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あ れ こ れ 考 え る 30
 『夏の鬼 その他の鬼』 『アトランティスのこころ』 丸善古書即売会報告 『現代相似禅評論』 初見「e-NOVELS」 名古屋古書即売会報告

 『夏の鬼 その他の鬼』 2002/5/31(金)

 いよいよワールドカップが開会したということですが、私にはまるで、よその世界の出来事のよう。サッカー選手でも知っているのは中田と中山、あとラモスぐらいかあ。日本が1次リーグで戦う国を出題されてもロシアぐらいしか答えられないし......ひょっとして非国民なのか>オレ(^^;


 まあそんなことはどうでもいいが、久しぶりに新刊書店へ。まずは『アトランティスのこころ』に登場した、
『蝿の王』ウイリアム・ゴールディング(昭50年初版、平13年三十四刷 新潮文庫)を購入。
 遺憾ながら全く知らない本でしたがロングセラー本だったのですね。孤島に漂流した子どもたちが、獣性に目覚め、内部闘争へと駆り立てられるというお話のようです。近々読み始める予定ですが、はたしてボビー少年のようにこの小説にのめりこむことができるでしょうか?(^_^)

 その他には、
『横溝正史自伝的随筆集』(平14年5月角川書店)
『金田一耕助に捧ぐ九つの狂想曲』(平14年5月角川書店)
 この2冊はデフォルトで購入。
『SFマガジン 2002年7月号』(早川書房)
 今号は「暗号/数学SF特集」 ちょっとおもしろそうかな。
『ミステリマガジン2002年7月号』(早川書房)
 『第四の扉』刊行記念としてポール・アルテの「ローレライの呼び声」収録とのこと。私はようやく『第四の扉』を読み始めたばかりというところなのでなんともいえませんが、早くも火がついたということなのでしょうか?>ポール・アルテ


『夏の鬼 その他の鬼』早見裕司(2001年エニックスEXノベルズ)読了
 早見さんから送っていただいたサイン本。登場人物たちのぎごちない関係がいい。あとがきを読むと、この作品は『夏街道』『水路の夢』の新バージョンにあたる作品だということです。どちらも持っているはずですが、申し訳ないことに未読です m(__)m そのうち家の中から掘り起こしたら読んでみようと思います。
 ラストは完結しているようにも今後シリーズ化されていくようにもみえますが、おそらく続編も書かれるのでしょうね。


 『アトランティスのこころ』 2002/5/26(日)

 ある古本屋には、壁に「ここでHな本を立ち読みしないでください。大声で注意しますよ」と書いた紙が貼ってある。学生向けに注意しているだけなのかもしれないが、「それならそんな本は店に置くな」と言われても仕方ないと思ってしまう。まあ、効果はあるかもしれないけどね。
 また鶴舞の「袋持参の客に注意する古本屋」では、店主が店員に、「ほら、あの客のカバンにはポケットがついてるだろ。ほらこんなふうに本が入れられるだろ」と言いながら、子ども相手のように、わざわざ自分のポケットに文庫を入れるところを実演までして見せている。「ほら、いって来い」と店主に背中をたたかれ、客に注意しに行く店員を見ながら、こんな教育をされたんじゃあ、将来ろくな店を持てないぞ、と心の中で言ってみる内気なオレ
(^^;


 古本では収穫がなかったので新刊書店へ。
『第四の扉』ポール・アルテ(2002年5月ハヤカワポケット)
 やけに評判がいいらしいのでつられて購入。
『ほぼ地獄。ほぼ天国。』中野翠(2001年12月毎日新聞社)
 中野翠氏の2000年12月〜2001年11月の日記。中野翠の著作は多数出版されているけど、日記が一番おもしろいんだよね。


 『アトランティスのこころ』スティーヴン・キング(平14年5月新潮文庫)読了
  5つの章からなる40年間にわたる物語。
 「一九六〇年 黄色いコートの下衆男たち」母と二人暮しのボビーのアパートにテッドという老人が引っ越してくる。彼は他人の心を読み取ることができ、テッドにふれたボビーもまた母やガールフレンドのキャノンの心を読み取ることが出来るようになる。さらにテッドを連れ戻そうとする下衆男たちが街を暗躍し始める。
 「一九六六年 アトランティスのハーツ」トランプゲームのハーツが猛威を振るっている大学の寄宿舎。ピートはキャノンと恋をする。 「一九八三年 盲のウィリー」少年時代にキャノンに暴力を加えた男は、今、盲に変装する生活を送っている。 「一九九九年 なぜぼくらはヴェトナムにいるのか」ボビーの少年時代の友人サリーは、渋滞の中で幻影を見る。 「一九九九年 天国のような夜が降ってくる」ボビーは40年ぶりにハーウィッチの街にやって来た。
 映画はまだ見ていないのだが、初章と終章のボビーの物語を中心に製作されているというのは理解できる。そのような世界としてみれば2章〜4章は必ずしも必要でないのだ。さらに言えば、終章からみたときだけは他の章が不可欠となるが、他の章についてはそのまま完結してもおかしくないとも言えるのである。
 しかし逆に、別の観点からみれば、この上下巻の1章〜5章だけでは全く完結していないとも言える。最も謎とされる「破壊者」テッドや「下衆男たち」の正体、「この時間ではない」世界については、まるで明らかにされていないのだから。結局この作品は、他の作品とあいまってひとつの世界を形作っていくつもりなのだろう。



 丸善古書即売会報告 2002/5/23(木)

 今日は古書即売会の初日なので、仕事帰りに丸善へ。
期待はしていなかったが、案の定ほしい本はない(;_;) 手ぶらで帰るのは寂しいので、
『不思議な性の大冒険』メリル・八リス/小鷹伸光訳(昭47二見書房)800円
 エロスの国に迷い込んだ少女アリスの大冒険。
『増補改訂 推理・SF映画史』加納一朗(昭55双葉社)1200円
 そこらに、ごろごろ、ころがってる本ですがインタナル出版社版の増補改訂版と書いてあるということだけで購入。でも、私の持ってる同書がそのインタナル版であったのかどうかは不明なので、それによっては全く無意味なダブリ買いということになる。とほほ......(^^;

 新刊書店では、
『青空の卵』坂本司(2002年5月創元クライム・クラブ)
 新鋭作家の、おそらくベッドディクティブの連作もの。こういうシンプルな形式は好みなので試しに購入してみました。
『怪盗道化師』はやみねかおる(2002年4月講談社青い鳥文庫)
 そのうち古本屋で見つけたいと思っていたのですが、復刊してしまったんですね。もちろん購入。
 また、小学館の『本の窓6月号』の特集が「お好きですか?翻訳ミステリー」だったので、もらうことにする。こういう雑誌は後から入手するのは難しくなるからね。
 対談は北上次郎/池上冬樹の「あの翻訳ミステリーが読みたい」。って、けっこう月並みなタイトルだなあ(^^;
 他には、北原尚彦の「名探偵の殿堂」、翻訳家東江一紀の「読む楽しみはあきらめて」、評論家三橋暁の「賞ほど素敵な商売はない?」

 家に帰ると早見裕司さんから、『世界線の上で一服』(1999年プランニングハウス)、『夏の鬼 その他の鬼』(2001年エニックス)のサイン本が届いていました。どうもありがとうございました。今読みかけの『アトランティスのこころ』を読み終えたらすぐ読ませていただきますね。


 『現代相似禅評論』  2002/5/21(火)

 「喉が渇いたなあ」と飲み物を買おうとした時、ふと「実際には喉が渇くことはないんじゃないか」と思いつきました。一度思いついてしまえば今まで本当に喉が渇いたのだと思っていた自分が信じられないくらいです。たぶん一種の比喩なのでしょうが、では喉が渇くというのは実際にはどういう状態のことをいうのでしょうか?
 まあ、それは今後の課題ということで...(^^;


 今日の新刊購入は、
『ふたり探偵』黒田研二(2002年5月光文社カッパノベルズ)
 くろけんさんの新刊。って、けっこう刊行がハイペースでないか?帯では太田忠司さんが絶賛ですが内輪ほめということではないと思います(^_^)


 やあ当たったあ!\(^o^)/ 何が?って、タイトルにもあるように、
『現代相似禅評論』破有法王(大5周文社)3,000円です。
 これは、「かくれた名作」のページでもとりあげている本なのですが、その元版がたったの3,000円で入手できたのです。    かくれた名作 『現代相似禅評論』
 師と修行者が臨済宗の室内で行われる公案に関する問答は非公開とされており、普通の解説書ではヒントしか載っていません。その問答の実態を白日のもとにさらしたのがこの本だというのです。「かくれた名作」では「趙州無字」を例にあげたので、ここでは「隻手音聲」

本則
問 「兩手相拍って聲あり、隻手に何の聲かある」(両手を合わせると音がするが、片手ではどういう音がするのか)
答 無言で隻手(片手)を突き出す。
拶所
問 「隻手を聞いたというなら証拠を見せよ」
答 無言にて隻手を突き出す。
問 「隻手を聞いたら成仏するというが、どう成仏するのか」
答 無言にて隻手を突き出す。
問 「灰になった後、何と聞いたか」
答 無言にて隻手を突き出す。
(中略)
問 そんなに貴重なものなら、わしにも聞かせい
答 無言にて師家の横面を片手で張り倒す。

 やっぱりいいですねえ>禅問答 (^_^)


 初見「e-NOVELS」 2002/5/19(日)

 井上夢人さんの小説をダウンロードしてみようと思い、e-NOVELSを覗いてみました。ふーん、まずSO-NETに入会しなければいけないんだね。まあ、しかたないや。入会だ!
 そこには井上夢人さんの小説が18編もアップされていました。よーし、全部ダウンロードだ。特に「おとしあな」という作品は約2Mもあるのでダイヤルアップの身ではなかなか厳しいものがあるのですがやむを得ません。18編ダウンロードしたら1時間以上かかったがな(;_;)
 で、開いてみたら「おとしあな」というのは、それ以外の17編のうち13編を収録した本のことでした!つまりその13編はダブってダウンロードしてしまったことになるわけです。そういう注意書きがあったのだと思いますが私は残念ながら気がつきませんでした。それぞれ有料なんだから時間も金も損したがな、ちぇっ。それで「おとしあな」っていうのね?(-_-)
 それでも、「テレビ版クラインの壺」の没になった初稿シナリオなどもアップされているので、一度は覗いておくべきサイトなんだね。でもその際、くれぐれも私のようにダブってダウンロードなどなさらないよう気をつけてくださいませm(__)m


『繃帯人間』古屋久昭(2002年5月文芸社)読了
 主人公は、ある日突然、全身に繃帯を巻くことを思いつき実行にうつした。会社では、主人公が繃帯で出勤を続けるのを妨害するため、女性職員に誘惑させたり、職員全員に早朝ジョギングや水泳を義務づけたりして、なんとかして主人公の繃帯を外させようと画策する。公園にいる人々は、1人の子どもが彼に石を投げつけたことをきっかけに集団で暴力をくわえ、また妻は、夫の考えを理解しようと自分も身体に繃帯を巻く。
 おもしろそうな設定だと思ったのだが、もともとなぜ主人公が困難にもかかわらず繃帯を巻き続けようとするのかがわかりにくく共感しにくいことも影響しているのだろう、展開はわりと地味な印象を受ける。オチはなかなかいいと思うが、かえってそのオチの後の話を読みたかったという気もする。もちろん全然別個の話になっちゃうけどね。


 名古屋古書即売会報告 2002/5/18(土)

 今日は名古屋古書即売会の2日目。
 まず『武侠世界』第4巻第1号(大4年1月武侠世界社 表紙破れ)が2,000円で置いてあるのが目につく。2,000円じゃ、ちょっと高いので見捨てたまま会場をぐるぐる廻る.........でもやっぱり買いたいものがない(-_-)
 手ぶらで帰るのも癪なので結局この本だけ買うことにする。表紙が破れていて2,000円じゃあ割高なんだけどね。
 この年に押川春浪が亡くなったようですね。二月号を「押川春浪追悼號」にするという広告と、それに伴って「押川春浪論」の懸賞論文を募集するという記事が載っています。『武侠世界』のことは全く知らないのですが、本当に出たのでしょうか?>「押川春浪追悼號」
 まだ今月は23日(木)〜29日(水)に丸善の古書即売会があるし、今日もらったチラシによると、次の古書会館の即売会は6月7日(金)〜9日(日)予定のようです。結構しょっちゅうあるよなあ>名古屋の即売会


 新刊書店では、「小説すばる」の6月号の特集が「奇想天外!ロボット小説大特集」であることに気付く。「小説すばる」はいつもはめったに買わないのだが、執筆陣も、我孫子武丸、倉阪鬼一郎、菅浩江、乙一と結構気になる面々なのでおくればせながら購入することにする。


『Mr.サイレント 仮想世界の優しい奇跡』早見裕司(平14年4月富士見ミステリー文庫)読了
 早見裕司さんのはじめてのミステリ小説ということだけで、もう十分なのに、けっこう本格的にミステリしているので大満足。第2話で、「横溝島」の実在するハンドル名が続々登場するのは、「仮想世界」をうたっている連作集であることからの特別サービス?まだまだ続くシリーズのようなので楽しみです。


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