9-2 レンタサイクル |
1999.1.9 |
バスで姫路駅へ一旦戻り、帰りの事も考えて駅からの徒歩での所要時間を計る。駅前の大手前通りを足早に歩く。通りに面したビルのショーケース内には1軒毎にストリートギャラリー、ステンドアートと銘打ったステンドグラスの作品が飾られ、車道側にも20mおきに彫刻作品が設置されている。途中、自転車屋を見かけ、もしやと思い「レンタサイクルはありますか?」と尋ねると、駅前通りの地下に観光用無料レンタサイクルがあるとの事。迷わず今来た道を戻りその場所へ。手続きを済ませ颯爽とペダルを漕ぐ。これで姫路城や市内を観光する時間が出来た。姫路市様々である。色々な角度から姫路城の写真を撮り、公園内のベンチに佇み煙草をふかす。 そろそろ行くか。緩やかな坂を少し登ると目的のホールに辿り着く。パルナソスホール。(姫路市立姫路高等学校音楽ホール)ヴァイオリンを形どったユニークな外観、ホワイエの壁面には立花江津子氏による21枚のステンドグラス、そして須藤オルガン。とても公立高校の物とは思えない豪華かつ贅沢な施設である。大切なレンタサイクルを駐輪場へデポしホールへと入る。事前にメールで当ホール専属オルガニストの小榑由布子さんにアポを取っておいたので受付に申し出て事務所へと案内して貰う。早速オルガンのパンフレット等を頂戴し、ピアニストの吉田裕文さんと面会。演奏終了後にオルガンを見学させてくれるとの事。今日の演奏者、舩木真理子さんは既にステージ衣裳を纏っていた。舩木さんのお顔は第3回武蔵野国際オルガンコンクールのプログラムで拝見済みである。が写真より若く見える。 さていよいよホール内へ。ステージ奥バルコニー部に毅然と聳え立つオルガン。コンソール上部に4枚の扉が付いたブルストヴェルク、その上部にハウプトヴェルク、その上部に水平トランペットが突き出ており、その奥にシュヴェルヴェルク、左右にはペダルのパイプが林立している。オルガンケースはどことなく中新田バッハホールに似ている様な気がする。 今日は「パルナソス朝のハーモニー」と題する無料の演奏会だが、ちと足代が高くつきすぎた。その分、元は取る覚悟で臨んでいる。演奏者のプロフィールを見ると「井上圭子氏に師事」と書いてある。よし!舩木さんとの会話のつかみはこれでOKだ!演奏はクラークのトランペットヴォランタリーで華やかに始まる。力強いリード管がホールを駆けめぐる。バッハのBWV564トッカータのペダルパートでは高音部分でややリード管が強調されすぎた気がするが・・残響は約2秒くらいだろうか?充実した響きである。 約1時間の演奏は曲解説等を交えあっと言う間に経過してしまった。演奏終了後、事務所へ立ち寄り吉田さんと共にオルガン見学。アシスタントの女性が「オルガンはまだスタンバイ状態です」と言い、吉田さんは「どうぞ演奏なさって下さい」と言って下さったが堅く辞退しました。(だって弾けないもん!)鍵盤を押し各ストップの音色を聴き比べたり、裏側の梯子を昇りメカニズムやペダルのパイプ群を覗き込む。無造作に置き去りにされたリード?2枚が目を引く。 再び事務所に戻り、今度は井上さんをダシに舩木真理子さんと会話を交わす。彼女、実は武蔵野のコンクールには出場していなかったとの事。トリフォニーにも行ったことがある・・などなどこれから私が宝塚へ行くことを小榑さん経由で耳にしていたらしく「私、実家が宝塚ですからご案内しますよ」と誘われグラッときたが幸か不幸かレンタサイクルで来ていた事を思い出し、泣く泣く断り、猛ダッシュで姫路駅へとペダルを漕いだ。あと20分。12:27分発に乗らなければ・・・ つづく
パルナソスホール オルガン仕様 製作・組立:須藤オルガン工房 設計:須藤 宏 整音:須藤 宏、渡辺 雅 設置年:1990年11月 兵庫県姫路市辻井9-1-10 Schwellwerk (Man I) C-g''' Holzflote 8' Gambe 8' Celeste ab a 8' Oktav 4' Harmonikflote 4' Octvin 2' Zimbellein I-II Mixtur IV-V Fagott 16' Oboe 8' Vox Humana 8' Tremulant Hauptwerk (Man II) C-g''' Bourdon 16' Principal 8' Spillpfeife 8' Oktav 4' Hohlflote 4' Nasard 2 2/3' Flote 2' Terz 1 3/5' Mixtur IV-V Trompete 8' Clairon 4' Brustwerk (Man III) C-g''' Rohrflote 8' Gedecktflote 4' Cornett III Waldflote 2' Quinte 1 1/3' Sifflet 1' Cymbel III Regal 8' Tremulant Fanfarenwerk (Man III) C-g''' Trompetenbass 16' Trompete 8' Clairon 4' Pedal C-f' Principal 16' Subbass 16' Quinte 10 2/3' Oktav 8' Gedecktbass 8' Choralbass 4' Posaune 16' Trompete 8' II-I, I-II, I-P, II-P, III-P Mechanical Key action Mechanical and electric stop action 41stops 2493pipes 9combinations Neidhard I 平行ペダル |