ファーノ国際ポリフォニックフェスティバル参加記
名古屋→成田→ローマ
様々なエピソードがあった今回の旅行で省くことの出来ないのは、何と言っても国内線のオーバーブッキングでしょう。はやる心を抑えきれずに朝6時に名古屋空港に集合し、旅行トランクを預けてボーディングパスも貰い、手荷物検査も終わって私達は待合室で待っていました。そろそろ搭乗案内があっても良い時刻だというのに一向にその気配はありません。いぶかしく思っていると、うちの添乗員さんが場内放送で呼び出されたではありませんか。その時はみんな軽い気持ちで「だーれ?トランクに変な物いれたのは」とか「もしかしたら私のトランクが重すぎたのかなあ?」と冗談を言っていましたが、待つこと30分、添乗員さんが困った顔をしながら戻ってきて状況を説明してくれました。どうやらアリタリアとANAのコンピュータ回線のミスで成田までの航空券は10人分しか予約できてなかったらしいのです。「えーっ?だってボーディングパスを渡したのはANAのミスでしょ!」と文句を言っても通じません。結局、体調の悪い人と年長者10人がこのまま全員の荷物と一緒に飛行機で、残る18人は新幹線とタクシーを乗り継いで成田へ向かうことになりました。
盲腸の手術をして退院間もないダンナと私は飛行機で成田へ向かいました。成田に到着すると早速アリタリアと交渉し、私達が乗る予定の便の出発を30分延長してもらうことになりました。幸い荷物だけは全員分が国内線で到着していたのでバゲージチェックを済ませ、あとはベルトコンベアに乗せるだけの状態で並べてありました。本来ならVIP室(?)で結団式をやる予定だったのに、10人はそわそわとカウンターとVIP室を往復するだけ。ダンナは旅行業者の東京支店に1人ぐらいこちらに来て対応するように抗議の電話をしました。一応、18人が間に合わなかった場合のために夜のエアーフランスの便を予約してくれましたが、それではパリ経由になってローマに到着するのが朝になるため身体が大変。アリタリアの方も「もしあとの方が間に合わなかった場合、皆さん10人だけでも当初の予定の便でローマへ向かわれませんか?」とおっしゃったのですが、私は即座に「私達は合唱の仲間なので別れて行くのはいやです!」と答えてしまいました。その時の係の方の、がっくりと肩を落とされた様子は今も忘れません。
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もう疲れたぞおおお! 人のオレ
ンジジュースまで飲んじゃった。
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お疲れの様子のお姉さまがた。
みんな早くこないかな?
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機内で一眠りしたあと。ボーッ。
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飛行機組は時計とにらめっこしながらアリタリアのカウンター付近で待つことにしました。東京駅に着いたという連絡はあったのですが、それから50分経つというのに新幹線組の姿は見えません。やっと出国手続き期限時間の5分前になって次々に到着し、涙の再会もつかの間、走って出国手続きに向かいました。もちろん、ベルトコンベアーの前で、これまた時計とにらめっこしながら待機していた空港係員のお兄さんは投げるようにトランクをコンベアーに乗せるし、アリタリアのグランドサービスの方々もトランシーバー片手に私達を誘導。手荷物検査も並んでいる方々を差し置いてやっちゃったし(スイマセン、スイマセンの連発。みなさん笑って許して下さいました)、あれだけ楽しみだった免税店も横目でサヨーナラー!状態で走り抜けました。歩く歩道は勿論、走る歩道。その時、一緒に走ってくださっていたグランドサービスのお姉さんがトランシーバーを持ったまま前のめりにバーッと転んでしまわれたとか・・(私は現場を見れませんでした)。ゴメンネお姉さん、お陰様でなんとか間に合いました。お姉さんにも忘れられない出来事になったことでしょうね。
そんなこんな、添乗員さんも経験したことのない早さ(5分〜10分)で出国審査、手荷物審査を終え、機内に乗り込むと、先に搭乗しているお客さん達の冷たい視線が・・・・通路を歩きながらその方々に聞こえるように「全くどうなってんの、私達が悪いんじゃないもんねえ」なんて言い訳しながら座席に座りました。座るか座らないかベルトもつけない間に飛行機は動きだし、結局30分遅れで成田を飛び立ちました。良かった良かった。のっけからこれなんだから先が思いやられる・・・??
機内でお互いの道中話にビックリ。飛行機組は途中エアポケットに飛行機が入り、フーッと急降下するは揺れるはで生きた心地がしませんでした。お茶のサービスをしていたスチュワーデスさんでさえ、お盆を抱えたまま通路に座りこんでしまい、小声で「どうしよう・・」と言うんですよ、私にはちゃーんと聞こえました。{アナタにどうしようと言われた私もどうしよう、ツツツーッ ^_^;}。こんなことなら新幹線にすれば良かったとみんな思っていたようです。新幹線組はさらに大変。タクシーで名古屋空港から名古屋駅に向かい、入ってきた新幹線に飛び乗ったのですが席はグリーン車も全て満席。仕方なく東京までデッキで立ったまま。。。新幹線が東京駅に滑り込むや八重洲口に向かって走り出し、タクシーに分乗。運転手さんに事情を話したら「はい、わかりました。任せて下さい!」と高速を時速140qの猛スピードで前の車をパッシングしながら走って下さったそうです。乗ってる間はみんな窓の上のバーをしっかりと握りしめ、生きた心地がしなかったとか。
道中身上話に夢中になっても、流行りだした初代ゲームボーイでスーパーマリオに興じても、狭い機内での10時間は辛い。食べて寝て食べてのブロイラー状態にうんざりしはじめ、身体の大きなMジは座席の背もたれに座ったり(後ろは壁だから背もたれに座っても他人の迷惑にはならない)、通路でラジオ体操をし始め、アルマーニの制服を着たスチュワーデスやジョン・デンバーにそっくりのステュワードに笑われてました。途中、給油と乗務員交替の為にモスクワへ寄ったのですが、到着が遅れたためなのか、安全上の為なのか機外に出ることは禁止され、乗客が乗ったままで機内清掃。美味しいという噂の「モスクワうどん」は幻となってしまいました。
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疲れ気味の3人。頭痛薬を飲んで
吐いたのはだ〜れ?
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おお、地上が見えてきたぞ!
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下に見えるのはアペニン山脈?
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モスクワからさらに?時間、成田からは13時間で薄暮のローマ、レオナルド・ダ・ヴィンチ空港に到着。イタリアの入国審査はパスポートの表紙を見せるだけの簡単なもの。「控えおろう、この紋所が目に入らぬかあああ!」まるで水戸黄門の印籠を見せるようなものでした。日本人に関してはこれでOKなんだそうです。トランクが出てくるベルトコンベアーの所にはシェパードを連れライフル銃を肩に掛けた兵隊さんが数人いて「おお、外国に来たぞ」と実感しました。
さっき機内で軽食を食べたばかりなのに、ローマに到着後もバスでリストランテに連れて行かれて夕食。生ハム、スパゲティ、スカンピ(手長エビ?)、野菜、ポンチ。早くホテルへ行き横になって眠りたいと皆ゲッソリ。でも後から考えると、ファーノの滞在中の食事以外では、このリストランテの食事が一番美味しかったかもしれません。それと、どこへ行ってもコーラとファンタはあるのねと思ったし、水は買って飲むものというのも知りました。そうだ、初めて「アクァミネラーレ・コン・ガス」(味なし炭酸水)を飲みました。 ウッヘー!こんなマズイものよく飲むわねえ とこの時は思いましたが、後にキレの良いコン・ガスを飲んで、実はこっちのほうがイタメシには合うのだと認識を新たにしましたが・・・。
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うーん、美味しいな手長エビ!
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疲れてるけど うふっ サルーテ!
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うおおおお、もう眠らせてくれ〜!
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