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西沢森林軌道を歩く 11

 春にはシャクナゲの大群落で目を楽しませてくれるはずの急な上りだが、この季節は「ああ、これは全部シャクナゲの木だなあ!お花も見たいなあ!」と思うだけである。気持ちは、ここを登りきった先にあるはず...の森林軌道へと飛んで行く。

 やっと上りきって、ふう、ここで一休み...、と!!そこはまさしく軌道跡だ!枯れ葉の中のレール!やった、ちゃんと残っているんだ!『鉄道廃線跡を歩く』10巻のうそつき!とコーフンしているのは、周りを見回しても私だけらしい...。少なくとも、足下のレールばかりを写真に収めているような人はいない。せいぜい、案内図を見て、「ほう、軽便軌道跡なんですか...」と感心して、案内図を背景にした記念写真を撮っているくらいなものだ。というわけで、レールは私が独り占めしているような気持ちになった。みんな、深く考えずにレールの部分をベンチみたいにしてくつろいでいる。

(この、何にも知らなさ具合が、ある意味うらやましかった...)→

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