〜発刊によせて〜

「生と死を共に考える」 原口 勝 会長

 「生と死を考える会」は、長い間タブー視されていた死の問題に焦点をあてた会です。「誰もが死を迎えるんだ。自分もいつかは死を迎える。よい死に方ができるのだろうか?」「家族や身近な人たちが死んでいくことは、とてもつらいけれども、できるならば安らかに死を迎えてほしい。」「身近な人を亡くして、なかなか立ち直れないでいる。どうしたらいいんだろう?」と、我々の周りには、いつも死についての話題が横たわっているのですが、それらを共に考えようという場は、とても少ないものでした。
 「 生と死を考える会」は、1982年に上智大学のアルフォンス・デーケン教授の発案で東京から始まり、全国各地で死の準備教育の場として広い役割を担ってきました。
  「 大分・生と死を考える会」は、1994年に発足して7年目を迎えています。1999年の全国協議会には47の団体が参加しています。
 医療の現場でもこれまでの医療者中心・延命優先の病院での死が見直され、「尊厳ある死」「生命や生活の質」といった患者中心の医療を求める声が強くなり、それらの実践の場としてホスピスケア・在宅ケアが普及してきました。
 
ホスピスについては、1999年12月の時点で全国には68施設の緩和ケア病棟承認施設ができています。
  当会は、1.死の準備教育 2.ホスピス運動 3.死別体験者の悲嘆ケア を柱として、それらを共に学ぶ場を皆様に提供しています。
  会の主旨に賛同するボランティアによる運営ですので、十分に皆様のご希望に応えることができないかもしれませんが、「会で学んだことが、家庭や職場において役に立った」と言って下さる言葉に支えられながら活動を続けてきました。
  これまでご支援いただいたお一人お一人に深謝しますとともに、今後も皆様のご意見、ご希望を反映させながら、活動を続けていきますので、これからも、ご協力をお願い申し上げます。