ちなみに、宇宙業務は人工衛星と地上基幹マイクロ回線との干渉回避のために検討されたもので、最初に衛星中継が行われていた当時、地上基幹マイクロ回線は電話のアナログ多重回線として利用されていました。電話音声は300Hz~3kHzが用いられ、1チャネル当たり4kHz間隔で配置されていたので4kHzの参照帯域幅となりました。現在では基幹マイクロ回線もデジタルPCM回線なので4kHzにする必要はありませんが、一度決まったものはなかなか変えられないようです。 また、衛星通信はアナログFMが用いられていた頃は、無変調寺に特定の周波数にエネルギーが集中するのを回避するため、音声周波数帯の外で三角波などを用いたエネルギーディスパーサルが用いられていたようです。 なお、不要発射の測定はスペクトラムアナライザの分解能帯域幅(RBW)を参照帯域幅に合わせることになっていますが、テクトロニクスのRSAシリーズ以外は4kHzに設定できません。アンリツは3kHzの次は10kHz、アドバンテストとローデ&シュヴァルツは3kHzの次は5kHzです。キーサイトはE24シリーズなので3.9kHzがありますがその次は4.3kHzしかありません。従って、通常はRBW10kHzで測定し許容値を満足していればOKですが、NGの場合RBW3kHzで測定した値に1.25dB加算するのが一般的なようです。 しかしながら、無線設備の終段電力増幅部のバックオフは温度や電源電圧変動で影響を受け、不要発射の値が大きく変動する他、量産ばらつきもあるため、通常は許容値に対し十分な余裕が確保されるように設計されています。 |
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