第9話 帰省ドライブ(平成6年4月30日)

かあさんの実家が島根県だっていうのは前話でお話しましたよね。この年は、かあさんの母さんがボクに会いたいって言うもんだから、5月のゴールデンウィークにボクも一緒に車で帰省することになりました。前日からボクのトイレとトイレの砂 それに車内でもようしたとき用にダンボール箱にもトイレの砂を入れて 勿論 ボクの好物の缶詰も用意し 首輪につける紐も用意してありました。 島根までは片道500qはあるので休憩も入れて6〜7時間は見ておかなきゃいけません。かあさんは免許を持っていないので父さんが1人で運転します。カワイソウだね父さん。かあさんは車の免許はとるつもり全然ないんだって。優柔不断のAB型だから事故を起こしやすい というのがかあさんの持論です。それに教習所へ行くお金があるくらいなら その金で海外旅行するほうがましだ とも言っています。(ヤレヤレ ワガママだなあ かあさん)

片道6〜7時間かかるんだから当然、途中で食事をします。GWやお盆はサービスエリアの食堂は込み合うのでいつもお弁当を作って車に乗り込みます。SAの芝生でお弁当を広げるのは楽しいんだって、ピクニックみたいで。かあさんはやはり前日から弁当の仕込みをしてました。その時のメニューはなんだったんだろう? 覚えがないなあ。 でも多分ハンバーグ唐揚げ卵焼きサラダ。それにおにぎりだったんじゃないかな。(極めてノーマル弁当)

朝早くボクはキャリーバックに押し込められ、みんなでマツダMS6に乗り込んで イザッ 島根へ! いつも助手席に乗るかあさんはボクと一緒に後部座席に乗って小牧インターから名神高速自動車道へ入りました。最初ボクはキャリーバックに入れられたままでした。ボクはカーブが大嫌いです。あのがかかったときの気持ち悪さと言ったらありません。ワンコがよく車に乗っているのを見かけますが、気持ち悪くないんでしょうか? 人間よりも先に宇宙に飛び出した動物 ワンコだったっけ? 猿だったっけ? スンゴイGだったろうね。 まあそんなことはさておいて、やっぱりキャリーバックの中は耐えられましぇん! 出して下されええええ! と鳴きわめいてやっと出してもらいました。でも、運転している父さんの足元に行かないように首輪に紐をつけられ助手席のヘッドレスト棒のところに繋がれて、なおかつ、かあさんに紐を手繰られていました。 そんな状態で横の窓から流れすぎる景色にキョロキョロしたり、ハッチバックの部分に乗って後ろの車の人に愛嬌を振りまいたりしてました。

そうこうするうちに昼飯時・・・どこのSAだったか覚えがないけど駐車場に車を停めて、父さんは弁当を抱えて、かあさんは紐をつけたボクを抱えて車外へ出ました。 うわああああ!! かあさん! 知らない人がいっぱいいて怖いよううううう!! 驚いたボクは紐を引っ張りながら逃げだしました。驚いたのはかあさんも同じ。逃げ出そうとするボクと慌てるかあさんを見てトラックの運転手さんが苦笑いしてました。こりゃいかんとかあさんは思って、ボクを抱き上げ車内に戻り、もう一度ボクをヘッドレスト棒につないでおいてから、お弁当を食べに出て行きました。「アンタと一緒に外で食べようと思ったのにねえ、ゴメンネ」とその時かあさんは言ってましたが、ボクは車の中のほうが安心できるんだからほっといてよ!

お弁当を食べ終わると、さあ出発です。中国自動車道はいつもなら広島県の三次まで行くのですが、今回は途中で降りて新しくできた米子自動車道を通ることにしました。途中、大山(だいせん)の裏手、蒜山(ひるせん)高原のSAに寄って休憩。かあさんは美味しそうなソフトクリームを食べ、蒜山牛乳も買ってきました。ボクは駐車場に入った時からまたまたパニック。隣の車から人が降りるのを見ただけで震え上がってしまいました。どこか安全な所に隠れなくっちゃ。その頃はまだスリムだったので助手席の座席の下に潜り込めたんですが、車が新しかったのでシートの裏、スライド部分にたっぷり塗ってあったグリスでボクの頭から背中はベトベトになってしまいました。「もう! お前は! 何してんのお!」とかあさんはブツブツ言いながらティッシュでふき取ってくれましたが、そんなことではボクの美しい毛は綺麗にはなりません。「帰ったらお風呂だからねえ!」  かあさん怒らないでよう! それでなくてもパニクッてるんだからさあ。グスン。。。。

蒜山高原SAを出発し、米子自動車道から国道9号線を西へ。途中、松江を抜けて宍道湖を右手に見ながら走り、出雲も抜けてかあさんの実家に到着。フーッ、長くて辛い旅だったにゃあ
うーん? 田舎の匂いと、これは・・・・海の匂い? お魚の匂いもするぞ!

(写真: ボクはかあさんや父さんがお泊まりの準備をし出すと、着替えとかを入れるカバンに入りたくなります。ボクも一緒に連れていって欲しいんだもん)