ファーノ国際ポリフォニックフェスティバル参加記
ローマ→フィレンツェ


翌日は朝からバスでローマ観光。トレビの泉、コロッセオ、フォロ・ロマーノ。2000年前の建築物が町中にゴロゴロしてます。コリント式、イオニア式だとか、アウグストゥス帝、コンスタンチヌス帝とか、遙か昔学校で習ったような名前が飛び出します。映画「ローマの休日」で出てきた警察署の建物を見つけて思わず声を上げてしまったり、真実の口に手をつっこんでみたり、すっかり観光客気分。そうそう、スリも見かけましたよ、コロッセオの近くで。なんとジプシーの女の子4人がアベックを取り囲み、男性を小脇に抱えていたカバンごと引きずり倒し、まんまとカバンを盗んでしまったのです。スゲーッ!子供といってもあなどれませんぞ!

イタリアと言えば買い物! 勿論、お買い物もちゃ〜んとしましたよ、念願のカメオ。昔、父が研修でヨーロッパを回ったとき母に買ってきたカメオのブローチが羨ましくて、なんでお母さんだけなの? と子供ながら(ちなみに この時小学2年生)ちょっと悔しかった。カメオをつけるのは大人の女という感じがして、いつかは手に入れたかったのです。今でも時々この時に買ったカメオをつけてます。

トレビの泉
修復中
「ローマの休日」警察署 ヴェスタ神殿 コロッセオ コロッセオと私

正午近くになってテヴェレ川を渡ってヴァチカン市国に到着。ベルニーニ作の楕円半円形回廊に囲まれた広場に立っていると、サン・ピエトロ寺院に向かって右手の建物の窓にローマ法王がお出ましになり、説教(?)が始まりました。ラテン語もちゃんと聞き取れました。ラッキー! みんなが説教を聞いている間に、私達は正面にそびえるサン・ピエトロ寺院に入っていきました。

ご存知の通りサン・ピエトロ寺院はキリスト教カトリックの総本山。今年は大聖年(グランデ・ジュビリオ)にあたり、ローマ法王が聖年の扉を開ける儀式が執り行われましたね。テレビでも放映されてました。建物の設計はブラマンテ、サンガッロ、ミケランジェロと多彩な顔ぶれによるものだという知識だけはあったのですが、いざ中に入ると・・・最初は外との差で薄暗かったのですが、目が慣れてくると、とっても広いことにまず感動。総大理石づくりのせいなのか、中の空気はひんやりとして外の暑さが嘘のようです。上を見上げると天井は高く、いくつかのクーポラの明かり採りからは光りが差し込み、自然に「Lux aeterna(永遠の光り)」という言葉が口をついて出てきました。さらに正面の祭壇を見上げると跪きたくなる衝動に駆られたのは私だけではなかったようで、Mジなんか「ねえ、なめてイイ?」と私に聞くんです。彼なりの感動したという感情表現なのです、床をなめたいというのは・・・(ハハハ ^^;)。 入口近くにはミケランジェロの有名なピエタ像もありました。思った以上に大きかったのですが、、心ない人によって足を傷つけられてからはガラス中に入れられてしまったのは残念でした。

サン・ピエトロ寺院 楕円の中心
乙女2人
○粒のような
ローマ法王
Lux aeterna 「FERMATA」
バス停

ローマ市内のリストランテで昼食を済ませ(ここのジェラートはとびっきり美味しかった。私はお代わりを2回もしました。)、午後はローマ近郊ティヴォリ噴水庭園で有名なエステ荘へ出かけました。ここは昔フェラーラ公国エステ家の別荘だったものです。広い庭園には苔むした小さな石が沢山並んだもの、オルガンの音がでる仕掛けになったもの、別荘の地形の高低を利用した壮大なもの、ローマの街をかたどったものなど、様々な噴水があり、日本では見られない広々とした庭園でした。もう一度行ってみたい場所ですね。
この庭園で、現地ガイドさんのご要望により音楽祭で歌う曲を数曲歌いました。たぶんマドリガルだったように思います。観光客が集まってきて身体を揺すりながら楽しそうに聴いてくれましたが、あとでこの方達の会話を耳にしたら、なんとフランス語。それならそれと言ってくれればシャンソン歌ってあげたのに〜。

小さな噴水が並んで・・ オルガンの噴水
大事に抱えているのは水
上から下を
眺める

冷たくて気持ちいい 若いねえ、この頃 おっぱいがいっぱい 乙女とおじさん
水は離さないぞ!

翌日の午前中はどうしても行きたかったヴァチカン美術館へ。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、カラバッジョなど、美術画集で見たことのある有名な絵画を間近で見て興奮しました。しかし、一番期待していたシスティーナ礼拝堂にはちょっとがっかり。なぜなら部屋中観光客で埋め尽くされていたし、ミケランジェロの「最後の審判」は修復中。修復が終わっていたミケランジェロの天井画はあまりに色彩が鮮明過ぎてなにやら興ざめでした。当時の色彩を再現したに違いないのでしょうが、どうも古いものは少しくらいくすんでいる方がおもむきがあるような気がするのは日本人的感覚?

午後はバスで一路フィレンツェへ向かいました。ゆっくりと運転してくださったようで所要時間は4時間。最初のうちは車外に広がるイタリアの農村風景や葡萄畑、山の上の城塞都市(オルヴィエートなど)や小さな町の教会に感動していたものの、時差ボケなのか疲れなのか皆次々に眠りに落ちていきました。

どこかで見た風景? 葡萄畑 オルヴィエートの町?

おやすみさない。グー。