■ 恋人志願 ■
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悠史は起き上がって素早くズボンのジッパーを引き下ろす。その中から己の分身を取り出した。
既に激しく自己主張をしているそれは、ビンビンに天井を向いてそそり立っていた。
悠史はタケルの足を掴むと腰の横に抱え上げる。濡れた入り口に押し当て、ぐいっとタケルの身体をくの字に曲げさた。その体勢のまま、上から体重をかけて己を押し込んだ。
「ん…んん…」
指を入れた時にさえきつい締め付けは、悠史の太いものではひどく狭く感じた。
「ちょ…きついぞ…お前…」
タケルは悠史の首に腕を絡ませて、ギュッと目を閉じた。
目尻に滲む涙が、悠史のものに耐えているのを知らせた。そのいじらしさが可愛くて、タケルの唇に口付ける。と、少年は精一杯の虚勢を含んだ瞳を悠史に向けてきた。
「もっと丁寧に扱え…へたくそ…」
とんだもなく可愛げのないことを口走るタケルに、悠史は却って前後不覚になるくらいに高揚した。
降って湧いたこの幸運、しっかりモノにしなくては悠史の男が廃る。とことんまでやってやろう。
そんな下品な内面を押し隠し、悠史はタケルの髪を柔らかくすきながら耳元で低く返す。
「だったらもっとヘタクソにやってあげるよ。覚悟、しておきなよ」
ギッと睨むタケルに、残っていた理性のかけらも吹っ飛んだ。悠史はムクリと身体を起こし、大きく開いたままの大腿を内側から押さえつけるようにして掴み、一気にタケルを貫いた。
「ああああ―――っ!」
タケルはその衝撃に大きく身体をのけ反らせながら、熱い肉壁で悠史を包み込み、きつく収縮させる。
「タケ…ル…」
タケルの中でゆっくりと動き始める悠史。先端でタケルの最奥を何度も突き上げ、抜き差しを繰り返した。
肉と肉とが擦れ合う淫猥な音が悠史の脳髄を刺激して、尚一層高まって行く自身で、更にきつくタケルを突き上げた。
「んああっ、あんっ、あはああんっ」
喘ぎながら、タケルはその手で自らの肉棒を掴んで揉み上げ始めた。その姿はひどく淫らで、艶やかで、淫乱だった。
「すごいよ、タケル…」
下半身にこんなにも精を溜め込んでいるのに、悠史は脳天が沸きそうだった。視界から飛び込んでくるタケルの恥態と、悠史自身に伝わる甘美な刺激とで、興奮は更に高まる。
確かに自分は男色家であるが、こんな可愛げのない少年に欲情しまくっているなど、現実に体験している今ですら信じられなかった。
やがて悠史のものがタケルの中で頂点に達する。痛いくらいに張り詰めた肉棒を、悠史はタケルの中から半抜きする。
「タケル、いいか?」
汗が玉になって流れるタケルの顔を覗き込むと、また睨んできた。ぞくぞくして、たまらなかった。
悠史は腰に力が入るのを感じた直後、一気にタケルを突き上げていた。
「うああっっ」
タケルは一際高い嬌声を上げて、悠史のものをギュッと締め付けた。息が止まる程の瞬間、悠史はタケルを抱き締め、タケルの中へ精の固まりを吐き出した。
今まで味わったことがないくらいに、気持ち良かった。抱き締め返してくるタケルの腕の温もりと、悠史を包み込んでいる中心部の温もりに浸されて、恍惚とした瞬間が訪れる。
抱き合ったまま、二人は熱い息を交わし合った。何度も何度も、熱く口づけながら。