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はち/宮崎家の休日の場合
〜ご奉仕評価争奪戦・第2ラウンド開始〜
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 脱衣所に入ると丁寧にタオルと代えの下着にワイシャツ、ズボンまで用意してある。それを見て次に来るのは誰だろうかと予想しながらとりあえず服を脱ぐ。

「おい、早くしろ」

「は!? 綾乃か!?」 

ゆっくりしていたつもりはないのだが、風呂場からは確かに綾乃の声が聞こえた。これはまずい。よりにもよって風呂場での相手が綾乃とは。何をされるかわかったものではない。下着を下ろそうとして手が固まってしまった。

「ああ。浴槽には湯は張っていなくてな、体洗ったらすぐに出るようにしてある。ほれ、早く来い」

「――逃げたい」

「誰が逃すか。来なければ引きずりこむぞ」 

さあ覚悟を決めるんだ、月代雪那。もうお前に逃げ場なんて用意されてないぞ。全部捨てきる覚悟があれば逃げ出してもいい。でも掴まって終わりだな。ほれ、とっとと行かんか。 

天の声を聞いた雪那は無心で準備を進める。準備を終えて風呂場への扉を開け放つ――

「あはははははは」 

そして現状にひれ伏した。「ほれ、体洗ってやるからこっち来い」

「お前少しは歳考えやがれー!」

「なんだこれでは不服か」

「ふざけんな! てめがそれ着たら犯罪だろうが!」 

目の前にいた綾乃は水着を着ていた。青い、それでいてとてもシンプルな。胸に白い生地があり、そこにマジックペンででかでかと「あやの」と書かれている。

見覚えがないわけではない。ああ、そうですね。学校でプール授業の時に女子が着ているスクール水着というやつですね、これは。

「む、犯罪とはなんだ。これでも着るのには勇気いるんだぞ。若くはないからな」 

頬をピンクに染めながら弱弱しく反論する。意気込んだまではいいものの、さすがの綾乃も着てから恥ずかしいことは自覚したらしい。

サイズもどう見てもあってはいなく、スタイルのいい綾乃の体にぴっちりはりついて異様なまでにエロい。胸なんかは強調されすぎてかなり見た目はやばかった。これほどの上玉は探してもそうそういない気がする。

「ふ、ん。雪那もいい体してるな。さすがといえばそうか」

「み、見るな。その格好で見られるとどうも……」

「ふーん」 

まだ顔は赤いものの、調子を取り戻した綾乃はニヤニヤしながら雪那を見る。さすがに下半身全てとはいかないが、上半身だけでも無駄なくついた筋肉と体の傷は非常に逞しく見えた。

「そこに座れ、洗ってやるから」

「う」

「躊躇ってもしょうがないぞ。まさか洗いもせずに時間切れで逃げるつもりか」

「そうしたい」

「冗談言え。後でどうなっても知らんぞ」

「ううう」 

半泣きで用意された椅子に座る。綾乃が全部やってくれるということなので、雪那はただ黙るしかない。

とりあえず万が一がないように股付近にいつでも隠せるように手を移動させておいた。綾乃はボディソープを泡立たせて、背中を洗い始める。

「どうだ。かゆいとこは」

「な、ない」

「そうか」 

そのまま無言で進行する、終始無言で終わればよいと神に祈ったが、都合よく望む時に限って神はそれをたまたま聞いてなかったりするものだ。

「次は前―」

「い!?」 

ふにゅん。

「に!」

「んー、こんな感じかな」 

体の前を洗うために、綾乃はわざと後ろから抱きつくような姿勢で手を回してきた。体が完全に密着し、胸が背中に当たっている。

「ちょっ、と、綾乃!」

「んー? 聞こえんなあ。ほれほれ」 

ついでにそのまま体を上下にスライドさせる。背中を柔らかい感触が伝っていく。

「んんんー!」 

押し止めていたいのだが呻き声で出てしまう。情けない話しだがそれくらい気持ちよかった。

「んふ、どう? まだやって欲しいか?」

「い、や、できれば勘弁」

「駄目だな、雪那は」 

作業続行。それでもしっかり体は前のほうも洗っているので、結局動けなくなって続行する。あとは残すところ最後の――

「! それは駄目だろ、おい!」

「あれー? 隠してるけどもしかして反応しちゃったのかな?」

「い、いやその」

「大丈夫だ、優しくしてやるから……♪」

「あう……」 

ついに雪那が諦めかけて手を離そうとした。ゆっくり、それでいて確実に手が移動――

ピー! ピーピーピーピー! ピピピピピピピー!

「うわっ」

「こら朝幹! 今いい所だから邪魔すんな!」 

すりガラス越しに笛を鳴らしまくって注意する綺羅々。多分、時間になって呼びに来たところで先程の会話を聞いてしまったのだろう。もう近所迷惑になるかと思わせるくらい笛を連発して鳴らしてくる。

「先生が生徒に手を出したらいけませーん! そうじゃなくても時間切れですー!」

「時間切れか? ちっ、ここから面白くなるというのに」

「う、綾乃、お前本気かよ」

「このまま喰おうと思ってたがな、くそっ」

「……」 

もうどうにもならないような視線を向ける。綾乃はこれで終了のため、体についている泡を全てシャワーで洗い流してから先に上がってしまった。風呂場には中途半端に雪那がぽつん、と1人で残される。

「月代君は体を洗い終えてその、鎮めてから上がってくださいね。次は夕食が出来るまで部屋で待機になります」

「はい……」 


情けなくなって、冷たいシャワーを思いっきり浴びてから雪那は風呂から上がった。


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