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はしらのはなし・13番

(京浜楼の内部が壊されてゆくのを見守る13番)

 2002年3月末日、向ヶ丘遊園地が閉園する同じ日に、閉店したお店があります。私のすぐ横にあった「京浜楼」という中華料理屋さんです。

 「お知らせ 三十五年間のご愛顧、誠に有難うございました。体力の限界を感じましたので三月末日を以て閉店させて頂きます。 京浜楼店主」
という達筆の貼り紙を外に張り、お客さんを迎えていました。そうして、華やかな最後を飾った遊園地とは違ってひっそりとお仕事を終えました。

 三十五年間ですから、私たち向ヶ丘遊園モノレールとほぼ同じ時を過ごしてきたのですね。「体力の限界」・・・私達がモノレールを走らせられなくなったのも、体力の限界と言えます。
 京浜楼店主さん、お疲れさま。そしてついでに自分にも。13番でした。


(閉店のお知らせの貼り紙の奥で、料理をする店主の姿が見えた)


(はしら13番の最後の日々。京浜楼の後には、おいしいコーヒーを飲ませる喫茶店ができた)

 

(2004年3月5日/記)