9-4 シャトルバス |
1999.1.10 |
人影まばらな明け方の奈良駅。駅員に関ヶ原付近の状況を尋ねるが「さぁ~走ってるんじゃないの?」と不安な返答。京都で在来の米原行きへ乗り換える。安土を過ぎた頃から雪化粧に変わり米原駅に降りたときはホームには結構雪が積もっていた。ここからが難所なのに・・・案の定、関ヶ原付近では徐行運転に。「おいおい、頼むからこんな所で立ち往生しないでくれよ」と心の中で呟く。 定刻よりかなり遅れはしたが無事岐阜に到着。バスで一路岐阜県美術館へ。足下が雪で歩きにくいが、美術館の敷地内に入ると通路は人幅に除雪してあり歩きやすい。が木の枝に積もった雪がドサッと上から落ちてくる。館内に入るとそこは別天地。早速、オルガンの所へ歩み寄ると辻さんがウロウロ?としていた。迷わずサインを求める。 演奏まではまだ暫く時間があるので館内をしばし散策。先程から気になっていたのだが、館内から「ピチャッ、ピチャッ、」という音が聞こえる。床をよく見ると水溜まりになっている箇所があちこちに見受けられる。顔を上にやるとどうやら天井から雪解け水が垂れてきているらしい。幸いオルガンの所には垂れていないが・・・ 定刻の11時。辻さんの挨拶。そして御本人の演奏。曲は、ゲラルデスキー、フレスコバルディ、他、古いイギリスのオルガン曲等。このオルガンはイタリアバロックオルガンを複製した物だ。オルガンケースは私でも作れそうな感じ?(失礼!)ペダルは私でも演奏できそうな?音域しかない。 音色は優しく、かわいらしいユーモアある音だ。ペダルの響きは結構重厚に鳴る。しかしやや不鮮明な音だ。私が中学の時に、金がなかったのでステレオの低音を得るために大きな段ボール箱をくり抜きスピーカーを取り付けたことがある。誠に失礼だが、この時の音に似ている様な気がする。演奏は13時にも同じ内容で行われた。昼食を摂り、隣の図書館で暇をつぶした後、無料シャトルバスでサラマンカホールへも足を運ぶ。 今日ここでは鈴木雅明さんのメサイアが演奏されていたのでオルガンは見学できなかったが、テレホンカードを購入して我慢した。再びシャトルバスを利用して西岐阜駅へ連れていってもらう。本当に首都機能がここ東濃に移転するのだろうか?と疑問に思いつつ、夕暮れ迫るホームに一人佇みながら、白い息と煙を交互に吐く。 (1月のオルガン紀行より)
岐阜県美術館 オルガン仕様 ![]() 設計・製作・組立・調整・整音:辻オルガン 設置年:1984年3月 岐阜県岐阜市宇佐4-1-22 Manual C-c''' (short octave) Principal 8' Ottava 4' Decimaquinte 2' Decimanona 1 1/3' Ripieno II Voce umana Cornetto II Flauto Ottava 4' Pedal C-H (short octave) Contrabassi 16' Pull-down Mechanical action, 8 stops, 408 pipes 平行ペダル ミーン・トーン・辻調律法 |