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あ れ こ れ 考 え る 13
 『償い』 大阪弁川柳 『NHK少年ドラマシリーズのすべて』 『女郎ぐも』 チューダー女王の事件 

 『償い』 2001/8/31(金)

 名古屋古書市の初日に行って見ましたが、たいしたものはなし。
 『講談雑誌』(昭21 6月号) 500円
  渡辺啓助の明朗小説「ゆくへ知らず」所収
 『SFワールド傑作選 ショート・ショート劇場1』 150円
  このシリーズ、なぜか「1」を持ってなくて気になってました。
  「2」、「3」は500円なのに、「1」だけが150円。しかもこれだけ値札がついておらず、鉛筆で「150」と表記しているだけ。どうも値札の付け忘れのような気がするな。

 行きつけのお風呂さん屋が、水木金と休み。このところサウナに入るのが日課になっていたので残念(;_;) でも、お風呂屋さんも夏休みぐらいとらなきゃね。
 よし、明日は開店時間の午後3時に行ってやるから覚悟せいよ。

 『償い』矢口敦子(2001年8月 幻冬社)読了
 ホームレスを探偵役としたものの、現実感に乏しいものになりました。捜査情報をホームレスにべらべら話す警察官。送検もせずに何日間も留置する警察署長。「他人の心の泣き声が聞こえてしまう」と少年が自分の能力について告白したとたん、医学的に説明をつけて即座にそれを信じてしまう主人公。 『償い』というタイトルやテーマのシリアスさとはうらはらに捜査も真相も偶然のオンパレード。「名探偵ホームレス」などというようなギャグが出てくるわけでもないしね、って、そんなのは別にいらんだろうけど(^^;)


 大阪弁川柳 2001/8/29(水)

 古本屋で『大阪弁川柳』(平10 葉文館出版)400円を購入
 この本の特徴は、帯の裏面に「たこ焼引換券」がついていることです。もっとも「この本が100万部売れたときより有効になります」との制限つきだけどね(^_^) その際は、「新聞広告などでたこ焼の交換所や日時をお知らせします」とのことです。

たこ焼引換券 せっかくだから、中身もちょっと紹介しますね。
   なんでやねん二歳で突っ込みマスターし
   けったいな絵やなとピカソ見て帰る
   あきまへん、どもなりまへん、わややがな
   葬式で次はあんたやおまへんか
   ぼちぼちや成績問われて孫が言い
   おおきになあんたのボケですくわれる


『R.P.G.』宮部みゆき(2001年8月 集英社文庫)読了
 この作品で特筆すべきなのは、筆者みずからが、あとがきで「本作では、地の文のなかに真実ではない記述がある」こと、またそれが「確信犯」であることを宣言していることでしょう。
 なるほどそういうことですか。でも、こんなことがセールスポイントになるなどとは思いもしなかったね。


 『NHK少年ドラマシリーズのすべて』 2001/8/26(日)

 以前、オンラインで、アンチウイルスソフトのバージョンアップができなくなったとお伝えしましたが、このたびなぜかアップデートができてしまいました。理由は不明ですが、いつのまにか不具合が直ってしまうなどということはそれほど珍しいことではありませんよね。たぶんパソコンにも自然治癒力というものがあって、私たち人間ができることは、それを手助けすることだけなのだろうね。それなのにユーザーが自分ひとりで不具合を治すことができるなどと考えるのは、人間の驕りにほかならないわけだよね。(えっ、違うって?(^^;) 

 床屋に行くたびに思うのだけど、耳掻きや、肩や首のマッサージなんかは全国共通のサービスなのでしょうか。中途半端に耳掻きをしてもらっても別に気持ちよくはないし、マッサージなんかはほんとにくすぐったいだけで、内心、早くやめて〜、と思っているのですが...
 また、しばらく前から、洗髪するときに「前で洗いますか、後ろで洗いますか?」ときかれるようになり、そのたびに「前で」と答えてきたのだけれど、最近では問うこともなく後ろに倒され洗髪されるようになってしまいました。よくは知りませんが、これって昔からの美容院の手法ですよね。どうして床屋がこれをまね始めているのかが疑問です。これも全国的な傾向なのでしょうか?

 ようやく『NHK少年ドラマシリーズのすべて』(2001年 アスキー)を購入したのだけれど、すでに第2刷!
 初版発行日の日付が7月26日となっているから、かなりハイスピードの増刷と言えるのではないでしょうか? DVDの発売も順調だし、やはりいまだに根強い人気があるようですね>NHK少年ドラマシリーズ
 それにしても第2刷の発行日が9月17日となっているのは、かなり日付が先行しすぎだよね。


 『女郎ぐも』 2001/8/22(水)

 『女郎ぐも』パトリック・クェンティン(1962年 創元推理文庫)読了
 これは傑作!

 演劇プロデューサーのピータ・ダルースは、妻アイリスが母親の静養に付き添ってジャマイカに行っている間に、作家志望の娘ナニーと出会う。ナニーの貧しさに同情したピータは、自分の部屋を、昼間、仕事場として使わせることにしたが、妻アイリスが帰宅した日に、ナニーがピータの寝室で首を吊って死んでいるのが発見される。
 その後、ナニーが妊娠していたこともわかり、ピータには殺人の嫌疑までかかってくる。ピータは自らの嫌疑を晴らすため、調査を開始するのだが...

 まず冒頭の、主人公と娘との付き合いが徐々に深みにはまっていく描写が見事。ひとつひとつのエピソードはささいなものなのだけれど、娘の死という破綻を迎えてみると、いつのまにか主人公が窮地に陥っているのである。
 また、主要な登場人物も多いのだけれど、皆、個性的でイキイキしているので、混乱なくスラスラ読めるはず。前半から伏線もかなり盛り込まれているので、もう少し注意していれば真相に気付けたかもしれないなあ。うーん残念。

 サスペンス的要素もあるわ、ハウダニット的要素もあるわで、これだけおもしろいのに、なぜ絶版なのか理解に苦しみます。

  創元推理文庫


 チューダー女王の事件 2001/8/21(火)

 ようやく、『チューダー女王の事件』クリストファ・ブッシュ(1959年 創元推理文庫)読了

 この数日、毎晩、この本を数ページ読んでから寝るのが習慣になっておりました。
 えっ、それって、本来のミステリーの読み方じゃないって?
 では言い換えましょう。毎晩、数ページ読んだだけで必ず眠くなる、そういう小説でした。(^_^)

 女優レグレイが、劇中のチューダー女王の姿をして死んでいた。関係者はいずれもアリバイがあり、警察は自殺と断じるが、私立探偵トラヴァースはそのうちの一人のアリバイ崩しにのりだす。

 アリバイ崩しの小説の場合、関係者はこんなにいりませんね。容疑者が二人もいれば十分です。
 オーソドックスなスタイルとしては、容疑者の一人が犯人と疑われ窮地に陥る。それに対し、もう一方の容疑者は鉄壁のアリバイに守られている。無実の容疑者を救うためには、この真犯人のアリバイをどうしても崩さなければならない。まあ、こんな設定で、十分、緊迫感は出るもんです。
 ところが、この作品の場合は自殺説をひっくり返すという設定をとったため、スリリングな展開は皆無となってしまいました。

 また、用意されたアリバイもさほど興味深いものではありません。 クロフツと並ぶリアリズム推理小説などと解説されていますが、クロフツが発案した『樽』があっち、こっちと移動するというような魅力的なアリバイなどとは比べようもありませんね。
 登場人物の書き分けも弱いし、ストーリーもつまらないしで、絶版やむなしといえるでしょう(^_^)

 ところで、登場人物がそろいも揃って、しょっちゅう「クスクスと笑う」のは、これは翻訳の問題だね。

  創元推理文庫


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