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はしらのはなし・34番


(2001年8月)


(2003年8月)

 私、はしら34番は長年、肩こりを患っていました。体の片側の痛みが「肩こり」というものだというのは、そばの道を歩いている人たちの会話から教わりました。肩こりは、湿布薬を貼り付けたり、「マッサージ」で揉んでもらったりすると楽になるそうです。完全に治るというのはなかなか望めないもののようで、とにかく少しでも楽になるように工夫して生活するしかないようです。
 だけど、私はご覧の通りの「はしら」ですから、湿布薬など貼り付けてくれる人もいないし、マッサージといえば頭の上をモノレールがガタンガタンと走ってゆく振動くらいのものです。

 モノレールが走らなくなって、私たちの解体が進み、頭の上の「けた」が断面を見せるようになってからよくよく考えてみましたら、どうやら私のあたりはカーブしていて、レールが傾いているのですね。それが片側だけの肩こりの原因だと、やっとわかりました。

(2005年11月/記)