18-2 老後はこちらで |
2000.1.9 |
目覚めの良い朝を迎えた。カーテンを全開にする。おやっ?昨晩は小豆島に架かっていた明石海峡大橋だったが、今朝は淡路島とつながっているぞ!爽やかな朝にふさわしいCDを流す。 タイトルは「クリスマス・ファンタジー」と、ちょっとタイミングを外したが、バッハのハ長調が清々しい。
井上さん(「ひさし」じゃないよ)の名演だ。軽く朝食を採り急ぎ足でJRの駅へと向かう。予定の列車に乗り伊丹で下車。カードの残金が足りず精算に時間を費やし、バスに乗り遅れてしまった。穏和な林隊員の冷たい眼差しがチクチク刺さる(?)。
次のバスに乗車したが、運ちゃんは我々の「焦り」を察知したのか、かなり荒い運転で信号の変わり目をほとんど無視してくれ目的のバス停まで運んでくれた。林隊員曰く「いつもより所要時間がかなり短かった」。 そこから歩くこと僅か。目的のホールのとんがり屋根が見える。ホールの周りは老人保養施設が建ち並ぶ。「老後はここへお世話になればいつでもオルガンが聴ける」などと冗談を言い合いながら歩く。(私は半分本気だったが・・・) 演奏開始まではまだ間があったが既にオルガンの音が流れていた。どうやらリハーサルらしい。奇遇にも今朝聴いたバッハの曲だ。私は心が弾み曲に合わせ口ずさみながら、ホールの売店でフィルムを購入しあちこちからオルガンの写真を撮った。「あのバスに乗っていたらもっとリハーサルを聴けたのに・・・」という林隊員の嫌みの言葉にも鈴々舎馬風、いや、馬耳東風。なかなか良い響きだ。建物の中央にロビーがあり、そこにオルガンが設置してある。空間は円錐状で天井は高いが容積率は低い。容積とオルガンの規模がマッチしている様に思われる。コンソールへは5,6段の階段を昇る事になる。オルガンの斜め後ろには螺旋階段があり、それを昇るとオルガンの背面を間近で見る事が出来る。以前、林隊員の報告にもあった様に強化ガラスで出来たスウェル扉が手を伸ばせば届く位置にあり、扉の開き具合によっては手を入れてパイプに触れる事も出来よう。だが分別つく今は決してしない。 ロビーの外周は集会所になっているのであちこちから雑談が聞こえてくるが、予め騒がしいと判っていると演奏中もさほど気にならない。ロビーの随所に灰皿が設置してあり、煙草を吸いながらオルガンを聴く事が出来る。集煙装置も完備されているのでオルガンへは影響なかろう(?) 最後のヴィドールのトッカータでは場所を2Fへ移し(オルガン正面やや上方)響き具合をチェックするが、ここはあまり響かない。矢張り1Fロビー中央が一番好ましいと思われる。 演奏:瀬尾千絵さん
伊丹サンシティホールオルガン仕様 Ⅰ.Hauptwerk Prinzipal 8' Salicional 8' Gedackt 8' Oktave 4' Flote 4' Superoktave 2' Mixtur Ⅲ Zimbel Ⅱ Kornett Ⅲ Trompete 8' Clairon 4' Ⅱ.Schwellwerk Harmonieflote 8' Viola di Gamba 8' Vox coelestis 8' Rohrflote 8' Prinzipal 4' Salicet 4' Nasat 2 2/3' Oktave 2' Terz 1 3/5' Quintflote 1 1/3' Sifflote 1' Oboe 8' Vox humana 8' Tremulant Pedal Subbass 16' Oktavebass 8' Flote 8' Fagott 16' Trompete 8' Ⅱ-Ⅰ,Ⅰ-P,Ⅱ-P メカニカルキー&ストップアクション パイプ数:1696本 調律:キルンベルガーⅢ 製作:シューマッハー(ベルギー) 完成:1993年6月 |