19−1 近江の赤鬼
2000.4.16
米原から普通列車に揺られ安土駅を目指す。沿線の桜は今が満開で、今年は2度も桜を楽しむ事が出来た。安土駅を降りると駅前には織田無道・・・いや信長の像が安土城を指し示す様に建っている。駅付近にはやたらとレンタサイクルが目立つ。どうやらここでは「車を利用せずに自転車で観光せよ」という目論見らしい。環境に優しい街づくり、良い心掛けだ!予め下調べで判っていた事なのでレンタサイクルを迷わず利用する。ここでは電動アシスト自転車が主流らしい。1日500円と、非常に安い。サイクリストを自負する私が補助自転車を利用するのは屈辱だが、食わず嫌いでは善し悪しは評価出来ないので試しに借りて走ってみることにする。レンタサイクル屋のオヤジが観光案内図を示し、道案内をし始め様とするが、地図をくれりゃぁ、あとはこっちの行きたい処を自分で探すからと、早々に出発する。目指すホールは文芸セミナリヨ。そうだ、この自転車を「流星号」と名付けよう・・・。

車中からホールの見当を付けていたし、ここら辺り高い建物が無いので遠くからでもおおよその場所が判る。早速、流星号の電動アシストをONにするが、この自転車は漕がないとアシストしてくれない。漕がずに動くと思っている人も居るんではないかな?それじゃぁ、原付自転車だよ!ペダルを踏むと猫の鳴き声の様な音と共に足にかかる負荷が微妙に軽減される感触が判る。が、平坦路でこんな武器を使用してはサイクリストの股間・・・、んにゃ、沽券に拘わるのですぐにOFFとする。このシステムは演奏会が終わった後に坂道でじっくりと試してみよう。

ほどなく、大きな建物が3つ寄り添う様に佇む文芸の郷に到着する。まずはその施設のレストランで信長ランチなるものをとり、頃合いを見計らって脱糞。いざ、セミナリヨへ。オルガンのハガキと仕様書をすかさずゲット。客席へ入ろうと入り口から内部を覗くと、真正面からオルガンが私を睨む様に鎮座していた。オルガンケースは赤い色をしていて、まるで赤鬼の様だ。客席は私の想像以上に埋まっていた。集客力は380名と聞いたが、既に300位は入っているだろうか?私はよそ者なので大人しく後ろの角の方に腰を降ろした。さて、このオルガン、どんな音を響かせてくれるのだろうか?

                                                   つづく

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