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はしらのはなし・57番

 わたし57番の足下には、お地蔵様がおられます。小さなほこらの中で、赤いおべべを着て立っておられます。いつでも、季節のお花が供えられています。おじいさん、おばあさんが、このお地蔵様の前を通るたびに手を合わせて拝んでゆきます。「時代の最先端の交通システム」などと言われたこともあるモノレールの私たちですけれど、昔ながらのお地蔵様を拝む人たちの気持ちも、なんとなくわかります。

 向ヶ丘遊園の盛衰も、私たちが作られてから消えてゆくまでも見守ってくださったお地蔵様。この先、この地域のどんな様子をご覧になるのでしょう。

(2007年7月/記)