〜ご奉仕評価争奪戦・第2ラウンド開始〜 8/11 移動した雪那は誰もいない食卓へと辿り着く。しかしそこには誰もいない。 「?」 飲み物をここで貰う、ということは誰かが来るということだろう。会わなければ次には進めないようなので、素直に雪那は椅子に座って待つことにした。 誰も来ないのでどうしようかそわそわしていると―― ことん。 いきなり後ろから茶を出される。中は緑茶だ。 「雪那、はいどうぞ」 「あ、サンキュ」 出されたお茶をそのまま飲む、声からして京子だが、とりあえずは緑茶を口に運ぶことに。 ずずずず。 「お疲れ様です」 「ぶーーーーーーーーー!!!!」 雪那は口に含んでいた緑茶を勢いよく噴き出した。霧状に撒き散らされた緑茶はテーブルの上に綺麗なまだら模様を描く。 「な、なななんなななんななな」 「そ、その、恥ずかしい、ですよ?」 「い、いやな、なんじゃそりゃ」 そう思うのも無理はない。普段の京子から考えればありえないほど大胆な服装なのだ。つか、服装のカテゴリに当てはまらない。目の前には―― 「ば、バニーちゃん、です……♪」 可愛らしくポーズをとってみせる京子。うさみみ。黒いレオタードは角度がすんごい。装着された網タイツは細い京子の足を際立たせており、非常に可愛らしいバニーさんと言えよう。 うん、お持ち帰りしたいぐらいだ、という感じに雪那の頭は崩壊気味。普段はそんなそぶりなど見せずに、和風キャラで通している京子がこの格好なのは反則過ぎる。 「……」 「えっと」 「……」 「そんなに、見ないで欲しいのですが……」 「無理」 「はあ」 これで見ない男はいないだろう。予想外もいいところで、似合いすぎるというのはこういうことを言うのだろうか。頭のうさぎのてっぺんからつま先までまんべんなく見回す。それくらい京子がこれを着るのは意外すぎた。 「うーん、これやばいなー」 「えっと、その、ここにチップ下さい」 そう言った京子は胸の谷間を作って雪那に差し出す。 「ぐあ」 できた谷間になんとなく指を突っ込みたくなってもうクラクラ。額に手を当ててどうしようか考えていると。 ピー! 「時間切れでーす」 「はあ。これは助かりました」 京子はやっと終わった、と溜め息をつく。これは本当に恥ずかしかったらしく、耳の先まで真っ赤だ。 そこがまた…… 「次は風呂場へどうぞ。タオルは用意していますので、そのまま体を洗ってください」 「ちょっ、それはやばくないか?」 つまりは普通に裸になって風呂に入れということだ。これはいくらなんでもまずい気がするが。 「うーん、でももう役割はくじで振ってるのよ。今更変更は無理」 「――」 どうやらこれにも逃げ道はないらしい。 渋々了解(もう心の中では何回目か)しながら、雪那は重い足取りで脱衣所に向かった。 Copyright 2005-2009(C) 場決 & 成立 空 & k5 All rights Reserved. |