| SCENE 04 ヴァッシュは朦朧とした頭で考えていた。砂は焼けるように熱く、顔が鈍く痛む。「あなたみたい」ってひどいじゃないか。一体どういう風に僕のことを思っているんだろう。…いや、そうじゃなくて。ヴァッシュはあの時の彼女の穏やかな笑顔を思い出した。困った人ですわね、とでも言うかのような表情。…キミを夢でしか見ないから?置いていったから?だってそれは…。仕方がないじゃないか。別に好きでそうしたわけじゃ…。いや、そうじゃなくて。 不意に影が下りて、額に柔らかいものが触れた。目を上げると、不安そうな顔がそこにあった。耳元でピアスが乱反射してきらめいている。ヴァッシュは額に濡れたハンカチが当てられていることに気づいた。 「あの…大丈夫ですか?」 女は心配でたまらない、という風情で彼をみつめている。ヴァッシュは彼女の大きな瞳に映る自分を見た。放心したように見つめ返している、砂まみれの薄汚れてやつれた男。ヴァッシュは段々情けなくなってきた。 「車に乗りましょう。立てますか?」 彼女はヴァッシュの身体を起こそうと、手を差し伸べてきた。瞳の色が気遣わし気にくるくると変わった。本気で心配しているらしい。 せっかく置いてきたのに、追い越されたあげくに助けられている自分って一体… 。しかもそれが手痛い報復を受けた結果だなんて。…報復?置いてきたから? …夢でしか君を見ないから? 「ロータス…?」 「えっ?」 ヴァッシュはおかしくなってきた。自然と笑みがもれる。 「ヴァッシュさん?何か?」 女は突然笑い始めた男にうろたえた。思わず手を引こうとする。ヴァッシュは肩を借りるふりをしてその手をつかみ、一瞬彼女を引き寄せた。 「君にまた会えて良かったよ、メリル。ずっと会いたかった」 PROLOGUE 少年はサンルームを歩いていて、見慣れないものを見つけた。池の表面に、何かが浮いている。ほんのり桃色に色づいた、半透明の不思議な物体だ。中心に太い、穴のたくさん空いた芯があって、その周りから先の尖った桃色の葉のようなものが伸びている。 なんだろう…?ヴァッシュは引き込まれるように水面を見つめた。すごくきれいだけど、何か…ふしぎだなあ。触れようとして、急に不安を感じ、慌てて手を引っ込めた。胸騒ぎがする。なんで…?そこまで考えて、レムから池には危ないから近づかないように言われていたことを思い出した。そうだった。だめだよ、こんなとこに来ちゃ。でもこれ気になるなあ、何だろう…? そうだ、レムならきっと教えてくれるだろう。彼女はなんでもよく知っている。きっとこれのことも。それから。 −−少年は扉に向かって走り始めた。 FIN |
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そもそもこの話を考え付いたのは去年の6〜7月でした。ばしさんが拉致られてるメリルさんを見て「メ、メリル…」なんて言ってたときです。でも諸事情あって一旦はボツにしました。ちょうどネタ被ってる話をいくつか発見して、アイタタな状況に陥ってた、てのもあったんですが。 でもねえ、考えついちゃったんで、吐き出さないと気持ち悪くなっちゃったんですよ…。でまあ、サイトも立ち上げたことだし記念に一つ、てことで、夢ネタなんて誰でも考えつくよね!!と自分をごまかして書くことにしました。いわゆる創作文で完結したものを書いたのは小学校の国語の授業以来かも…(寒)。はっ!そうだ、メリルがロータスについて説明するところがありますけど、あれわざと不正確にしてます(爆)。信じないでくださいね〜。 「ロータス」は私が個人でファンサイトをやっている平沢進氏の曲です(と、ちょっと布教活動)。「ロータス」がヴァメリソングか、つーと…それは謎(エ!?)でも歌詞(の一部)がすごいヴァッシュっぽいな、って思ったんですよ(笑)。まあそれは私の妄想ですが(−−;アルバム「SIM CITY」に入ってまして、この話の構造自体がこのアルバムのパクリです。ははは…。そうそう、心残りといえば、メリルを青い睡蓮の花(「サファイア・ブルーのバグに咲く」アレです)に例える、という恥ずかしくもウププなことがやりたかったんですけど、うまく入れられなかったので断念しました…ちっ。 なんか、全然萌えポイントのない話ですみません。というか、わけわからん話ですみません。トライガンで花といえばゼラニウムだろー!とか言って怒られそうです(笑)。でもあれはメリルちゃんのことじゃないもーん(かなり詭弁)。じゃ、メリルにロータスのイメージがあるのかといえば…ぎゃふん。その辺は歌の趣旨に沿ってかなり曖昧にしてあります(^^;てへ。 はっ!言い訳しだしたらキリ無いし!もう止めます。ここまで読んで下さった方ありがとうございました。 …でも、平沢ネタでよければ、まだ話あるんだけど(やめなさいって)。 |