第 6 章



 
厳しい指摘には丁重にお礼の返事を

 「リンクしているところの文字色がまわりの普通の文字と同じなので、探すのに苦労しました。リンクが設定してあるところの文字は色を変えた方がいいと思います。」

 こんなお便りを頂いたことがあります。ごくごく初心者の頃の話です。「おかしいなあ、自分で見る限りはリンクの部分は色違いになっているのになあ?」

 何もわからない状態でホームページを作り始めたために、htmlファイルの中に「リンク色の指定」をしていませんでした。そんなものはしなくていいと思っていたのです。リンクをすれば勝手に色が変わると理解していたのでした。確かに僕のパソコンでは、リンク色の指定がされていなければ、こんな風に表示されますよというのが、初期設定でなされていたのです。
 しかし、通常はページ作成者が自分でリンク色の指定をhtmlファイルの中で行うのです。僕はこんなことも知りもせずにホームページをつくり、公開していたのでした。

 さらに、この指摘にはおまけがつきます。今は僕も上記のようにその理由をココで説明できますが、そんなこと当時はわかりません。それをメールで懇切丁寧に教えてくださり、リンク色の指定の方法までご教授下さったのです。

 まあこれは極端な例でしょうけれど、僕のすぐ横で指導をしてくれる人がいない以上、こうしてネットを通じて指摘をして下さる方がいるのは、とてもありがたいことでした。

 今まで僕はありがたいことに、折に触れ色々な方から色々な指摘を受けました。これはとても幸せなことだと思います。なぜなら、所詮他人のサイトであり、放っておいてもその人にとってなんの支障もないからです。それをわざわざ指摘して下さるということは、少なからず自分のサイトに興味を持って下さっているわけですね。

 今まで色々な指摘を受けました。「画像が表示されません」というのは、画像の保管場所を自分のパソコンのハードディスクとして指定していたためで、自分だけは見ることができるのでミスに気がつかなかったのが原因でした。「漢字の誤変換」は再々とご注意いただきます。推敲してもそれが書き上げた直後なら、間違った漢字でも、正しく読めてしまうのです。頭の中に残っている「こう書いたはず」という思い込みが強すぎるためですね。情報そのものの間違いの指摘も受けましたし、htmlの記述ミスも教えていただきました。

 不思議なもので、日常生活でいちいちああだこうだといわれると、つい「うるさいなあ」と思ってしまう僕なのですが、ホームページに関していえば、各種指摘に対して素直に「教えてくれてありがとう」という気持ちになれるのです。ひとつには完璧であるという自信がないこともあるでしょうが、このまま知らずに公開していたらますます恥をさらしていたな、という気持ちもあるからでしょう。そしてなにより、そんなおせっかいをしても何の得にもならないのに、わざわざ教えてくださったことがとても嬉しいからです。

 こうした指摘にはお礼のメールを必ず出すようにはしていますが、漏れも当然あるはずです。そうした方々にはすまないと思っています。

 基本的に僕の場合は、指摘を受けたらまず検証をし、対策をほどこします。そして、お礼のメールを出します。デザインに関わる部分については、必ずしも意見を全て採り入れることは出来ませんが、指摘の内容に関してはコンセプトを崩さなくてすむ範囲で工夫を繰り返します。こちらの無知や間違いによるミスに関して、原因が分からなくて質問を返したこともありますが、決して恥ではないと思います。本来指摘する義務も何もない方が親切でおっしゃってくれてるからでしょうか、質問には必ずお返事を下さっています。

 こうしてwebやhtmlに関する知識や技術が得られたことも少なくありません。

 だからみなさんも、何らかの指摘を受けたときには、ひょっとしたら「そんな馬鹿なはずがない」と一瞬思われるかも知れませんが、謙虚な気持ちで検証してみましょう。そして、お礼の一言を忘れずに。


更新&新着

 ネットサーフィンを続けていると、「更新」「新着」「NEW」「UPDATED」など、様々な「更新」を表す言葉が使われています。あるいは、画像やアニメgifまで用意している方も少なくありません。ホームページ制作者はどうしてここまで更新にこだわるのでしょうか。

 それはもちろん、何度も自分のページを訪れている人に、「ここが新しくなっています」とお知らせするためです。こうすれば、何度もそのページを訪れている読者は、マークのついた新しい部分だけをは読めばすみます。もしこういった表示がなければ、新しくなったページを探すだけでも一苦労です。

 ホームページは実はこの更新こそが命なのです。


更新の種類

 それでは、更新とはいったい何なのでしょうか? ホームページの日常運営をはじめてみれば、下の説明など読むまでもなく身につくことですが、ここは初心者向けの講座なので列記してみました。ホームページを開いたら、コンテンツに関して次のようなメンテナンスが必用ですよ、ということです。

 (1)既にアップされているページの修正
 ページそのものに大きな変化はありません。「昨日の野球の結果」なんてコーナーがあれば、試合の組み合わせと得点を修正するだけですね。

 (2)新しい記事の追加。
 既にあるページに、新しい記事を追加します。そのページには追加した分だけ情報量が増えますが、ページ構成に変化を伴いません。

 (3)新しいページの追加。
 僕なら新作小説を掲載した場合がこれに当たります。新しいページが増え、それに伴いリンクの追加やページ構成が変わってきます。

 (4)いったんアップしたらほとんど更新する必要のないページ。
 実は「ほとんど更新の必要なし」というページが大半ではないでしょうか? しかし、こういうページも作りっぱなしにせず、時々チェックしてみましょう。このチェック作業自体が大切な更新作業でもあります。

 (5)ページの削除。
 これも更新のひとつであり、とらおも随分ページの削除を行ってきました。ページが減ればリンクや目次など全体構成も修正が必要です。これを怠りデッドリンクのまま放置されていることは結構ありますね。


更新のペース

 「個人ページの場合、最低でも二週間に一度」が理想であると、何かの本で読んだことがあります。また、例え頻繁な更新が行われていてもそれが「不定期」であるのはあまり感心せず、日を決めて定期的に更新するのがよろしい、と解説した本は何度も目にします。そりゃあそうでしょう。「毎週月曜日更新」などと決まっていれば、そのときに訪れればいいのですから。

 残念ながら僕の場合不定期です。3日連続で毎日更新することもあれば、一週間ぐらい飛んでしまうこともあります。これは読者にとって迷惑な話で、「なんだ、更新のペースが遅くなったなあ」としばらく訪問を中断すると、ある時点でドバドバ更新されていて読むのに手間がかかったり、「おお、毎日更新なんだ」と思って日々訪問すれば、ある時点からさっぱり更新されていない、ではがっかりします。

 ジオの場合は「三ヶ月間更新されないと、削除することがある」そうですが、僕はそれ以上ほったらかしになっていて、削除されていないページを知っていますし、だからと油断していたら削除されてしまったというサイトも知っています。三カ月というのはひとつの目安と解釈すればいいのですが、読者にとっても3ヶ月間も更新されていないWebはもはや「存在しないページに等しい」と言えるのではないでしょうか。

 色々な方のサイトを回ってみると、実にみなさんよく更新されています。

 毎日更新したければ、「日記」のコーナーを作りのが手っ取り早いでしょう。その他に「芸能ニュース」を扱ってる方もいらっしゃいましたし、新聞ネタを拾ってそれに自分なりのコメントをするなどの手法があるようです。

 また、伝言板などに毎日レスを付けている方もいます。書き込みが無くても、自分で何か話題を書き込んだりされています。これも一種の「毎日更新」といえるでしょう。

 「日記」といっても、その名の通り毎日更新する必要もないようです。特別なことがあったときだけ書き込んでる方も多数いらっしゃいます。

 週に一回、何曜日に更新と、比較的きちんとされている方もおられ、好感が持てます。諸事情で更新できなければ、「今回はパス」である旨をアップしておくといいでしょう。

 二週に一度、月に一度、といったペースももちろんありです。この他に、本当に不定期の方もいらっしゃいます。定期的な更新が理想ではあるのですが、大切なのは自分なりのペースをつかんで、長続きさせることだと思います。無理は禁物だし、趣味でやってるのに義務感にとらわれてしまうと、とたんにやる気がうせるでしょう。所定の更新日に更新できなかったらその旨だけアップしておけばいいや、くらいの気持ちで、逃げ道を作っておくのも長続きの秘訣でしょう。


読者によって成長するweb・しないweb

 ネットサーフィンを始めた頃、色々なページに「メール下さい」とか「メールの宛先はこちら」などと書いてあるのを見て、僕は「みんな勇気があるなあ」と、感心したものです。webページは世界に向けて発信されているわけだし、日本語オンリーのページであっても、いったい日本人って何人いるんだよ、そういった人たちから感想や意見や苦情や希望など、ありとあらゆるメールが届いたら、その対応にてんてこ舞いするではありませんか。

 メールアドレスを公開するということは、「制作者の責任として連絡先を明示しておく」もので、どこか片隅のわかりやすいところに公開していればそれで済むのではないか? 大々的にメールの募集などする必用がどこにあるのだろう。中には嫌なことを書いてくる人だっているに違いありません。そんな風に思っていました。

 しかし、メールなんて来ないものですね。

 考えてみればそれはちっとも不思議なことではありません。だって普段、テレビや映画の製作者に対して、あるいは小説やマンガの作者に対して、お便りなんてめったに送らないじゃないですか。それと同じ確率ぐらいでしかメールなど届かないのです。

 その中でも、比較的メールを出しやすいコンテンツとそうでないコンテンツがあります。

 「とらおランド」でいえば、もっともメールが頻繁にくるのがこのコーナー「僕たち初心者ホームページ作成講座」です。

 このホームページ講座はもともと「第7章」に当たる部分までしか存在しませんでした。しかし、その後、読者の方のお便りなどがきっかけで、「第8章」以降に当たる部分が出来ました。その際、前者を「基礎編」後者を「ステップアップ講座」とタイトルをつけました。また、「よくある質問」「在校生」「卒業生」などの新しいコーナーが生まれました。現在は、講座部分は構成を変更し内容も改定の上、全10章の構成になっていますが、これらは読者によって成長したWebといえるでしょう。

 一方、メールを出しにくいコーナーだって存在します。これは「成長しないWeb」といえるでしょう。例えば、旅行記をアップしたとしましょう。それはそれでひとつの完成された作品です。読者の意見を取り入れて改定する、という作業はなかなか難しいと思われます。

 このように、読者によって成長するWeb・しないWebというふうに、ひとつの性格わけをすることができるでしょう。読者によって成長する範疇のWebは、それ(読者の意見やお便り)を上手に利用することが、Webの完成度を高くする秘訣なのです。


webコンテンツの弱点

 ホームページの公開を続けていると、表紙ページや目次などは、おそらく何度も手直しすることになります。なぜなら、デザイン的に飽きが来て変えたくなる場合もあるでしょうし、新しい技術を習得すればそれを試したくなったりするからです。しかし、一番の理由は、コンテンツが徐々に充実していくからです。中身に伴って目次などは変更を加えなくてはならないのは誰しも理解できるところでしょう。

 これは実は、ホームページの強みであります。書籍なら出版された段階で完成形でなくてはなりません。しかし、ホームページなら出来た順番にアップすればよく、ページ構成の変更も追加も自由自在です。そして、それらが発生するたびに、目次も作り変えればそれですみます。

 では、ホームページの弱点、とはなんでしょうか。それは「全部でどれだけあるか、訪問者にはさっぱりわからない」と言うことです。

 テレビならあらかじめ放送時間が決まっていますし、新聞や雑誌、単行本の類なら、その厚さから全体量を目で見て判断することが出来ます。それに比べて、webページは全体像が全くつかめないと言うことですね。

 しかも、トップページがあり、子ページがあり、孫ページがあり、曾孫ページがありと、どんどん階層が深くなっていきます。クリックするたびにその先で枝分かれしていれば、読者は戸惑うに違いありません。行きつ戻りつしていくうちに迷子になる可能性もあります。同じ階層のページは横のつながりを持たせるとか、どのページからでも一気に最上層の目次へジャンプできるようにしておくとか、いろいろな工夫はあるのですが、作者の好みやセンスに左右され、こうしなければならないなどという決まりはありません。読者はホームページごとの癖を把握しないといけないわけです。

 それではとばかり、僕は以前いきなりトップページから最終ページまで全てのリンクを表紙ページに作ってみました。もともとは、表紙ページには「子ページ」への目次がありました。子ページが各テーマの入り口になっていて、そこに各テーマに応じた本論の目次があり、本論自体は「孫ページ」という扱いでした。コーナーによっては、孫ページも存在しました。わずらわしいけれども、それだけ系統立てて構成されていたのです。それが一気に表紙ページに集約したために、「とらおランドには膨大なコンテンツがある」と読者を錯覚させることになり、これがプレッシャーとなって、「すごいなあ」とは思ってもらえるものの、うんざりさせてしまったのです。

 それからというものなるべく表紙ページはシンプル&縮小化の方向に向かったわけで、現在の形はそれなりに気に入っています。

 結局は試行錯誤しかないのかもしれません。ホームページは書籍のように決まった形に整形されて発表されるわけではないので、コンテンツの中身や量に応じて、作る人それぞれが工夫しなくてはなりません。




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