第8章
希望のうた
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 一瞬の意識の喪失の後、誰かの自分を呼ぶ声に目を覚ました。

 どこか、深淵の底の底にでもいるような、一人取り残されてしまったような寂しさに覆われる中で、その声に意識を何とか手繰り寄せ、目を開いた。

 何が起こっているのか分からなかった。ただ、その場所で深い悲しみを抱えた魂が、燃え盛る炎の中に、小さく見えた。
 その魂に、そっと手を伸ばした。
 それなのに、その手はどこにもなく、震える魂に触れることができず、ただただ、気持ちを寄せることしかできなくて。

 ――ヒロ…。

 果たして、声が届いたのかどうか。

 やがて、荒ぶる炎は消え失せ、そこには、悲しみで押しつぶされ、小さくなった子どものような存在があった。
 その存在を優しく包み込む。全身全霊をかけて。
 どうか、そんなに悲しまないでと。
 側にいるから。ずっと、側にいるからと――。



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