの方が,予想ZHRが少ない結果となった。ただし,Esko Lyytinen氏によると,この結果は,4公転トレイルを特別視して計算したものであり,特別視しない場合に比べて流星数が少なく見積もられているという。そのため,実際の観測値は発表値より多い可能性があるとものべている。この他,5公転や6公転トレイルはPeter Jenniskensが予報を発表している。対して,R.McNaught氏とD.Asher氏も,2001年の観測結果を踏まえた上で,予報の再見積もりを行っている。しかし,彼らの予報はまだ途中段階であり,さらなる改良を加えて近々,何らかの形で公表するらしい。特に7公転トレイルについては,スムーズなダストトレイルではなく,地球との遭遇によってズタズタに寸断されているような状態となっているため,7公転トレイルの予想数はZHR1,000であるが,彼らには十分な確証がないため,現段階ではZHR1,000-3,000の規模であろうと推測している。この7公転トレイルについては,一戸流星会議で発表があったが,地球との遭遇によって,流星物質は弾き飛ばされたりする。したがって,もしスムーズなダストトレイルであれば,地球との交差点は一ヶ所しか存在しないが,地球によって寸断されているために,何度も地球と遭遇してしまうのだ。そのために計算がややこしいらしい。予想ZHRを求めるのは難しいが,Esko Lyytinen氏によると,予想時刻に対しては良い精度で一致するだろうとも話している。また,同様にMcNaught-Asher氏も,誤差は数分であろうと述べており,極大ZHRを求める際,数分単位より制度を良くすることは大変困難であると述べている。ZHRは理想条件下での見えるだろう流星の数です。日本では、ピークが昼間になります。また、輻射点が沈んでしまうため,電波観測で、増加傾向が捕らえられても、ピークはたぶん捕らえることができないと思えます。今年は、従来の極大が11月18日の5時なので、1時間に50〜100個程度の出現があるかもしれません。しかし、今年は、満月近くのため眼視よりも電波やTV観測の方がよいと思われますが、観測してみないことには分かりませんので、眼視では、必ず月明かりをさけて観測してみましょう。

日本での各夜毎のポイント

☆17/18日
 この日は,1965年生成のダストトレイルが日本で明け方に遭遇する。ただし距離がある上,このダストトレイルは1回帰前と非常に新しい。 そのため,数はPeter JenniskensによるとZHR=1と書かれている。ただし,意外な突発出現がある可能性があるため注意が必要である。

☆18/19日
 この日は,19日早朝の流星数増加に注意しよう。明るい流星の割合など,流星数自体は少ないので細かな点まで注意ができるであろうから,この情報は即,世界に発信すると共に,検討し,ピークがどのくらいでくるかを検討付けることが重要。

☆19/20日
 例年では出現は期待できない日だが,19日19:30頃に7公転ダストトレイルのピークを迎える。従って,このピーク時刻,規模によっては,19日夜半前に長経路の流星を期待できる。このピークは私が得られる情報は精一杯集めて発信するが,流星電波観測ライブの画像などで経過を追ってみるのも良いかと思う。間違っても19:00頃に私へ電話してもピークが来たかどうかはわからない。21:00頃に電話かメールすることをお勧めする。

この他,昨年日本では,16日早朝にも活動が活発になったことを捕らえている。これは流星電波観測の他に,藤田充宏氏が流星会議で発表した16日の火球記録でも報告されている。そのため,数日間,注意が必要。

観測地毎の結論・ポイント

【日本】
 残念だが,大出現は期待できない。10分あたりの瞬間最大流星数は6.1個。18/19日におけるマイナス等級の流星は全体の約17%にあたる11個ほどが期待できそうである。-3等級以上はおよそ3個である。ほとんどがバックグラウンドによってもたらされている流星数である。日本上空に永続痕は,この計算からいくと2,3個出そうである。18/19日のみならず,19/20日の特に夜半前後は,アメリカからのピークの裾に要注意だ。ともあれ,19日の日本の勝負は薄明後の流星電波観測になりそうだ。

【フロリダ】
 10分あたりの瞬間最大流星数は126個。18/19日におけるマイナス等級の流星は全体の約11%にあたる90個ほどが期待できそうである。-3等級以上はおよそ16個である。4公転トレイルのピークが,薄明直前の最微等級が上昇してくる時間帯に相当する。従って,ピーク時刻さえずれなければピーク自体は好条件下で見られる。ただし,ピークを越えた後はすぐに薄明なので,光度比が高いことも拍車をかけて,流星はまさにナイアガラのようにストンと下降する。ニューヨークなどではさらに東部へ寄るので,フロリダ以上に薄明中のピークを見る可能性が高くなる。また,東部へ行けば行くほど7公転トレイルに近くなって,ダブルで見られると思う人がいるかもしれないが,「二兎を追う者は一兔をも得ず」で,7公転は,輻射点高度が昇って直後,そして4公転は薄明開始後となる。というわけでこれをやると,この両トレイルの谷間を見ることになる

【アリゾナ】
 10分あたりの瞬間最大流星数は50個。18/19日におけるマイナス等級の流星は全体の約13%にあたる98個ほどが期待できそうである。-3等以上はおよそ17個である。フロリダに比べて,ピーク時刻が前後しても問題はない。その分,ピーク時は月明かりの影響が残りそうである。ただし,ピーク後フロリダと異なり流星数を稼げるため,明るい流星の出現率は高まりそうである。ピーク時刻の心配をせずに観測できそうだ。日本からは一番安価なツアーである。アリゾナ周辺へは,グランドキャニオンやツーソンなどツアーが集中している。計算はグランドキャニオンだが,緯度・経度ともにほぼ同じ。ここの情報を如何に早く日本へ伝えるかが重要である。遠征組の情報を,首を長くしてお待ちしております。

【チュニジア】
 10分あたりの瞬間最大流星数は154個と今回の地域の中では最大。18/19日におけるマイナス等級の流星は全体の約16%にあたる226個ほどが期待できそうである。-3等級以上はおよそ49個である。今回の想定地域では流星数が多いのみならず,明るい流星数も多く,ピークが最微上昇時にあたるため,最高条件の観測地である。ピークもフロリダほどギリギリではないので,多少の前後は対応可能だ。ただし,7公転トレイルのピーク予想が難しい事がピーク時刻において不安材料ではある。ともあれ,これだけの流星数は魅力的である。今回想定したトズルはチュニジア中部の湖畔にある。星ナビ共催でツアーがでている。アフリカツアーのほとんどは星ナビ共催ツアーである。

【モロッコ】
 10分あたりの瞬間最大流星数は110個。18/19日におけるマイナス等級の流星は全体の約17%にあたる245個ほどが期待できそうである。-3等級以上はおよそ53個である。光度比が明るい事を武器に,月明かりでも比較的流星数が稼げる。そのため,最大流星数こそはチュニジアに劣るものの,合計流星数ではほぼ同じ。さらに,マイナス等級の総数はモロッコの方が上。ピーク時刻の前後もほぼ関係なく,流星痕撮影部隊はこちらの方が適地か? これも星ナビ共催ツアーがでて いる。