5 品の良い青年? |
1998.11.27 |
# 体力が回復しましたのでまだまだ日本オルガン紀行は続きます。 # あっそうそう!前回の※は、うっそだよ~ん! |
吉田實氏を悼んで |
残念乍ら私はこの方の演奏は一度しか聴くことが出来なかった。昨年1月の霊南坂教会での演奏がそれであった。 万全の寒さ対策を施し自転車に跨ぐ。今日は初めて聴く吉田氏ゆかりの高井戸教会のオルガンで、ハンス-オラ・エリクソンのオルガンとエリクソン夫人のバロックフルートの演奏会である。 高井戸駅から徒歩1分、開演8分前、場内は既に殆ど埋め尽くされている。私が空席を探していると、「ここ空いてますよ」と、品の良いオバサンが品の良い青年(私)に席を詰めてくれた。着席し辺りを見回すとどこかで見た事のある男性が目に付く。望月氏の様だ。ここのオルガンの調律を担当しているのだろうか? 会堂正面にオルガンが設置されその横には吉田氏の遺影が飾られている。1曲目J.S.バッハのリチェルカーレが鳴り出す。残響は殆ど無い。全体的な音の響きは神奈川県民ホールのオルガンに似ている様だ。2曲目、バロックフルートなるものは初めて聴いた様に思うが、普通のフルートに比べて柔らかい音で、透き通るとは言い難いがとても味わいある音色だ。オルガンの音にとても良く溶け込み、夫人の演奏を見ていてもフルートから出ている音なのか、オルガンから出ている音なのか、一瞬判らなくなる時がある。フルート奏者を見ていつも感じる事なのだが、時折見せる「チョロッ」と舌を出す仕草がどうしても「カエルがハエを捕まえる」動作に見えてしまうのは、私だけだろうか? エリクソン氏が最後の曲を前にゆっくりとした英語で吉田氏の思い出などを話し出す。途中軽いジョークを交えたのだろう。聴衆の数人が「クスッ」と笑った。私も悔しかったので意味も判らず笑いかえした。最後のJ.S.バッハの曲、対位法 18番 3声のフーガが途絶えた。氏の生涯は終わったが、彼が育てた多くのオルガニスト達が今度は私達に名演を聴かせてくれる事だろう。
日本基督教団高井戸教会 オルガン仕様 製作:ルクセンブルグ・オルガン工房(ルクセンブルグ) 設置年:1976年3月 Manual I (Hauptwerk) C-c'''' Prinzipal 8' Rohrflote 8' Oktave 4' Nasat 2 2/3' Gemshorn 2' Terz 1 3/5' Mixtur 2'5f Trompete 8' Tremulant Manual II (Schwellwerk) C-c'''' Gedeckt 8' Gambe ab A 8' Schwebung ab c 8' Spitzflote 4' Prinzipal 2' Quinte 1 1/3' Cimbel1'3f Cornett ab cis' 2 2/3',2',1 3/5' Rohrschalmey 16' Tremulant Pedal C-g' Subbass 16' Flotenprinzipal 8' Flachflote 4' Hitersatz 2'4f Posaune 8' Zink 4' Tremulant Koppeln: I/P, II/P, II/I Mechnische Spiel und Registertraktur |