第3話 はじめてのお風呂(平成5年11月2日)

かあさんは会社のすぐ隣にあるホームセンターで 猫用のシャンプーと爪切りと子猫用の缶詰とオモチャを買ってきました。その晩は汚れているボクをお風呂に入れてくれました。でもボクはお風呂なんて初めてだったので、お湯をかけられるのがとっても怖くて、また大きな声でないてしまいました。かあさんはボクをなんとかなだめようと即興で ♪ケンちゃんはイイ子だねー、お風呂は気持ちイイー。ケンちゃんはイイ子だねー・・・・・♪ と自作の曲を歌い続けてました。今でもボクの入浴の時はこの歌を歌います。でもいったい何調の歌なのかわかりません。

10本の指でマッサージをするようにシャンプーを泡立てて洗ってくれます。ちょっと痛いけど気持ちイイよ。「ハイ、ノンノンノー、ノンノンノー・・・」首からアゴにかけても優しく撫でるように洗います。「耳の後ろもねー、シッポもピュー!」かあさん、狭いお風呂でうるさいってばあ。

湯船にも少しお湯をはってボクを入れてくれました。かあさんの腕につかまりながらプカプカ温かいお風呂に浮くのは気っ持ちいい! 極楽極楽・・・。でも一番いやなのはそのあと。まず、水切りが一番イヤッ。ギュッと身体を絞られるので痛いったらありゃしない。それからバスタオルでゴシゴシ拭かれて、ドライヤーで熱い風をふきかけられます。ボクが一生懸命なめて渇かそうとしているのにー、もうかあさんたらあ。ボクは脱衣所を逃げ回らなければいけません。お陰で入浴後はグーッタリしちゃいます。ハーッ、疲れた。