14 他人のスリッパ |
1999.5.11 |
今月は遠出の予定がないので近場でごまかそう。先日、府中の森で内海恵子さんに聞いて池の上キリスト教会の場所が漸く判明した。この教会は最近三鷹に移転してきたそうでその前は新宿の下落合、そしてその前が世田谷区代沢にあったそうだ。通りで池の上駅近辺を探してもなかったわけだ。
現在の所在地も普段、車で頻繁に通っている所だった。連雀通りに面してはいるが、モダンな建物は外見だけでは教会とは判断し難い。ピカピカのガラスドアを開け中を伺うが誰も居ない。中からはピアノの音が聞こえてくる。受付の所へ行くとオルガンの写った2枚組のテレカが¥1500で売られている。ラッキー!(1枚は既に所有していたが)おまけにオルガンのパンフレットも置いてあった。テレカを購入しようにも誰も出てこなければ話にならない。2,3度大きな声で叫んだが反応無し。 受付のところを良く見ると○×ホールに居ますのでお越し下さい、とのメッセージが。指示通りに地下へ行くと作業員風の男性が電子オルガンを修理している様だった。とにかくその人に「教会の方はどちらにおられますか?」と尋ねると「私です!」との返事。テレカを購入したいのですがと言うと「どうぞ、どうぞ」と愛想の良い返事、が私の足もとを見るなり、「そのスリッパは△□さんのですよ!」と笑いながらの注意を受ける。とりあえずテレカとパンフを手中にし満足した。私がオルガンに興味がある事を知ると「オルガンを見ていって下さい」と幸運にも案内された。 会堂に入ると薄暗い中に光り輝くライル・オルガンが目に飛び込む。2段鍵盤に足鍵盤21ストップ。外観は軽井沢追分教会の物と良く似ている。鍵盤も同じくサイコロの目の様に黒い斑点が付いている。教会の方に色々と説明を受ける。「普段の礼拝では大きすぎる規模だが演奏会で300名ほど入るとちょっと物足りないかも」と言っていた。 私が軽井沢追分教会と神田キリスト教会のライル・オルガンを聴いたことがあると言うと、「実は軽井沢追分教会を見学した際にライル・オルガンにしようと決心されたんですよ」と話してくれた。更に階段で上に登りオルガンの裏を拝見する。会堂の天井裏にふいごが設置されそこから地に降りる様に送風管が配管されている。私が「珍しいですね」と言うと「かなり苦労したみたいですよ」との事。しかし下からオルガンを眺めた時は送風管はほとんど隠されて見えなかった。 温度・湿度はこの方が管理しているそうで結構気を使うと言っていた。調律は奉献1年後にライル兄弟社が直接来日し担当したそうです。今回はオルガンを聴くことは出来ませんでした。
池の上キリスト教会オルガン仕様 製作・設計:ライル兄弟オルガン製作所(オランダ) 設置年:1998年2月 Hauptwerk C-f''' Praestant 8' Holpijp 8' Octaaf 4' Spitsfluit 4' Quint 3' Octaaf 2' Mixtuur III-V Trompet 8' Brustwerk C-f''' Gedekt 8' Praestant 4' Fluit gedekt 4' Woudfluit 2' Quint 3' Terts 1 3/5' Dulciaan 8' Pedal C-f' Subbas 16' Octaaf 8' Gedekt 8' Octaaf 4' Fagot 16' Trompet 8' カプラー:BW/HW,BW/PED,HW/PED ストップ数:21 トレモロ:全鍵盤 キー・アクション:メカニカル ストップ・アクション:メカニカル 風圧:66mm 調律法:Neithardt1724 パイプ総数:1200本 平行ペダル |