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はち/宮崎家の休日の場合
〜ご奉仕評価争奪戦・第2ラウンド開始〜
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 移動した雪那は誰もいない食卓へと辿り着く。しかしそこには誰もいない。

「?」 

飲み物をここで貰う、ということは誰かが来るということだろう。会わなければ次には進めないようなので、素直に雪那は椅子に座って待つことにした。

誰も来ないのでどうしようかそわそわしていると――  

ことん。 

いきなり後ろから茶を出される。中は緑茶だ。

「雪那、はいどうぞ」

「あ、サンキュ」 

出されたお茶をそのまま飲む、声からして京子だが、とりあえずは緑茶を口に運ぶことに。 ずずずず。

「お疲れ様です」

「ぶーーーーーーーーー!!!!」 

雪那は口に含んでいた緑茶を勢いよく噴き出した。霧状に撒き散らされた緑茶はテーブルの上に綺麗なまだら模様を描く。

「な、なななんなななんななな」

「そ、その、恥ずかしい、ですよ?」

「い、いやな、なんじゃそりゃ」 

そう思うのも無理はない。普段の京子から考えればありえないほど大胆な服装なのだ。つか、服装のカテゴリに当てはまらない。目の前には――

「ば、バニーちゃん、です……♪」 

可愛らしくポーズをとってみせる京子。うさみみ。黒いレオタードは角度がすんごい。装着された網タイツは細い京子の足を際立たせており、非常に可愛らしいバニーさんと言えよう。

うん、お持ち帰りしたいぐらいだ、という感じに雪那の頭は崩壊気味。普段はそんなそぶりなど見せずに、和風キャラで通している京子がこの格好なのは反則過ぎる。

「……」

「えっと」

「……」

「そんなに、見ないで欲しいのですが……」

「無理」

「はあ」 

これで見ない男はいないだろう。予想外もいいところで、似合いすぎるというのはこういうことを言うのだろうか。頭のうさぎのてっぺんからつま先までまんべんなく見回す。それくらい京子がこれを着るのは意外すぎた。

「うーん、これやばいなー」

「えっと、その、ここにチップ下さい」 

そう言った京子は胸の谷間を作って雪那に差し出す。

「ぐあ」 

できた谷間になんとなく指を突っ込みたくなってもうクラクラ。額に手を当ててどうしようか考えていると。 ピー!

「時間切れでーす」

「はあ。これは助かりました」 

京子はやっと終わった、と溜め息をつく。これは本当に恥ずかしかったらしく、耳の先まで真っ赤だ。

そこがまた……

「次は風呂場へどうぞ。タオルは用意していますので、そのまま体を洗ってください」

「ちょっ、それはやばくないか?」 

つまりは普通に裸になって風呂に入れということだ。これはいくらなんでもまずい気がするが。

「うーん、でももう役割はくじで振ってるのよ。今更変更は無理」

「――」 

どうやらこれにも逃げ道はないらしい。

渋々了解(もう心の中では何回目か)しながら、雪那は重い足取りで脱衣所に向かった。


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