11-1 探検家デビュー |
1999.3.13 |
いつかまた聴く事が出来るだろうと思っていた仙台白百合学園の須藤さんのオルガンを、まさかこんな短いインターバルで聴けるとは夢にも思っていなかった。受付には既にマナ・オルゲルバウの松崎氏の名前が記入されていた。私はその真下に堂々と名を記す、オルガン探険家・武田高太郎・・・と。
ロザリオのマリア聖堂に一歩踏み入れると懐かしい?(まだ3ヶ月しか経っていないよ)オルガンが目に飛び込む。若い女性がオルガンのベンチに座り、オルガンケースの中から発せられる「ハイ・・・、ハイ・・・」という声の指示通りに次々と鍵盤を押している。調律中だ。普段の演奏会では滅多に見られない光景である。調律が終わると須藤氏はオルガン研究会会長の永田氏や、野辺地氏、松崎氏らと、私の座っている少し後方で何やら歓談されていた。しばらく聞き耳を立てて聞いていると、何やら私の話題になっている。 聞こえない振りをしていたが、須藤さんから「武田さん!」とお呼びがかかる。内心ビクビクしていたが須藤さんに紹介して戴き、開き直って重鎮各氏と名刺交換をする。お相手の方々の名刺の肩書きは、工学博士、医学博士、オルゲルバウマイスターとそうそうたるものでしたが、こちらも負けてはいられない。ええ~い、どうだ!オルガン探険家だ!(受けた、受けた)松崎氏に「君、どこかで見たネ」と尋ねられたので「ええ、旧奏楽堂でお会いした時にサインを戴きました」と答えると「そうだった」と笑って思い出して下さいました。 例会も始まり、まずは須藤氏からオルガンの解説があり、続いて松尾泰江さんのオルガン演奏。リストの「ヴァイマールの民謡」で始まり、クレランボーの「下声と上声をトランペットで」「ナザールのレシ」、最後にバッハのコンツェルトで締めくくった。個人的には前回の青田絹江さんによる演奏の方がこのオルガンの特徴を引き出してくれた様に思われました。 演奏終了後はオルガンの見学。すぐさま松崎氏による厳しい?チェックが始まりました。オルガンの真下(地下室:かなり広く充分に人が暮らせる位の広さです。当初は人力による送風も考えたのでしょうか?)には、送風設備があり、やぐらに取り付けられた電動送風機、1段式蛇腹ふいご、そしてここから木管を伝って地上部へと空気が送られる。地上部では場所不足の為に垂直にふいごが取り付けられていて滑車と重りを付けたロープで加圧されているのがわかります。実際に演奏すると蛇腹が伸縮し、重りが上下するのが良く判りまるで人間が呼吸をしているようでした。以前、坂崎氏のホームページ上で映像を拝見しましたが、実際にその場へ行って演奏最中に各部の仕掛けの動きを見てみると、送風システムが良く理解できます。 そろそろ白石へ移動する時間ですが、さて、どうやってお金を浮かすか考えなければなりません・・・
つづく
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