2003年5月12日
    2002年10月8日付開示請求文書に関する公開質問状

核燃料サイクル開発機構理事長
都 甲 泰 正 様

                                岐阜市光栄町1-1-2-402
                                          兼松秀代
                               電話&FAX 058-232-2073

 私が2002年10月8日、開示請求した「地層処分研究開発の考え方と進め方」は核燃料サイクル開発機構(以下、「核燃」とします)が、1986年以来東濃で進めてきた「地層処分研究」を「地層科学研究」という表現に言い換えるために作成されたと言っても過言ではないほど重要な位置づけにある文書です。東濃地科学センターにとっては研究の定義であり、方針となる重要な文書です。
 しかも2003年4月24日付開示決定通知書と共に送付された、開示文書には「理事会(H.1.9.26)承認」とありました。この記述が正ければ1989年9月26日、理事会の承認を得た文書です。
 こうした重要な位置づけの文書にもかかわらず、2002年11月6日には調査したが「見当たらなかった」、更には「取りまとめなかったとの意見がありました」など無責任な発言をヒアリング結果として記述し、不存在による不開示決定としました。
 異議申立を受け2002年12月26日には、上記の決定を取消し、「請求文書に該当することが確認できない文書であっても、それに該当する合理的可能性があると考えられる文書をできる限り開示するという情報公開法の趣旨」を理由に、私が請求している文書ではないと否定しているにもかかわらず、文書を強引に開示決定しました。
 再度の異議申立に対し、2003年4月24日付で情報公開審査会に諮ることなく、再度の開示決定取消しと開示決定を行いました。請求から7ヶ月経過しました。
この開示決定の経過は他の自治体、政府の開示決定経過とあまりにもかけ離れています。
なぜこのような経過をたどったのか、今後も同様の状況が繰り返される可能性はないのかを知るために質問状を提出します。
 勝手ながら2003年6月12日までに文書による回答をお願いします。

                       記

1.2002年11月6日付不開示決定通知書について
1) 「本社バックエンド推進部が管理する書架及び倉庫について資料類を調査したが、 請求資料に該当するものは見当たらなかった」とあります。なぜ調査箇所を推進部が管理する書架及び倉庫の資料類に限定したのですか。
2)上記限定箇所以外に、存在する可能性を、承知していたのですか。
3)見あたらなかったとは、存在は承知していたが、所在が確認できなかったということですか。

4)ヒアリングを受けた部署と人数、ヒアリングを実施した部署と実施方法(電話、対面  など)、人数の全てを列記してください。
5)地層科学研究という言葉は、核燃がつくりだし、使っている言葉です。そして東濃地科学センターの事業の定義であり方針となる重要な文書です。その上理事会承認文書です。その文書が見あたらなかった、原子力委員会が同趣旨のものを策定し公表したので「動燃事業団としては取りまとめなかったとの意見がありました」など述べています。
  このような認識とそれを不開示理由として記載する姿勢を、私は無責任であると考えますが、いかがですか。

6)東濃地科学センターは地層科学研究の呼び名の根拠を地域住民に対しては1989年12月19日の原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会策定「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発の重点項目とその進め方」とし、「超深地層研究所地層科学研究基本計画」(1996年11月 東濃地科学センター)では、1994年6月の原子力長期計画を上げています。
a 核燃は地層科学研究の呼び名及び研究の根拠を何においているのか、明らかにしてください。
b この開示文書は地層科学研究の定義であり、方針でもあるにもかかわらず、存在しないものであるかのごとく扱われています。この文書は何のためにつくられたのですか。原子力委員会に地層科学研究という呼び名及び研究の根拠を与えてもらうための、検討資料だったのですか。しっかりと答えてください。

2.2002年12月26日付開示決定通知書について
  通知書に「請求文書に該当することが確認できない文書であっても、それに該当する合理的可能性があると考えられる文書をできる限り開示するという情報公開法の趣旨を踏まえ再検討し」たとあります。
1)上記の文言は独立行政法人等情報公開法の何条に記されているのか、具体的に条文の抜粋をもって示してください。

2)今も上記文言を法の趣旨と考えていますか。
3)開示決定にあたり、文書確認のための調査をしましたか。実施したならその場所と期 間も示してください。しなかったのであれば、その理由を示してください。

3.2003年4月24日付、開示決定通知書について
1)文書の表題は「法人文書開示決定通知書」です。しかし内容は法人文書開示決定の取消兼開示決定通知書です。表題は内容が正確かつわかりやすく記される必要があります。開示決定の取消も表題に記載することが正確かつわかりやすいと考えますが、い かがですか。2002年12月26日付表題は「法人文書不開示決定の取消(兼開示決定)通知書」です。
2)再度の異議申立による調査で3月10日に発見したとあります。調査した場所と期間を教えてください。
3)1989年当時の理事会承認文書保存年限と文書登録の有無についてお答えください。
4)これまで見つからなかった理由について
 a 「文書管理が煩雑化した状況の時期に」私が開示請求したことを上げています。
  しかしこれは理由にならないと考えます。動燃から核燃に改組されたのは1998年10月1日です。開示請求は2002年10月8日です。改組以降4年が経過しています。独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下、「独立行政法人等情報公開法」)の公布は2001年12月5日です。公布10ヶ月後に施行されました。突然施行されたわけではありません。また2002年10月1日からは何人も開示請求する権利があります。法人は開示請求に対応する体勢を整える責任があります。従って「文書管理が煩雑化した状況の時期に」開示請求したことは理由にならないと考えますが、いかがですか。

 b 「この文書登録の時期(10月8日)と文書調査の時期が相前後したことが主な理由」とあります。開示請求は10月8日付です。開示請求後に調査するものと考えます。開示決定は11月6日付です。登録後調査対象となる、または登録担当者が調査該当文書であることに気づくなど、いくつものポイントでチェックされ、不開示となることはないと考えます。文書登録開始日と終了日、調査し開始日と終了日を示してください。
 c 文書登録の時期(10月8日)と文書調査の時期が相前後したことによって不存在となる理由が理解できません。わかりやすく説明してください。
 d 改組に伴って文書はどこらどこに移動し、登録前にはどこに保管されていましたか。
 e 「動燃事業団からサイクル開発機構への組織改正(平成10年10月)」とあります。
   しかし私は改組と考えています。今後も「組織改正」という表現を使いますか。都甲理事長は核燃HP挨拶で「動力炉・核燃料開発事業団を改組し、設立されました。」(2002年5月)のと述べています。
5)異議申立や再度異議申立をしなかった場合、請求文書が見つかっても、かっての請求者に対し連絡せず、放置するのですか。

4.一般事項として開示請求文書の有無を調査する際の調査の流れ、それぞれ部署からの回答ルートを具体的に示してください。

5.開示請求文書について不開示決定、取消決定の直接の責任部署はどこの事業所のどのポストにある人が行いますか。今回の件について具体的に教えてください。

6.開示請求文書の一連の不開示及び開示決定にあたり情報公開委員会及び情報公開委員会検討部会の検討はいつ、どこで行われましたか。開催日と場所を全て記してください。

7.開示請求文書を1989年という時期に起案するに至った背景、起案作成部署、理事会承認に至った経緯についてそれぞれ詳細にお答えください。

8.理事会承認が必要とされる文書とはどういうものか規定(基準)を示してください。

9.理事会決定文書の保管期限、管理規定、文書登録簿(台帳)記載状況等について詳細に説明してください。
            以上

     なお、2003年6月12日までに文書による回答をお願いします。
回答先 〒502-0823 岐阜市光栄町1-1-2-402 兼松秀代
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核燃は信用できない