15 恋人と待ち合わせ
1999.7.10
都営浅草線羽田行きの一番電車で空港に到着した私は手続きを済ませ、ロビーでタバコの吸いダメをする。窓際を指定した私は、この日幸運にも晴れた首都圏上空を食い入る様に見つめる。はたからはいかにも「おのぼりさん」に見えるだろうが、実際そうなので否定はしない。「おー、あそこら辺が須藤さんの工房だろうな・・・」などと呟く。

伊丹までは「あっ!」という間だ。機内でコンソメスープを飲んだせいか、喉が渇いた。「何か飲みたいな」と空港内を見回すと「おっ、グッド・タイミング!授乳室があるじゃないか!」(飲ませてくれないよね?)

週一度にこの空港を利用する某神戸女学院の先生は、ここからタクシーを利用するそうだが、私はモノレールと阪急を乗り継いで取り敢えず梅田で時間を潰そうと決めた。モノレール乗り場へ歩いていく途中、大阪駅行きのバス乗り場に「綺麗なお姉さん」が並んでいるのを発見!急遽予定を変更しバスの切符を購入する。

時間を潰そうにも朝早いので梅田の街はまだ眠っている。観覧車に乗ろうとしたがまだ動いていない。開いていた本屋に入り関西の情報を仕入れ様と早速「ぴあ」を手に取りクラシックのページをめくる。関東版に慣れているせいか、探しにくい。オマケに器楽等のジャンルに分類されていないのでオルガンの演奏会を得るのにも難儀だ。何故か関西版の隣に関東版が置かれていたが、では何故中京版は置いてないんだ?

阪急百貨店前のコンコースは天井も高くステンドグラスも配し、まるでヨーロッパを思わせる空間だ。(ヨーロッパ行った事ないけどネ・・)ついでにオルガンも置いたらどうだろうか?

結局、一時間半程梅田界隈を歩き回り六甲駅へ移動する。使いかけのラガールカードを忘れてきた為、新規にそれを購入し改札をくぐる。恋人(?)と待ち合わせの1時間程前に六甲駅に着いてしまったので駅付近で遅い朝食を摂り、しばし休憩。定刻に改札へ向かうと関西支部長の林秀幸さんが現れた。駅を出ると直ぐに上り坂である。暑い日差しの中、汗をかきながらキツい坂を登ると漸く校舎が見えてきた。門をくぐり左へ折れるとチャペルが見えた。

今日は待ちに待った神戸松蔭のガルニエオルガンを聴きに来たのだ!

つづく 

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