ここではより詳しく、より具体的にセッティングの進め方を紹介していきたいと思います。

FサスとRサスとのバランスのとり方ですが、まずRサスから決めていきます。Rサスが決まってくるとFサスを突っつかなくなるのでFサスが決まります。
(う〜〜ん、なんて抽象的な説明なんだ!)

つまり、Rショックアブソーバーは、基本的にRスプリングの伸縮(ショック)を吸収(アブソーブ)するための物でそれ自体でバランスをとることはまず出来ないといっても過言ではありません。バランススプリングの締め付けの強弱等で、ほぼ決める事ができます。

フロントのスプリングはほとんどの場合締めたり緩めたりの調整が出来ないため、Rスプリングの調整前後のバランスをとっていきます。
その場合、Rスプリングの締め付けが強すぎると、タイヤの接地感が無かったりギャップに対してリヤが受けつけてないような感じで暴れたりします。逆に締め付けが弱いと、変に柔らかいのに底の方で硬かったりジャンプやギャップに当たった時に腰砕けになるように感じたりします。
リヤが決まったと思っても、フロントが固くてFダンパを緩めてもあまり変化がない場合は、まだRスプリングの締め付けが強すぎてリヤが勝っているということなので、それがなくなるまではRスプリングを緩めなければ前後のバランスとしては良いとは言えないと思います

バランスが取れてくる接地感も出てきて、ギャップに対してバイクが一瞬止まるような、ハンドルをハンマーかなにかで叩いたような振動は嘘の様に無くなりますが、ほとんどのライダーの場合、スプリングを緩める方向でバランスが取れていくのでダンパーがSTDだとサスとしてはかなりグニャグニャに感じてしまいます。
それを解消するためにRスプリングを調整ねじを一回転緩めて様子をみます。これを繰り返していきながら自分に合ったスプリングの締め具合を見つけます。その場合、ふわふわ感を止めたいなら圧側(高速)を1/6回転づつ締めていき、逆にふわふわ感を出したいなら圧側(高速)1/6回転づつ緩めていきます。

ここまで来ればセッティングの7割は出せてるはずです。後はこの状態でフロントやリヤが振られたりしなければ良いのですが、もしフロントがプルプルと振られる場合やリヤがピョンピョン跳ねる場合Rダンパーの伸側を1ノッチずつ締めながら走ってみて様子をみます。またリヤが横に振られる場合Rダンパーの伸側を1ノッチずつ緩めながら走ってみて様子をみます。これで振られる事も無く跳ねる事も無く走れるはずですがコースによってはなんか柔らかく感じたりコツコツと硬く感じたりしますが、その時はRダンパーの圧側(低速)を2ノッチずつ締めたり(柔らかい場合)緩めたり(硬い場合)しながら走って良いところを探します。

ここまで来るとあとは底づきのある無しですが、もし底をついてガチャンなんて音がしてたりジャンプの着地などでステップにガツンとショックが伝わって来たりする場合オプションのハードスプリングに前後とも交換する事をお奨めします。逆に体重の軽い人はここまでやっても、なんかジャンプの着地やギャップの通過時などで硬さが残ってしまいダンパーを緩めていってもあまり対処できない状態に陥ってしまいます。そんな時はオプションのソフトスプリングを前後とも交換する事をお奨めします。

そうやって前後のバランスを大体とってから、ダンパーで味付けをしていくわけです。フロントを突っつかない状態でリヤが決まれば、フロントのセットもすぐ出せますフロントのサスで調整できるのは圧・伸のダンパーと油面があります。走っていて不満が無ければSTDのままで良いのですがコツコツと硬く感じた場合圧側を2ノッチずつ緩めては走ってみます。Rサスを合わせていく時にもにも書きましたが、緩めてもあまり変わらなかったり前後にぺこぺこと動くようになった場合は、まだRスプリングが締まり過ぎているのでRスプリングを緩めて走って様子をみてください。またコーナーリング中にフロントがふわふわするときは、圧側を締めていくとしっくりと落ち着きます。更に圧側のダンパーを締めていけば段々コツコツしてきだしてコーナーではフロントがズルズルと外へ滑るようになります

伸側はあまりさわらない方が賢明だと思います。伸側を締めこんでいくどんどん前のめりになってしまい、今にも前転しそうな恐怖感がわいてきます。逆に緩めていくフロントだけがポンポンと跳ねてしまうようになり落ち付きが無くなってきます。
フロントが好みの硬さになったのに底づきする様でしたら、圧側のダンパーを締めこむのではなく、フォークの油面を少しづつ(5cc=5mmUP)上げていくと底づきは解消されます。その場合、サービスマニュアルにある最高油面以上にならない様にして下さい。油面を上げすぎるとフォークがストロークした時にオイルロック状態になりコントロールを失う可能性があります。くれぐれも入れ過ぎないように御願いします。入れるのは比較的簡単ですが、抜くとなると大変な作業になってしまいます。

こんな説明でわかるかなぁ〜
この説明でわからないことや新たな疑問がわいてきたらどんどん掲示板orメールに書きこんでください。このページに追加するかたちで解決の道を見つけたいと思います。

&サスペンション編

チューンしていただいたサスのセッティングがかなり煮詰まって来ました。 今すごくいい感じです。 トラクション、ブレーキングともにかなりいい感じです。 おかげで近畿選手権の時も超最後尾(僕が立ち上がったらTOPが来てた)から10位まで追い上げ出来ました。乗っていていい感じです。 疲れもきませんね。 明日ももう少し煮詰めるため、FサスとRサスとのバランスのとり方も教えてください。 よろしくお願いします。

バランスですね〜これはちょっと難しいですが・・・。 まずRサスから決めていきます。 Rサスが決まってくるとFサスを突っつかなくなるのでFサスが決まります。(う〜〜ん、なんて抽象的な説明なんだ!)
つまり、Rショックアブソーバーは、Rスプリングの伸縮(ショック)を吸収(アブソーブ)するための物でそれ自体でバランスをとることはできません。 バランスはスプリングの締め付けの強弱等でほぼ決める事ができます。 締め付けが強すぎるとリヤが暴れ弱いと腰砕けになります。 リヤが決まったと思っても、フロントが固くてFダンパを緩めてもあまり変化がない場合はまだRスプリングの締め付けが強すぎてリヤが勝っているということなので、それがなくなるまではRスプリングを緩めなければ前後のバランスとしては良いとは言えないと思います。 そうやって前後のバランスを大体とってから、ダンパーで味付けをしていくわけです。 フロントを突っつかない状態でリヤが決まれば、フロントのセットもすぐ出せます。 こんな説明でわかるかなぁ〜 まあ、また会った時に詳しい説明をします。

初めまして。ちょっとお聞きしたいんですがサスペンションのセッティング項で「リアスプリングを緩めていく」とありますが初期にセットしたサグが変化してしまうんじゃないでしょうか?
もう来れ以上緩めたらスプリングが遊んでしまう状況でも緩めていいのでしょうか?

一般にいわれている「サグ」というものは、セッティングをしていく上での目安と考えていいと思います。 サスペンションのセッティングを進めていく上でまず基準の設定をして、それから先は走りながらコースに合わせていきます。 そのため、不具合を解決するためには、スプリングを緩めることも必要となってきます。 セッティングを行なう場合、調整する所はダンパーの圧・伸だけでなくスプリングも重要なセッティングパーツとなります。 ロードバイクの場合、フロントのスプリングのプリロードの調整機構も付いています。 ですから、コースによってスプリングのイニシャル調整も変わってくる場合があります。 あと、スプリングを遊ぶくらいまで緩めても不具合が改善されない場合は、ソフトに変更する必要があります。 遊んでしまうとトラブルの原因になってしまいますので。 以前、鈴鹿で世界GPが行われた時にある外国選手は、125ccクラスでしたがRスプリングのバネレートは5.2キロのものを使っていました。 一応参考までに。

ちょっと質問があるのですが、ショックの高速側ダイアルが分けわかんないんですが、何故かというとストロークの奥側(ボトム付近)を調整するものなのか、ショックの速い動きを調整するものなのかわからないんです。たとえばジャンプの着地なんかは高速側で合わせるってよく書いていますが、着地はそんなに入るスピードはやくない気がするのですが…。ギャップの方が動きが速い気もします。が一般には低速側で合わせるってマニュアルにも書いてありますよね?実はサスの前後をO/Hしたのですが前と同じセッティングにも関わらず全くバランスが違ってしま(ギャップを通過中だんだん縦方向におつりが起こりはじめます)Fサスが柔すぎるのでは?とおもいダンパーを締めて堅くしたのですが、あまり改善されません。そこでショックなのですがこの場合高速側と低速側をまたはのび側をどう合わせていけばよいのでしょうか?いきなりメチャクチャ書いてスイマセン何かアドバイス頂けないでしょうか?

まず、圧側の高速ですが、これはどうもいつもは開きっぱなしになっている様でジャンプの着地なんかの瞬間的な動きの時に効くようにできてるみたいに感じました。だからいくら低速側を締めていっても変にギャップで跳ねられてもふわふわとしているみたいです。
バネを緩めていった場合ギャップでは跳ねられなくなりますが、なんかふわふわした感じや腰の無さが気になってきますが、こんなときに圧側の高速を締めていくとふわふわ感や腰の無さを解消してくれてカチッとしたアシになるようです。
そして縦方向のおつりについてですが、それは思うにRショックの窒素ガスの圧力が新車の時に比べて幾分高くなっているのではないかと思われます。OH前より硬く感じてるのならきっとそうだと思います。でもそれは悪いことでは無いので伸び側を1ノッチ締めてやればいいと思います。
総合的なセッティングで言えば、あごの出たようなギャップでバイクが一瞬止まるような引っかかり方が無くなるまでバネを緩め、ふにゃふにゃしなくなるまで高速の圧側を閉め、ギャップに嫌われる手前まで低速の圧側を閉め、縦はね横跳ねが無いように伸び側を調整するということです。かなり抽象的になってしまうので解り辛いと思いますが文章にするとそう言う書き方になってしまいます。 また何かあったら質問を待ってます。