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ギターの奏法のお話についてのコーナーです。興味のある方は読んでみて下さい。
ボトルネック奏法はブルース系やカントリー系のアコースティックギタープレイヤーやロックギターリストによって
古くからよく行われている奏法です。
これは左手の人差し指あるいは小指にボトルの首の部分をカットしたもの(ボトルネック)を装着して、
ギターの弦上をスライドさせて音を出す奏法です。音が出る箇所は通常弦を押さえる指板上ではなく
フレット上になります。あるフレット上で音を出してからそのまま音を出しながら次に出す音のフレットに
移動させます。移動させた後は通常ビブラートをかけます。
楽器やさんに行くとスチール製やグラスのボトルネックが売られています。スチール製のものは金属音が強いので
ロック系のギターリストがよく使っています。又ガラス製のものはスチール製のものに比べて甘い音が出ますので
曲によって使い分けてもいいでしょう。
私としてはいずれも使いましたが自分の音にはガラス製のものが合うのでもっぱらそれを使っています。
ただ、いま市販されているガラス製のものは厚みが薄く音のボリューム感が得られないので使っていません。
以前は本当にワインのネックをカットしたものを譲り受けて使っていましたが残念にもなくしてしまいました。
自分でもワインボトルでカットを試みたことがありましたが、これがとてもたいへんな作業なのです。
安全の為カット面をきれいに研磨しないとならなくて結果として途中で作るのをあきらめてしまいました。
その後はある情報筋からある胡椒メーカーのビンがよいとのことで、いまはそれを使っています。
フレーズはカントリー系やブルース系のものがよく合います。ロック系のギターリストはナチュラルチューニングで
よく演奏していますが、アコースティック系のギターリストはギターのチューニングをDとかGのオープンチューニングにして
演奏することが多いです。
元々ボトルネックは酒を飲んでいたボトルを割ってしまい,そのボトルの首の部分を使って演奏をはじめたと言われています。
またアフリカからアメリカに奴隷として連れてこられ農園などで働かされていた黒人は仕事が空けてからギターを使って
ブルースを歌う際ギターのチューニングの仕方が解からなかったところからオープンチューニングが生まれたという話しもあります。
いずれにしてもボトルネック奏法とオープンチューニングは切っても切れない関係にあります。
アコースティック系ではライ・クーダーやボニー・レイトそれにロック系ではオールマン・ブラダーズやエリック・クラプトンを
聞かれることをお勧めします。
又オープンチューニングのみで言うならば、ジョニー・ミッチェル、デビット・クロスビーやCSNYも聞いてみるべきでしょう。
それからハワイアンミュージックのアコースティックギターを使ったギターリストの中には素晴らしいオープンチューニング奏法を
聞かせるギターリストがいますので是非探してみて下さい。そしてついでに言うならば私の演奏も聞いてみて下さい。
ここではDチューニング及び変則Dチューニングについて説明したいと思います。ギターのナチュラルチューニングは
1弦・・・E 2弦・・・B 3弦・・・G 4弦・・・D 5弦・・・A 6弦・・・E のようになっています。
たとえば一般的なオープンDチューニングは1弦のEをD、2弦のBをA、3弦のGをF、4弦のDはそのまま、5弦のAもそのまま、6弦のEをDに変えることで作ることができます。
1弦・・・E→D 2弦・・・B→A 3弦・・・G→F# 4弦・・・D→D(そのまま) 5弦・・・A→A(そのまま) 6弦・・・E→D
6弦から1弦に向ってダウンストロークで弦を鳴らしてみて下さい。Dの和音と同じ響きが得られるはずです。次にEの音を出してみましょう。DとEの間は全音なので2フレットに指を移動させます。フレット全体を人指し指で押さえて同じように6弦から1弦に向ってダウンストロークしてみて下さい。こんどはEの和音と同じ響きが出ましたか?
この一般的なオープンDチューニングを使用した曲はC,S&Nのデビューアルバムの中に収録されている”島の女”などがあります。又、このチューニングはボトルネック奏法でも良く使われますが、この場合全体を1音(全音)高いEにして使われることが多いです。
とはいっても、弦が切れ易くなりますので、私はカポタストを2フレットにセットして対応させています。
変則Dチューニング(1)
これは一般的なオープンDチューニングを変化させたものでナチュラルチューニングの1弦と6弦のみDにドロップしたものです。
1弦・・・E→D 2弦・・・B→B(そのまま) 3弦・・・G→G(そのまま) 4弦・・・D→D(そのまま) 5弦・・・A→A(そのまま)
6弦・・・E→D
このチューニングはニール・ヤングのDon't let me bring you down, CS&NのCarry on, Find the cost of freedomなどの曲で使われています。これらはいずれもマイナー調の曲ですがこのチューニング用いても、もちろんメジャーな響きをもった曲を作ることが出来ます。このチューニングの特徴としては2〜5弦がナチュラルチューニングなので伴奏のコードを弾きながらアドリブやリフを比較的作り易いことだと思います。私もこのチューニングを使って4〜5曲作っていますがメジャーな明るめの曲が多いです。
参考・・・・夢の中で(Restorationに収録)
変則Dチューニング(2)
これも通常オープンDチューニングを変化させたもので6弦のみをDに変えたものです。CSN&YのOhioはニール・ヤングがソロで演奏するときに使っています。ドロップさせているのが6弦のみということもあってアドリブなどが入れやすいことに加えて、特徴を持ったベースランを作りやすいメリットがあるチューニングです。
参考・・・・・・・・・ 吉祥寺の歌(T.Oba)、Easy Going Man(T.Oba)
変則Dチューニング(3):ステファンチューニング(スティルスチューニング)
このチューニングはスティーブン・スティルスの名前が付いているくらい彼によって多用されたチューニングです。チューニングの仕方は次のようになります。
1弦・・・E→D 2弦・・・B→A 3弦・・・G→D 4弦・・・D→D(そのまま) 5弦・・・A→A(そのまま)
6弦・・・E→D
チューニングしてみると解りますが、特に4弦は2音半ドロップさせるので弦の張りは”ベロンベロン状態”になります。Judy Blue Eyesではスティルスがシタールのような不思議な響きを出しています。
参考・・・・Judy Blue Eyes(C・S&N)、4+20(C・S・N&Y)、Wild Horses(T.Oba)
オープンチューニングとボトルネック
ボトルネック奏法でよく使われるオープンチューニングはオープンGとオープンDです。オープンGは下記のようにチューニングします。
1弦・・・E→D 2弦・・・B→B(そのまま) 3弦・・・G→G(そのまま) 4弦・・・D→D(そのまま) 5弦・・・A→G
6弦・・・E→D
ナチュラルチューニングで4弦のキィはDですので、これに1弦、6弦を合わせます。それぞれ1音(全音)下げることによりDのキィにします。次に3弦のキィはGですので、これに5弦を合わせます。これも5弦のAの音を1音(全音)下げることによりGのキィにします。これはオープンチューニングのレギュラーチューニングですので、全ての弦を開放状態で6弦から1弦に向けてダウンストロークで弾いた場合Gの音が作れます。
次に2フレットを人指し指でバーを作って押さえてみてください。同じように6弦から1弦に向けてダウンストロークするとAの音が出せます。このチューニングも非常に多くのアーティストが使っています。ボトルネック奏法でも定石として使われているチューニングですので是非覚えてみてください。
参考・・・・Crossroad Blues (クロスロードブルース):Sam Mitchel (サム・ミッチエル)original:R.Johnson(原曲はロバート・ジョンソン)
Sunshine In Houston (サンシャイン・イン・フューストン):Sam Mitchel(サム・ミッチエル)
Walking Blues (ウォーキング・ブルース)(ロバート・ジョンソン):R.Johnson
ウォーキング・ブルースはエリック・クラプトンもアンプラグドでやっていましたね。でもサム・ミッチェルの弾き方はもっとブルージーで素晴らしいですよ。
ウエブギターレッスンページを開講しました。初回はGチューニングによるボトルネック奏法のビデオを載せましたので、
実際の演奏を聞いてみて下さい。 Web Guitar Lesson
ギターリストにとってはなるべく品質の良いギターを持ちたいものです。
初めてギターを手にしたのはずいぶん昔のことですが、質屋に置いてあるのを
たまたま見つけて購入したわけです。
これがなんとベニヤ板で作られたものでした。そして少しギターが上達すると、
とてもじゃないけど”こりゃーどうにもギターの音じゃないよなー”てなことが解ってきました。
その後、ワンランク上の物を買いました。これがまたかなり太い鉄の弦が張ってある代物で
今のヘビーゲージの上を行くものじゃないかと思えるものでした。
チョーキングなんてしたら指が二三日腫れるんじゃないかなー?・・・・そんな危険なこと!やってません!
この直ぐ後にガットギターとエレクトリックギターを少し弾いたあと,今で言うフォークギターを手に入れました。
フォークギターは何回か買い換えた後YAMAHAのFG−500というものを友人から譲り受けて
コンサートとかライブで良く使っていました。
このギターはそんなにも悪いものではなかったのですがある時,
一日3ステージ(ライブハウスではなくてレストラン兼居酒屋)の話しがあって,
オーデションしたら,"じゃーやってくれ !"ってことになって,昼間仕事が終わった後電車を乗り継いで
そこに通う毎日となりました。
ここで問題発生!・・・・・ギター自体がそんなにも良いものではなかったので,
1日3ステージも演奏すると弦の音が曇ってしまい,微妙な指使いをする僕にとっては
とても弾けたもので無くなるということでした。
ギターの弦は当時はかなり値が張るものでしたので毎日買いかえる訳にもいかず
どうしようと困り果てていました。
そんな時友達づてにギターの弦の調理方法があるとの話しを聞き、早速家に帰って献立に取り掛かりました。
まずおなべを用意します。次にこれに水を入れましてコンロに掛けて沸騰させます。
充分に沸騰しましたら腐った弦をほうり込みまして10分から20分の間グツグツ煮ます。
指定の時間が来ましたら火を止め布(綿系統の吸水性の良いもの)の上に広げます。
弦の一本一本に付着している水分と汚れを丁寧に布で拭き取ります。
早速この弦を張り替えてギターを弾いてみたところなんと新品のような響きが戻っているではないですか!
次の日から毎日ライブが終わり深夜に帰宅してからの煮込み作業が始まりました。
いまのギターキッズにとって弦を煮るなんてことは信じられない人が多いと思いますが,
当時はかなりの人たちがやっておりました。
最近,フィリピンのギターリストと話しをしている時,この話しが出てなんと彼も昔やっていたとのことでした。
注意 ・ ・ ・ 弦を煮ると、もろく切れやすくなるため、ステージで何回も弦を張りかえることになってしまい、
お客さんをしらけさせることになりましたとさ・・・おしまい!
ギターの弦しかもアコースティックギターの弦の定番といったらやっぱりマーチンでしょう。
最近はずいぶん弦も安くなって求めやすくなったものです。皆さんはどんな弦を使われているのでしょうか?
ギブソンやギルドをもたれている方は当然そのメーカー品を使っているでしょう。弦にはいろいろな太さのものがあります。
スーパーライトゲージ、ライトゲージ、ミディアムゲージ、ヘビーゲージ、あたりが通常の区分でしょう。
その他にコンパウンドというものがありますね。この弦は3弦以上の巻せんのなかにナイロン繊維が入ったもので、
この弦を使うとガットギターのようなマイルドな音を出すことが出来ます。
私はさすがにヘビーゲージの弦は張ったことがありませんが他はすべて試したことがあります。
スーパーライトゲージの良い点?はテンションが低いのでカッティングやアルペジオをしても指が疲れないことにつきます。
ただしカッティングすると直ぐに弦がゆるんでしまいます。それにカッティングの切れ味も良くありません。
コンパウンドもこれと同じようなことが言えますが指に対する弦のタッチはとてもソフトで、
しかもガットギターのような音を出したい時にはその価値はあるかもしれません。
ミディアムゲージは数回張ったことがありますが、テンションはかなり高めです。私の場合はブルースでチョークしたり
アルペジオを含めたフィンガー奏法を良くしますのでやっぱり使いづらかったです。
最後にライトゲージですが、これはちょうどよいテンションを持っていて、カッティングからフィンガーによる奏法まで
メリハリのある音を出すことが出来ます。もちろんチョークも出きますし、私の場合ボトルネック奏法もこれでやっています。