土岐市、議員提案の
「放射性廃棄物等に関する条例(案)」 が危ない

                       
<土岐市には2つの
    放射性廃棄物持ち込み拒否条例が存在>


 核燃機構の事業所がある、岐阜県土岐市には放射性廃棄物持ち込みを拒否する条例が、99年3月に2つ同時に成立した。
 核燃が処分場の概要調査と同じ方法で10キロ四方を調査したい。その予備調査と称して土岐市内の4平方キロの4万本規模の処分場区画を設定し、詳細な地下調査をしようとした。推進したい市長は、市民の不安を押さえるために、既にあった環境条例に「放射性廃棄物持ち込み禁止という」文言を追加しただけのもの。
 もう一つは議員提案の拒否条例である。対象は放射性廃棄物全て。放射性廃棄物の処分場につながる全ての施設の建設を拒否している。つまり『超深地層研究所』建設を認めない。関係施設への立ち入り調査と違反の場合の操業停止等を定めている。
 議員提案は(案)のまま、公布されている。提案議員の不慣れと、議会事務局の意図的修正サボタージュで(案)のまま成立し公布した。

<合併にからめて議員提案条例つぶしをもくろむ
 
ところが合併に絡んで、2つの条例を一本化して、新市に引き継いでもらいたいという名目で、議員提案の条例を潰す「改悪」条例が提案され審議している。合併で旧自治体の法人格はなくな。1本化したところで必要と認めるかどうかは新市民の判断となる。いま急いで1本化する必要はない。
 
  → 現行、改悪条例対照表

< ここが「改悪」>

1.特定放射性廃棄物に限定し、放射性廃棄物全般にわたる拒否をさせない

 「改悪」は、条例の対象を高レベル放射性廃棄物と限定したため、TRU廃棄物、使用済み核燃料、核融合科学研究所が計画している重水素実験(実験を止めるための公害調停を申請、進行中)を実施した場合に、大量かつレベルの高い放射性廃棄物の発生及びその処分(現地・土岐市に据え置き)を拒むことができなくなる。




2.高レベル放射性廃棄物の通過を認め、止まることを認める!!

「改悪」条例では、何と高レベル放射性廃棄物の通過を認め、止まることを認めている。
 しかし高レベル放射性廃棄物は通過するだけで危険なもの。搬入時に雨が降れば雨が蒸気となってモウモウと立ちのぼるほど内部では核分裂が進んでいる。『ガラス固化体1本で広島原爆の30発分』と言われている。30年経っても表面温度は100度を下らない(日本原燃から青森県に提出の資料)。
こうしたものが数万本から数十万本通ることを、条例で認めるような異常な自治体がどこにあろうか。
この条例は高レベル放射性廃棄物についてよくよく知識のないものがつくったか、恐ろしい企みをもったものがつくったかどちらかだ。
 通過、停車を認めることは「改悪」第1条の「特定放射性廃棄物等による災害から市民の生命と生活を守」ることになるはずがない。キケンにさらすだけだ。
アメリカでは使用済み核燃料を「モバイル・チェルノブイリ」と呼んでいる。

3.処分実施主体・原環機構の事業に立ち入る!?!?
  矛盾と欺瞞の3条と4条


・第3条と第4条は矛盾する。土岐市は第3条で持ち込みを禁止し、概要調査地区選定を拒否するのだから、事業所など作ることができない。作れない事業所に対し第4条で、立ち入り調査をするということ自体欺瞞、ごまかしである。
 原子力発電環境整備機構は概要調査地区を定めたいなど、かかわりのある地域に事業所を置く。関係ない地域には事業所は置かない。事業所があるということは、公募に応じた自治体ということになる。土岐市は応募するつもりか?!


4.第5条<市長への白紙委任>は議会に関与させないため!

 議員提案条例のように、必要な事項は規則によって定めるべきだ。規則を定めるとき市長に白紙委任するのは、議会に関与させたくないからに他ならない。


「改悪条例」は超深地層研究所、核融合科学研究所の重水素実験推進のためでる。

超深地層研究所の着工、研究所への交付金と国の強力なバックアップで押し進められる中で、「目の上のたんこぶ」的存在の、議員提案の放射性廃棄物持ち込み拒否条例が潰されようとしている。

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