〜ご奉仕評価争奪戦・第2ラウンド開始〜 5/11 家具を吟味するために出撃した3人は、買い物途中にその地雷を踏んでしまった。そこで出会った本人達は地雷とは思いもしないだろうが、後々考えればここで彼女を誘わなければこの事態は避けられたかもしれない。 以下、遭遇時の会話をどうぞ。 「あー、瀬里奈じゃない。どうしたのー?」 買い物に来た3人に話しかける人物。瀬里奈・京子のクラスメイトである朝幹綺羅々(あさみき きらら)だ。背が小さくリズに似て可愛い。黒い髪の毛が日本人形のような可愛らしさを醸し出す女の子。 「綺羅々じゃない。いやね、家具が事情により破壊されたから買い直しよ」 「そこで吟味しに来たのですが……、綺羅々は?」「暇だから見に来ただけだよー」 知らないので置いてけぼりの椿をよそに、瀬里奈たちはどんどん話しを進めていく。そのまま奥まで歩いていってしまうため、椿は一定の距離を置いて後をつけた。 「へー、月代君迷惑かけっ放しね?」 「今回は血判書で不問にしましたがね。やはり不安でないかと聞かれれば不安ですよ」 「……うん」 昨夜のことを思い出したのだろう、少し落ち込む瀬里奈。それを見ていた綺羅々は、途端に声を上げる。 「あー」 「?」 そして、この一言が全てを終局へと導く一言だった。 「ならさ、月代君が行きたくなくなるようにあんたらがご奉仕してみたら?」 『はい?』 大・決・戦。 「許可する」 主の許可は3秒で下りた。誰もが想定外の事態に面を食らって黙り込む……ことはない。雪那にはすでに1時間ほど時間を潰して来いと言い放ち、無理矢理外出させた。現在ここにいるのは雪那を覗く宮崎家の住人と、朝幹綺羅々その人。 「よし、いいよね。じゃあすぐに衣装調達するから、待ってて」 「すぐできるの?」 「うんうん、大丈夫」 綺羅々は携帯電話を取り出し、どこかに向って電話する。何度か頷いて話した後、10分後。 ピンポーン。 「?」 「あ、来た来た」 「お邪魔しまーす」 『なああっ!?』 光景は想像を絶する。家の中に運び込まれたものは、只ひたすらに衣装。大量に家の中に衣装が持ち込まれ、すぐに居間は埋め尽くされてしまった。 「これが私の現在所持している全衣装よ。これから好きなものを選んでもらうわけだけど、その前に最終ルールを確認しておくね?」 配送してきた配達員が全て退去したところで、改めて綺羅々が説明を開始する。小さな身長にもかかわらず自慢げに佇むその姿は、(いろんな意味で)大きく見えた。 「今回の作戦は月代君にランジェリーパブなんざに行かなくてもいいよう、家のメンバーでも充分満足できることをアピールする大会です。 各員、決められた場所で月代君に対して衣装を来てご奉仕してもらいます。ついでだからもうやるだけやっちゃってください。 この際行き過ぎなければ18禁近くてもOKです。奉仕行為は被らないようにくじで決めます。時間は長くせずにこちらで計ります。 時間が過ぎたら笛を鳴らしますが、その時間はあなた達には通告無しです。頑張ってください」 「はーい、質問でーす」 「なんですかー、椿さん」 「衣装はシチュエーションに関連性を持たせなければいけませんか?」 「全然関係なくて大丈夫です。インパクトがあるもの選んで月代君をいろんな意味で落として下さい。ついでだから最後に誰が一番よかったかも聞きます。奮闘を期待します。それでは、くじを引いてくださーい」 綺羅々は自分で作ったくじを各メンバーに引かせる。全員が抜いたところで、お題の発表となった。各奉仕手順は以下の通り。 綾乃……食卓で飲み物終了後、風呂場で体を流す 瀬里奈……風呂後、部屋で食事時間まで奉仕 京子……帰ってきてから食卓で飲み物を出す 椿……帰宅後玄関でお出迎え、入り口から食卓まで案内 雪華……食事作成・食事奉仕 アティ……食事後居間で一緒にテレビ鑑賞・奉仕 「決まりましたねー」 『はーい』 「じゃあ衣装を選択してください。サイズのことなどで問題があれば私に相談、スタート!」 綺羅々の声を掛け声に、各々が真剣に吟味し始めた。 ちなみに補足しておこう。 朝幹綺羅々は、クラス、いや校内でも屈指のコスプレマニアである。しかもその範囲は留まるところを知らず、アニメ系統のマニアックなものからボンテージファッション、ゴスロリまで全てを幅広く完備している、まさしくコスプレイヤー。クラスメイトと遊ぶときは必ず着せ変えしてから外に出るほど、コスプレが好きな少女なのだ。当然、所持する量は普通のヒトから見れば異常としか思えない量がある。 「うっわ、これなんてどこで着るのよ……」 選んでいた瀬里奈はおもわずそんな感想を口から漏らしてしまう。手に取っているのはもう紐としかいえないほどのデザインの水着であり、こんなもの付けてプールや海に行ったらそれこそ男女問わず視線を釘付けにしそうな代物だ。 自分がつけてるところを想像してみるが、あまりにも恥ずかしくて想像だけで顔を真っ赤にしてしまう。 「無理無理……」 顔を逸らして選ぶ作業に戻った。他のヒトが奉仕中は干渉しないのがルールとなっているが、その中でも雪那の部屋で2人っきりという状況をゲットした瀬里奈は大チャンスだ。 ここぞとばかりに、2度と雪那がパブなんかにいかないようなことをすればいい。状況と照らし合わせつつ、衣装を見ていく。 すると―― 「ん?」 ふと、ある色の服が目に止まる。並べられた中でどうも異色を放っていた。そばにある服の色のせいもあるのだが、それは瀬里奈の目に飛び込む。それを手に取り、広げて吟味。 (……こ、これだ! 雪那に奉仕するにはこれしかないっ!) さっそく綺羅々に決定したことを告げる。 「綺羅々、これでいく!」 「おおっ、いいねえ、いいねえ! 部屋での奉仕にそれを選ぶなんてセンス抜群! ちょっと待ってて、それとセットの小道具とか用意するから」 「うん、お願い」 「えーっと……」 どこからか出現していたダンボールの中を綺羅々はごそごそと漁っていく。瀬里奈はそれを見ながら、すでに脳内シュミレートを開始していた。自然と、口元がにやけていく。 (ふ、ふふふふ、これでいただき。あ、やば、涎が) じゅるり。 Copyright 2005-2009(C) 場決 & 成立 空 & k5 All rights Reserved. |