トリロク・グルトゥーは、1951年インドのボンベイ生まれで、1972年にフランスのパリに移住し ました。タブラを中央に据えて、片膝をついて演奏する独特のパーカッションは、インド音楽の みならずアフリカ音楽やカリブ海の音楽も取り入れ、独自の緩急自在の音楽を展開していま す。 私がトリロク・グルトゥーの存在を知ったのは、コリン・ウォルコットの後任として、1987年にオ レゴンに参加したときです。この時は、ウォルコットとの差異が耳に付き、あまり好きにはなれ ませんでした。ところが、1990年にジョン・マクラフリン・トリオのライヴ盤を聴いて、その評価が 一転しました。更に1993年のソロCD「クレイジー・セインツ」で、完全に脱帽してしまいまし た。インド音楽を基礎としながら、凡世界的なリズムを展開しています。オレゴンやマクラフリン が、トリロク・グルトゥーの音楽の一面だけを取り入れていたことが解ります。 トリロク・グルトゥーは、現在私が最も気にしているパーカッション奏者です。
|