リ ニ ア の 日 記
第五章 滅亡への序幕

He cannot stop yet


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『赤ちゃんがね、出来たみたいなの』

 ジェイクの死が伝えられたあの日、リニアはジェシカからそんな告白を受けていた。

 その時の彼女は酷く幸せそうな表情で、それをリニアに伝えてくれた。ジェシカを姉のように慕っているリニアである。それを彼女もまるで自分のことのように喜んだのだ。

(だけど――)

 リニアは胸が締め付けられるような苦しみを味わっていた。彼女の赤い瞳には、銀色の鱗に覆われた異形なるものが映っている。人の倍はある巨大な身体、その頭から突き出した二本の角、そしてそれだけで人を包むほどあるであろう二枚の双翼。それが何であるのかは彼女には解らなかったが、彼が誰なのかは彼女は知っていた。

 そう、それは、かつては人であったものだった。カイラス=シュナイダーという、かけがえのない仲間だったのである。

「貴様っ」

 不意にルークの声が聞こえる。それには強い怒りが込められていた。明らかに敵意と殺意が込められた声、それはリニアの真横に立っている赤い法衣を身に纏った男――アレスに向けられたものだった。

 アレスはルークの怒声に、酷く嬉しそうな笑みを浮かべて言葉を返す。

「私に構って頂けるのは嬉しいのですが、いいのですか。彼は既に標的を定めていますよ」

 アレスの言葉に、ルークの視線は銀色の巨体に移る。『彼』は目の前で倒れているジェシカに強い殺意を見せていたのである。彼女は『彼』の変化を見て、気を失ってしまっていたのだ。

「ちぃっ」

 ルークの舌打ちが聞こえる。それは上手く事が進んでいないときの彼の癖だ。彼はその仕草をし終わるよりも先に、ジェシカの方へと駆け出していた。変貌したカイラスが巨木に近い腕を振り上げたのはそれから一瞬後のことだった。

 大地を揺るがすような重々しい衝撃音が周囲に響き渡った。熊が獲物を叩きつぶすような太い豪腕の一撃、それはジェシカがいた場所を深くえぐり取っていた。もし、そこに彼女がいたならば、そこには無惨な肉片だけが残っていたことだろう。だが、彼女の姿はそこにはなかった。

「ルーク、ジェシカっ」

 思わずリニアは声をあげていた。二人の姿はカイラスの一撃によって起こった砂埃によって見ることができなかったが、彼らが無事であることは見なくても解る。というよりも、彼女はルークという青年のことを完全に信じているのだ。

 そして、彼はリニアの期待を裏切ることはなかった。砂煙が収まる前に、そこからは二つの影が飛び出してくる。それは紛れもなくルークとジェシカの姿だった。座り込んでいた彼女をルークが抱え、カイラスの攻撃を避けたのだ。その光景を見て、リニアは安堵の笑みを浮かべる。

 そして、リニアの瞳には意外な光景が映る。アレスが突然右腕を差し出し、小さく呟いたのだ。彼の手には真っ赤な握り拳程度の珠が握られていた。

「炎の戒めよ」

 刹那、彼の手からは無数の、炎で作られた鎖のようなものが出現する。それは銀色の魔物に向かって迸り、その身体にまとわりつく。

 地に響くような呻き声がその場に響き渡る。魔物はその戒めから逃れるためにもがくが、アレスが放った炎の網は彼を逃すことはなかった。その魔物の危険性は、意外な人間の手によって封じられたのだ。

 だがルークの表情は依然として険しい物だった。彼のその表情に、リニアもまだ状況が何ら変化していないことを思い出す。目の前にいる化け物がカイラスであるということと、自分の真横にたつアレスが危険だということは変わりようがない事実なのである。

「どうしました、ルーク=ライナス。彼を殺してはあげないのですか」

 一連の行動を見ていたアレスが、不意にそんな言葉をルークに投げかけた。その言葉に、ルークは表情をあからさまに強ばらせると、怒声をアレスに返した。

「黙れっ。貴様が何者で、何が目的なのかは知らんが、この状況を作り上げた人間が口にする言葉かっ」

 ルークは、カイラスからある程度間合いをとったところでジェシカを下ろすと、瞳に明確な敵意を込め、アレスを睨み付けた。

 当然、彼はそれでもカイラスへの警戒は怠ってはいない。だが、幸いと言っていいのかは解らないが、銀色の魔物は炎の束縛からは逃れられないようで、ひとまず攻撃の動きを見せる気配はなかった。

「この状況を作り上げた人間だから口にできる言葉なのですよ」

「なんだと」

 返ってきた言葉に、ルークは顔を更に強ばらせる。

「私の望みは、より面白い劇を楽しむことです。本来なら私は戯曲を構想するだけで、それ以上の関わりをするつもりはなかったのですが、貴方達の登場によってクライマックスが台無しになりそうだった」

 アレスの言葉を聞いていくに連れ、ルークの心につよい嫌悪感と怒りが込み上げてくる。だがルークはそれをかろうじて耐え、彼の言葉に耳を傾けた。ルークにはアレスから確かめておかなければならないことがあった。

「だから、わざわざカイラスを挑発して魔物化を発動させたのか」

 探らなければならないのはカイラスの魔物化についてだ。ルークには彼の変化を元に戻す術はない。しかし、グールパウダーの精製者である彼ならば、あるいはそれを知っているのではと思ったのである。

 幸い、アレスは饒舌な人間のようである。彼はルークの意図通りに言葉を紡ぎ始めた。

「そうです。魔物化は感情の暴走によって起こされる精気の異常現象。それを発動させるためには彼の感情の高まりが必要でした。グールパウダーを使っていたわけでもないのでね」

「えっ」

 思わずリニアは驚きの声をあげていた。カイラスの感情が高まった理由、それはルークとの戦いに端を発している。カイラスがルークと戦った理由、それは彼に時間が残されていなかったためだ。そして、彼に時間が無かった理由、それは彼が自分が自分でなくなるときが近づいていたためだったはずだ。

 しかし、アレスは『グールパウダーを使っていたわけでもない』と言ったのだ。リニアの胸には大きな不安が込み上げてくる。

 アレスは絶望に変わっていく二人の表情を見ながら小さく嗤った。

「知りたかったのは彼の身体を元に戻す方法でしょう。しかし、それは無理だ。彼の変貌は私の工作ではなく、彼が持っていた古代魔導器アースによるものだ。しかも、彼はアースに眠る因子の影響を受けて竜に変化している。貴方とて、竜が何を意味するものか解っていないわけではないでしょう」

 彼の言わんとすることの意味が、ルークには解ったのだろう。というよりも、アレスはあえてルークの要望通りの言葉を返していたのだ。状況の悪さと、アレスの掌の上で踊らされていたことに、ルークは小さく呻いた。それも仕方がないことだろう。魔物に関して知識が乏しいリニアですら、状況の悪さを理解することが出来たのだから。

(あれが、竜)

、リニアは銀色の鱗に包まれたカイラスを見ながら、ごくりと喉をならした。

 竜、それは『滅亡の象徴』とまで言われる、魔物の中でも最悪なものだ。元々、魔物は個体としての存在であり、種というものは存在しない。ただ、土地などによって傾向があるために、人はそれらをもって種と認識しているのだが、その中で竜は最強の部類に属する。

 もっとも、竜と呼ばれる魔物の判別は他の魔物達とは違い、極めて大きな範囲でなされる。蛇のように身体が長いものもいれば、蜥蜴に角と翼を付けて、そのまま大きくしたようなものもいる。更には鱗を持たず、体毛によって覆われた竜もいるのだというのだから、リニアのように目の前に竜という存在が現れても、それが何であるか解らないという人間も多いのだという。

 しかし、それらに須く言えるのは、その強さが圧倒的だということである。伝承によれば、かつて栄華を誇った古代種族である天使は、邪龍神と呼ばれる竜によって衰退したと言われている。

 もちろんリニアは天使が実在したかどうかは知らないし、もし存在したとしても本当にその衰退が竜によるものかは解らない。だが、伝説の竜は目の前に存在しているのである。それだけは間違いなく事実なのだ。

「さて、私はそろそろおいとまさせていただきましょうか。赤珠の王女を連れてね」

「そんなことをさせると思ってるのか」

 ルークはカイラスが動こうとしないのを疑問に感じながらも、アレスに意識を収束させる。そうしたのは、彼の能力の高さを感覚で感じていたためだ。だが、カイラスの戻し方を知らない以上、彼の好きにさせるつもりはなかった。だが――

「出来ますか、貴方に」

 自らの能力に対する絶対の自信、初めルークは彼の言葉をそう受け取った。しかし彼はすぐにそれが大きな勘違いであることに気付く。カイラスに施された魔術が、次第にその威力を失っていたのだ。

「ジェイク=コーレンの妹に、赤珠の王女。二人の足手まといを抱えたままでは、貴方は彼に勝つことが出来ないでしょう。私は貴方の手助けをしているのですよ。一時的とはいえ、彼女の安全を確保するという意味でね」

「それは詭弁だろう」

 ルークは激しく苛立ちながらそう怒鳴った。彼がギルドと繋がっていることに、ルークは既に気付いていた。今、リニアを必要としているのは彼らを除いていないからだ。つまり、彼がリニアの安全を保証するのは彼女をギルドに引き渡すまでだと考えて良い。そんな条件など呑めるはずがなかった。

「それではどうします。もうすぐカイラス=シュナイダーに施した戒めは解ける。もちろん彼を無視し、二人を安全な場所に連れて行くという選択も出来ますが、それをすれば彼はその間にこの街を襲撃するでしょう。貴方に選択権は無いと思いますが」

 まるで、全てが仕組まれているような気がした。このアレスという男が描いた脚本通りに動かされている。そんな感覚を受ける。

(駄目だ、こいつの言葉に従うな)

 直感がそれを激しくルークに訴える。おそらく、アレスが言う方法をとるのが最も最良なのだろう。例えギルドがリニアを手に入れたとしても、彼女に危害が加えられるとは考えにくい。ギルドにとって彼女は重要な切り札であるためだ。

 それに、何より最悪なのはアレスがここで完全なる敵になることだ。竜を相手にする上に、その竜の動きすら封じてしまうほどの魔術士を相手に出来ると思うほど、ルークは自分の力を過信してはいない。

 しかしこの男の言葉に従うのだけはどうしても正しいとは思えなかった。どう考えても事態が良い方向へと進むとは考えられなかったのである。

「カイラスを止めてあげて」

 だがルークの背を押したのは、意外にもリニアだった。

「カイラスは、ジェチナの滅亡なんて望んでなかった。彼の手で、彼の大切な物を壊させないで」

 それほど長い時間ではないが、仲間と呼べる人間達と過ごした大切な時間。リニアはそれをこんな形で終わらせたくなかったのである。もちろん、だからといって彼女は自分が人身御供になるつもりはなかった。

「私なら大丈夫。だって、ルークが絶対に助けに来てくれるんでしょう」

 リニアは微塵も不安を見せずにそう言った。それを見て、ルークははっとする。彼女が今強くあれる理由、それは自分に対する信頼であることに彼は気付いたのである。

「すぐに、迎えに行く」

 返ってきた言葉に、リニアは微笑むとこくりと頷いた。そしてすぐにその瞳に敵意を込めると、彼女はアレスをキッと睨み付けた。

「さあ、行きましょう」

 主導権はアレスにあるにも関わらず、彼女は酷く堂々としていた。その姿に、アレスは興味を強く引かれたのだろう。今一度、その笑みを強めると、「ええ」と言葉を返した。

 ルークはその場を去りゆくリニア達の姿を見送りながら、意識をカイラスへと移す。彼に施された束縛は既に半ば効果を示していなかった。それどころか、身体を焼かれ、彼の殺意は先程以上に強いものとなっているようだった。それはすなわち魔物の力が向上することを意味する。

 だがルークにそんなことは関係なかった。元より竜の攻撃など当たればそれでお終いだ。今更その威力が変わろうが、彼にとっては大したことではない。

 何より、今の彼は自らの精神が酷く研ぎ澄まされていくのを感じていた。それはルークが完全に戦闘の態勢に入っていることを意味していた。カイラスを殺す決意は既になされている。加えて、今のルークにはリニアを助けるという使命感があった。彼の意志を阻むものはもはや無かった。

 ルークの意志が収束しきるのと同時に、カイラスに施されていた呪縛はその効果を失った。というよりも、カイラスがそれを無理矢理引きちぎったのだ。

 戒めが解かれたのと同時に、カイラスは獣のような重々しい咆哮をあげる。同時に、彼を中心として凄まじい量の精気が収束していく。

 この感覚には覚えがあった。ヴァンパイアの事件において、デイモスという青年と戦ったときに彼が見せたブレスというものだ。竜だけが使えるという必殺の攻撃、それを使うためにカイラスは精気を収束させたのである。

「んっ」

 カイラスの咆哮にそれまで気絶していたジェシカが声を漏らす。もしかしたら、この異常に充満した精気に彼女も反応したのかも知れない。ともあれ、彼女の目覚めはルークにとっては最悪の事態だった。

 思った通り、カイラスの標的はジェシカに推移する。おそらくカイラスが人間であった頃、最も身近に感じていた娘の感覚に、彼は反応しているのだろう。だが魔物である彼から向けられるのは愛情ではなく、破壊の衝動だけだ。

 竜がその口をジェシカに向けるよりも先に、ルークは足下で倒れているジェシカを担ぎ上げていた。その作業が終わると同時に、竜は二人の方に顔を向け、目に見えない何かを放ってきた。

 空間が歪んでいるのが解る。『それ』は進行上にある全てのものを押しつぶしていった。

(重力の波動、これはアースの能力か)

 それを避ける中で、ルークは冷静にそれを判断していた。天使が残したという魔導器、アースは重力を操る魔導器である。カイラスは魔物に変化する際、その魔導器を身体に取り込んでいた。これはおそらく、その影響なのだろう。ブレスが通り過ぎた後は何もかもが押しつぶされていた。

「ルーク……」

 不意に、ルークの耳にジェシカの声が聞こえてくる。完全に覚醒したのだろう。ルークはその彼女に一言だけ言葉を返した。

「ジェシカ、リニアがあの男に連れ去られた。もう、時間がない。俺はカイラスを殺す」

「……ええ」

 覚悟はしていたのだろう。だが酷く落ち込んだ声で彼女はそう言った。ルークはそれには何も答えずに、彼女を下ろす。そして、彼は動き出していた。

 彼の姿がぶれたかと思うと、次の瞬間、ルークは竜の懐まで入っていた。そして彼は闘気を込めていた右手の二指で竜の身体を斬り裂こうとする。

 だがそれは竜の鱗には通じなかった。跳ね返ってくる衝撃、それはルークも初めて味わう感覚だった。

「ちぃ」

 予測しなかった事態に、ルークは舌打ちをする。だが彼は慌てなかった。こんな時、平常心を失うことが最も危険であることを彼は知っている。それを明確に示すように、竜の太い尾が、ルークに向かって迫ってきていた。

 ルークはそれを避けるべく、高く跳躍すると、そのまま竜の顎を左の掌打で突き上げる。そして同時に竜の身体を蹴り、その反作用によって大きく間合いをとった。

 もちろん、そんな攻撃は竜には効いていなかった。意味があったといえば、その攻撃対象をジェシカから自分に向けることが出来たということと、竜の防御能力を知ることが出来たことだ。それによって、ルークは勝機を見いだしていた。

 間合いがとられたことによって、竜は再びブレスを吐くべく精気を収束し始める。それをルークは見逃さなかった。

 身体の右半身を後ろに引き、それに重心を乗せる。それは酷く珍しい光景だった。元々ルークは構えをとることが少ない。ルークの攻撃は、そのほとんどが朧という、構えを必要としない攻撃方法が始まりであるからだ。

 そのルークが構えをとる。それは彼が今までとは違った種の攻撃を放つことを意味していた。

 ルークは大きく息を吸い、それを止めた。凄まじい力が場に収束していくのがジェシカには解った。本来、闘気は精気と違って肌で感じることが困難なものだ。だがそれであるにも関わらず、ルークが放つ闘気をジェシカは強く感じていたのである。そして竜の精気の収束が終わるよりも先にルークは動いた。

 ジェシカの目には、何かが煌めいたようにしか見えなかった。光の尾が目に入り、それを追っていくと、そこにはルークの姿があった。

 竜の真正面、その速さに、竜は反応できていなかった。

「破邪滅法っ」

 ルークが大きく叫ぶ。それは自らの意志を高めるためのものだ。闘気の密度が更に高まっていくのが解る。その彼の右腕は目映いばかりの光を放ち始めた。ルークは迷うことなく、言葉と共にその力を解放した。

「麒神、滅龍貫」

 その一撃は、竜の堅い鱗を難なく貫いていく。それはルークが使うことの出来る最強の攻撃だった。闘気を限界まで解放し、それを至高にまで練り上げることによって人知を越える力を導き出す。さすがの竜の鱗も、その威力を防ぐことは出来なかったのである。

 ルークは竜の心臓部を貫いていた。彼はゆっくりとその右腕を引き抜く。それには銀色の珠が握られていた。

 刹那、竜の身体は強く発光し始める。そして光は次第に舞い上がっていき、次第に大きな球体を生み出していった。

 全てが終わった後、そこにはカイラスの身体が残されていた。

「カイラスっ」

 ジェシカがカイラスに駆け寄っていく。そして彼女は静かにカイラスの身体を抱きしめた。彼の身体には、まだ体温が残っていた。冷たくなりつつあるその身体を強く抱き、近づいてくるルークに向かってジェシカは呟いた。

「ルーク、早くいってあげて」

 それは小さな声だった。しかし、ルークはそれに込められた意志の強さを感じる。

「もう、これ以上この街の犠牲になる人間を増やさないで」

 ルークはその言葉に背を押されるように、ジェシカに背を見せ、駆け出し始めた。

(まだ、止まれない)

 出来ることなら、ルークもカイラスを弔ってやりたかった。だが、彼にはまだ止まることは許されていない。リニアを迎えに行かなければならない。それが彼の望みだった。そしてそれが今自分がすべき事だった。



 誰もいなくなったその場所で、完全に冷たくなったカイラスを抱いたまま、ジェシカは小さく呟いた。

「馬鹿よ。貴方が自分を犠牲にして、私が喜ぶと思ったの」

 涙が頬を伝う。口とは裏腹に、気付いていながらそれを止められなかった自分を彼女は責めていた。彼女の口からは嗚咽が漏れ始める。

「本当、損な生き方しか出来なかったんだから」

 そこに残ったのは、女の泣き声だけだった。

 こうして一人の娘の嘆きを取り込みつつ、ジェチナの争乱は遂に最後の局面に突入していった。


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