ナッツ

 カシューナッツについて前に書いたことがある。ドライマティニーと良く似合うと言う話だったけれど
その話の後日談だ。
                                                                   
(その話はこちらをご覧下さい)

 近頃も中華ものでカシューナッツをたくさん使った炒め物を口にしたことがある。
テレビからの知識だけれどこのナッツの大産地はヴェトナムであるとのことだったから、地理的にも 近い中国の料理に使われたって不思議は無いと思う。カシューナッツのあの歯ごたえは炒めても ちゃんと残されていた。

 ところで話は戻る、ドイツからのみやげ物だった塩味で、煎ったような噛み応えがとても好ましい 缶入りものを東京で思いつく店で探し回ったがお目にかかることは無かった。
  また同じような加工をしたものすら見つけることができなかった。
その後頼んで持ってきてもらった別のドイツの知人の缶入りカシューナッツも東京で手に入れたもの
と味に大差は無いものだった。

 こんな話を伝えておいたからだろう、今回知人の来日でドイツからの来訪土産には懐かしい塩味の
缶がどっさりと用意されていた。それに重たいジンとドライ・ベルモットの1ℓ瓶を2本もぶら下げてきて
くれたので早速にカシューナッツ缶を空けての「酒盛り」となったのは言うまでも無い。

 来訪の知人が住む街でも某スーパー・マーケット一ヶ所以外ではこの缶を見たことがないという。
そのような訳でこれからの注文に備えて缶のレーベルを控えたのは勿論だが、印刷された発売元がどんな場所なのかインターネットで調べてみた。
 近頃は本当に便利だ 地図検索をすればドイツの郵便番号で地図上に場所がすぐわかった。ついでに航空写真までも見ることができるし、目当ての建物前にはたくさんの自動車、トラックかもしれない映像も読み取れた。
 

 そこはドイツ中西部の田舎の町のようだったけれど、そこでカシューナッツが採取された訳でも ないし加工されたのかも判らないけれど 「ふゥ〜ん、そうなんだ」と妙な納得をするのも酒の肴に グラスはドンドンと空けられたのである。

 カシューナッツはアメリカ原産とは調べていたが、今ではヴェトナムが大産地、大作業場でそれも 一粒一粒を丁寧にナイフ様の器具を使って処理をする大勢の女性達の映像をTVで見ていたから、 今更に地球 は小さくなった・・・などと思った。
 「カシューナッツはドイツに限る」などと言うと落語の 「目黒の秋刀魚」みたいな話だろうか?

(2007)

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