第八章 沖縄に出張が決定。 しかし・・・。

 休みがちな賄氏に対しても、どういう訳か出張の話が出てきた。それも沖縄に。しかし、今まで仕事が嫌になると会社に来なくなる実績をたっぷりと持っていた彼のこと、今回も出張の前に「風邪」を引いて会社をお休みになられた。

 時を同じくして、職場の忘年会も計画された。結局この忘年会は彼の沖縄の出張予定日と同じ日になってしまった。以下、その忘年会の幹事と賄氏(お休み中)の電話での会話。

幹事「11日は出張だそうだが、忘年会出ますか?」
賄氏「出張は多分無いので(忘年会は)出ます。」
幹事「・・・・・・そうですか。」

 この電話の時点では出張は中止とも何とも決っていなかった。賄氏がやる気を無くして会社に来なくなっただけなのに。しかし、上記の通り「出張は多分無い」と勝手に判断しているところが凄い。しかも「風邪」で休んでいるのに忘年会に出るというのだから・・。

 結局賄氏は出張も忘年会もドタキャンこいた。出張は代理を立てたそうだ。

 この体たらくな賄氏の会社生活を打開すべく、実家の親を呼んで面談を行ない今後のことについて話し合うこととなった。同じ時期に賄氏は会社にお金を払うことになっていた。このお金は支給金(早い話、給料)が控除金(寮費・組合費・保険費などの必要経費)を下回ったため、手取り金額がマイナスになったため会社に支払わねばならぬお金であった。これを「下り金」というらしい。その金額57,000円。そしていよいよ話はフィナーレとなる。

上記面談を前日に控えた日、賄氏は会社に下り金を払うことになっていたが、姿を見せなかった。電話をしても出ないので調べてみると、賄氏の姿が見当たらず、事態は急転直下、行方不明事件となった。

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