■ 野犬 ■
1/5
セレムは暗闇の森の中を駆けていた。
身にはシャツと短パンだけの軽装だった。
三日前に息抜きに行くと言ってキャンプを出たきり帰らない軍の将であるレイヴァンを追って、この森に迷い込んだ。
恋しい人の身を心配する余り、危険を顧みることも忘れていた。
気が付けば森の凶暴な野犬に囲まれていたのだった。
もうどれだけ走ったものか。後方から迫り来る野犬の群れに怯えながら、必死に走り続けた。
が、それも限界だった。
もうこれ以上走れなかった。
あっという間にセレムは野犬に取り囲まれる。二匹や三匹のものではない。十数匹の集団だった。
ギラギラと欲望たぎる目付きに、セレムはもうダメだと思った。
飢えたこの獣達に無残に食いちぎられる様を想像し、身を強ばらせる。
バッと一匹がセレムに飛び掛かってきた。
「きゃあああぁぁぁぁ―――――っ 」
野犬はセレムの腰の辺りに食いついて来た。
爪でセレムの短パンを引き千切ると、牙を立て、セレムの下腹の下のモノに――。
「やぁアぁぁああ〜ぁんっ」
セレム自身に舌を這わせてきたのだった。
すると次々と同じように野犬がセレムに絡み付いてくる。
セレムは引きずり倒され、野犬達に組敷かれた形になった。
「ふ、うん…やああん…」
一匹はシャツをたくし上げてセレムの右の乳房を、もう一匹は左の乳房を、また別の犬はセレムの脇の舌を、耳たぶを、そのざらついた舌で嘗め回す。
「な…何…? あ…はあん……やあん…だめぇ……やめ…あっあっあっう…ん…あはあん…」
セレムの中心は三匹の犬が三方から嘗め上げていた。
まるでセレムの身体を熟知しているかのように、セレムの弱い所ばかりを責めて来る。
広げられた股の間を嘗めている犬もいた。
「う…うは…ん…やだぁ……こんな…う…ん…」
高められて行く自分。
人ですら無い獣の犬に嬲られているのだ。これ程の屈辱はなかった。