不吉川高校
まにあっく調査倶楽部
(ジャンル アホ)
あらすじ
この物語は、『まにあっく調査倶楽部』というあかあらさまに妖
しい部に所属する高校生・大惨事ひげきの怒涛の部活動の記録を
描いたものである。人間嫌いの部長・三途川わたると超常現象マ
ニアの部員・賽河原 あゆみ子とともに世にもマニアックな事件
に首を突っ込む日々…。いいのか、それで!?
プロローグ
人の心には砂漠がある。
幸せは、その広い砂漠に点在するオアシスである。
そのオアシスが蜃気楼だったとき、人は…
File @. 「百物語でギャフンっ!」
−其の壱− 始まりはいつも…
道路沿いの並木の下は、今日もせみの声でいっぱいだった。通学
路らしく、せみの声の豪雨に打たれながら二人の高校生が、夏服
すがたで登校している。不吉沢高校1年生の大惨事ひげきと、彼
の先輩(3年生)の三途川わたるの2人である。
「…今日も、寒いね」
先輩である三途川が、唐突に、ひげきに言った。
「え?」
ひげきはビビった。朝から30℃を上回るこの超真夏日に、
「寒い」という言葉を聞くことになるとは思わなかったからだ。
ひげきが返答に困っていると、三途川はかってに話を続けた。
「…寒いよ、人間関係が……」
「…え?!」
ひげきは、またビビった。この先輩、何を言い出すのかと思えば
「人間関係が寒い」とは…!? ひげきがまた返答に困っている
と、三途川は淡々と語った。
「…朝からまた姉さんとケンカさ…。おれたち姉弟の好物・チョ
コクリスピーがひとり分しか残ってなくて」
ひげきの体は、朝一番にこんな世知辛い話題を繰り出す三途川先
輩から30cmは引いた。
「…話題、変えません?」
人間嫌いの先輩・三途川わたるとの暗い会話――。
これが、ひげきの一日の始まりだった。
―其の弐へ続け!!!―
御伽の間へダイブ…