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 『図解検死解剖マニュアル』より

『図解検死解剖マニュアル』佐久間哲(2000年同文新書)
 1998年同社より刊行された単行本の新書化。検死マニュアルのような本はよくあるけど、本書は表による整理の仕方が便利そうなのでお薦めします。参考に一部引用してみますね。

表5外表所見と可能性のある死因例(P39)
  外表所見 可能性のある死因
頭部 損傷、腫脹、変色 頭蓋内出血
顔面 うつ血 頸部・胸部圧迫
眼、ロの周囲に溢血点 頸部圧迫
眼窩に青藍色の変色 頭蓋底出血
瞳孔の縮瞳・変形・左右不同 薬毒物・頭蓋内出血
眼結膜に溢血点 頸部圧迫
口唇、ロ腔内の腐食 薬毒物
口腔内粘膜・歯肉に溢血点 頸部圧迫
舌が歯列より外、歯で噛む 頸部圧迫
鼻・耳から出血 頭蓋底骨折・頸部圧迫
耳の後部の変色 頭蓋底骨折
鼻ロ部からキノコ状泡沫 溺死
頸部 変色、爪痕、扼痕、絞痕 頸部圧迫
異常に可動 頸椎骨折
胸部 肋骨、胸骨の骨折、腫脹 打撲・圧迫
腹部 膨満・波動 腹腔内出血
創傷 内臓損傷
陰部 陰部と肛門の間の青藍色 腹腔内出血
上下肢 バンパー創 交通事故
足踵の接地面等の水泡 睡眠薬中毒
背面 死斑の異常色 薬毒物
脊柱の変形・骨折 交通事故・転墜落
参考・京都府警「ポケット検死」等

表6 死後経過時間推定式(P47)
 死後経過時間=(37-T(T=直腸温度))/0.83
  ※夏=推定値×1.4 冬=推定値×0.7

表8死後経過時間と死体現象(P51)
死後経過時間 死斑・腐敗 死後硬直 角膜
O.5時間〜 死斑出現開始    
2〜3時同   開始 混濁開始
6〜8時問 死斑退色 全身硬直 微濁
12〜18時間 死斑退色せず 最高度 軽度混濁
24時間〜 下腹部に緑青色   中等混濁
36時間〜   緩解開始 高度混濁
48時間〜 腐敗網    
72時同〜   緩解完了  
5日〜 巨人様観    
〜1週間 脳の軟化    
〜1ヵ月 脳の液状化    
3ヵ月〜 白骨化    
1年〜 全身屍蝋化    
3年〜 土中死体白骨化    

表13食後経過時間(P84)
経過時間 体内位置
約1時間 胃内
2〜3時間 胃・十二指腸内
3〜4時間 十二指腸内
5〜6時間 空腸・回腸内
6〜12時間 回腸・盲腸内
参考・「法医学新書」

表9自殺・他殺鑑別ポイント(創傷)(P53)
  自殺 他殺
創傷部位 自分でできる範囲 特徴なし
創傷形状 致命傷以外に逡巡創多い 致命傷は一つではない
創傷と着衣 着衣を避け、露出部に多い 着衣にまで痕跡あり
防御創 防御した痕跡なし 手・前腕に防御創も
成傷器 握っているか、周辺にあり 死体周辺にない場合多い
死体状況 着衣整え、遺書ある場合も 着衣に乱れある場合多い
参考・横浜市立大「新法医学」

表10自殺・他殺鑑別ポイント(絞死)(P54)
  自殺 他殺
索状周囲所見 髪や衣服の上から索状を巻かない 髪や衣服の上からも索状を巻く
補助道具 傘、棒類などで索状を捻り絞める ほとんど使わない
索状の巻き数 2、3周以上多く、5〜6周も 1周多く、2周程度
索状の結び目 自分で結びやすい前方か側方 どこの箇所でも可能
索状の両端 ほぼ同一の長さ 不均等の長さ
参考・京都府警「ポケット検死」等


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