大皿刺身盛り合わせ
 
 先日開催のグループ展は7回目であった。
勤めていた会社こそ同じだったが 「おい、お前も描くのか!?」と言った顔ぶれの集まりであった、 それから速いものでもう満6年を過ごしたことになる。
 また、来展者の方達も次第に絵好きだという方に絞られてきて、そのご批評はメンバーの刺激となり糧ともなって腕前は年々確かなものになって来ている様である。
 

 この会の決まりは、自分の作品を飾る画廊壁面の長さの目安のみ、 時折 次の年に裸婦を描くの
は「お前だぞ」とか、「人物画が少ないね」など幾つかの示唆はあっても、 まず一年後の会に実行 されていた例とてない。
毎年飾り付け順はくじ引きで決め、実際には飾りつけ時に絵の内容でバランスを勘案 して微調整 するのである。

 会期中の週末には毎回恒例のメンバーの合評会が開かれる、内容は相互の作品の批評会だが、 その実これを名目に一杯飲もうと言う趣向である。
展覧会の開催にはメンバーの婦人方のパワーが欠かせないが、合評会でもその力は遺憾なく発揮 される。

  昨年のことだったか、目の前の料理屋の刺身が良いという事を発見
想い出落書き帖参照買い物 上手の一人の奥さんが店と交渉をしてくれて、とてもお値打ちな刺身大皿を調達、その前年はやはり上手 に交渉して牡蠣フライの大皿を近くの店から取り寄せてくれていた。

 居合わせた来展者の飛び入りもあり、この時も5人ほどの女性客が参加してくれて会は 一層盛り 上がり、その内のジャズ歌手がアカペラで持ち歌を披露すると、これに応じて メンバーも演歌で返し、 また外国曲に声を張り上げる・・・そのうち合評会であったことを思い出してそれぞれの作者が出展 の自作についての思いを説明をした、会の盛り上がりに連れ他のメンバーからの毒舌作品批評の 程度は少し薄められていたようである。

 和気あいあいのグループ展「午前の会」・・・夜が明けて間もない程の腕前の意・・・ この画廊で 初回以来まことに自由に伸び伸びと運営してこれたのだけれど、思い出深い 画廊が店を閉める、 既に次回の会場は銀座通りの画廊に決めてはいるが、来年からは目前の店のお値打ち 刺身大皿 にお目に掛かることは出来ないだろう。

 わが絵の唯一の師であり画廊の主でもあった「故・古山康雄先生」享年67歳で急逝された。
午前の会も立派に育っている、先生の数々の教えに感謝し、ご冥福をお祈りしたい

想い出落書き帖のTOPへ戻る