川辺川利水訴訟 2002年7月19日
更 新 弁 論

 

1 なぜ、人吉・球磨の農家は、裁判に立ち上がったか

原告団長 梅山 究

 私は、控訴人の梅山究であります。

 略歴を述べますと、先祖伝来の農地を引継ぎ、農業を営んできました。
 昭和30年より、出身地の役場に奉職し平成5年相良村教育長を退任するまで38年間地域住民の公僕として地域の振興発展と文化の昂揚に、微力ながら貢献したつもりです。

 爾来悠々自適の第二の人生を踏み出だそうとした時期に地域の若手農民に誘われて、「川辺川利水を考える会」の設立に参与し、私の奉職時代の経験をかわれて顧問に奉りあげられました。それ以来、川辺川土地改良事業問題に農民の立場で没頭することとなりました。

 そこで遭遇したのは行政の矛盾・杜撰さ、そして農家の声の反映はもとより人権までも無視した実態でした。

 行政当局と折衝して行く中で、国の支配下に地方自治体が組み込まれ、住民の選良である市町村長は国の施策に従い、自己の保身のため、業績作りのために住民の意思に反してでも、無益な事業推進を図っている実情に直面しました。

 

 問題の解決は常套手段では解決しないことに私は気付き、裁判に訴えて司法の判断を仰ぐ以外に解決は無いと自覚しました。その決意を同志に打ち明け、私一人でも訴訟に持ち込む事を表明しました処、梅山一人にやらせる訳にはいかぬと私に同調して866名が裁判に立ち上がりました。

 私自身、アタック2001と銘打った同意確認調査を通して、ずいぶんと農家訪問をおこないましたが、これまでの役場の担当者尋問からも明らかなように農家の実態は私の実感をはるかに越えるひさんともいえる実情にあり、行政担当局の判断にまかせるわけにはいかない、個々の情況を直に見聞しました。

 したがって、この裁判の背景は、土地改良事業の法的手続の違法性を糾す事のみが本意でなく、本事業そのものが現状の農業情勢に相反する矛盾と、農民不在の農業政策の実態を公にし、補助金政策の裏面に潜む農業土木を引き金とした政・官・業癒着。地方自治の貧困体質を微力ながら農民の力で洗い出し、改めるべきは改め、糾すべきは糾し、日本農業の展望をこの裁判を通して世に問うていただきたい願望は私一人でなく原告・補助参加人はもとより、この裁判を支援してきた幾多の人々の共通の願望であります。

 

 

 

2 本件事業の必要性と中島証人尋問

弁護士 三角 恒

1 本日の更新弁論にあたって、私は当審において証人として出廷した中嶋証人が本件事業には事業の必要性がないと明確に証言したことを最初に指摘したいと思います。このことは、当審における農家や同意取得担当者の証人尋問の前に行われた事実上の検証で裁判所の方でも現地を見られたことにより、本件事業には必要性がないことを裁判所の方でも実感されたものと思います。

2 ところで、事業計画では「既存水利施設の老朽化」「台地上畑の用水手当皆無」とされ、そのことが事業を必要とする最大の根拠となっています。しかし、これまでの現地調査の結果や地域の農家の方々の認識ではそのような事実はほとんど認められておりません。にもかかわらず、事業実施するための事業計画書通りだとすると、ダムから21キロ以上も非常に大きな管で引っ張ってくることになります。この場合に、莫大な費用を投じなければならないことは言うまでもありません。国営事業に関しては、本件だけでも340億もの費用がかかるのであり、これだけの多額の費用をかけるだけの必要性はありません。

  むしろ、既存用水施設を基本的には活用していき、出来る限りコストのかからない方向を目指すというのが本来あるべき姿ではないかと思います。

  このような観点から、中嶋教授は全体の概算事業費を試算して、本件ではわずか14億6000万円では足りるという指摘をしています。これは、既存の水源を使って水が足りているところはそのまま既存の施設を利用することで足りるし、既存の水源を使って水が足りないとされているところに対しては最も近い場所から水を引いた場合の経費としての試算の総額です。

  具体的には上原田地区、高原台地、須恵村、多良木町の地域ですが、そのうち高原台地が最も多く10億円にのぼっています。これは豊富な六角水路の水の活用によって高原台地の用水手当を確保せんとするものです。

  ポンプアップをしたりして、水を台地上に上げて使うという方法をとれば、事業計画に比べると格段に費用は安く済みます。

  又、上原田地区では1億7800万円という数字が出されています。これは国の事業計画のようにあえて川辺川ダムから21キロも水道管を引いて水を引かなくても馬永川や万江川からの取水をすれば足ります。たとえば、馬永川からの取水とした場合、試算によると3.2km、事業計画の実に7分の1の距離の導水で足りることになります。

  当然、コストは安くて済むことになるのは明らかです。このように最初から事業ありきの発想では無駄な事業のために莫大な費用を投じ、加えて農民にをも多大な負担を課すということになります。そのような発想ではなく、現在利用している既存施設の現状を正確に把握したうえで、さらに必要なものは何かを個別に検討して、直すべきところは直していくという姿勢こそが大事であるし、そのような方向で検討していくことが農民の利益に最も適合するものであるということこそを被告国は再認識するべきであると思います。

以 上

 

3 費用対効果は1.0を大幅に下回る

弁護士 原 啓章

 控訴人らは、これまで、一貫して川辺川土地改良事業変更計画(以下「本件変更計画」という。)の費用対効果は1.0を下回ると主張してきました。そして、この主張を立証すべく、控訴審において、宮入興一氏の証人尋問を施行しました。

 農林水産省九州農政局は、本件変更計画の費用対効果(投資効率)を1.0036と試算しています。しかしながら、宮入証人の証言等により、かかる試算方法にはいくつもの問題点があることが明らかになりました。

 第1に、メロンの計画作付面積の増減の予測に問題があったということであります。九州農政局は、将来有望な作物ととらえているメロンの作付面積について、昭和62年から平成16年までの間、ずっと右肩上がりで増大することを前提に計画を策定していますが、この計画策定時期に近接する平成6年3月に出された「球磨地域農業計画」によれば、平成2年にはすでに春メロンの作付面積が見通しを下回った旨報告がされているのであり、したがって、九州農政局の予測は実体に沿わないものであったといわざるを得ません。しかも、九州農政局は、「畑かん」のプラス効果まで上乗せして計画作付面積を増加させているところ、これも十分な根拠に基づくものとはいえないのです。

 宮入証人は、メロンの作付面積増が計画作付面積増より1パーセント低くなっただけで、本件変更計画の費用対効果は1.0を割り込み、さらに、30パーセント低くなると、0.89まで落ち込むと試算しています。

 第2に、梨や茶の作物の計画作付面積の予測についても、実体はほとんど増減がない状況であるのに、本件変更計画では大きな増加が見込まれるものになっていることです。

 第3に、本件変更計画においては、農業用排水に関する普通畑、果樹園、茶園の面積がいずれも減少しているのに、田の面積だけは増加しているということであります。これは、国の減反政策等農業環境の変化に照らして不可解というべきであります。

 ところで、本件変更計画の趣旨は、農業情勢の変化等による事業推進意欲の減退、農業従事者の高齢化、後継者難等の要因を背景に事業施行の困難な地域を除外し、地元要望による新規編入など、事業別面積の整理、関連事業を含めた再編成を図ることなどとされています。すなわち、対象地の農業環境は将来的に様々な角度から悪化することが前提とされているのです。そのような前提のもと、前述のような楽観的な計画を立案することには極めて慎重な姿勢が必要であったはずであり、結局、九州農政局の計画立案は実体から乖離した極めて楽観的なものであったと断じざるを得ません。

 この点につき、宮入証人は、球磨農業グランドデザインないし球磨地域農業計画に基づく推計という現実的な手法を試みた結果、本件変更計画の費用対効果を0.91から0.85と導き出しております。(メロンの計画作付面積と投資効率の推計についての補足意見参照。)また、同証人は、証人尋問の際、本件変更計画は、「予測」ではなく、「甘い期待」による試算であった旨証言しているところでもあります。

 以上によれば、宮入証言等によって、本件変更計画の費用対効果は1.0を大幅に下回るものであったことが立証されたというべきであります。

 

4 ずさんな同意取得体制

弁護士 内川 寛

1 本年5月に行われた出張尋問における同意取得担当者の証人尋問で明らかになった、あまりにずさんな同意取得体制について述べます。

2 代筆問題

  川辺川水利事業所からは、同意署名は原則として本人からもらうようにという指示があったことになっています。実態はどうでしょうか。人吉の丸山証人は、代筆は「書いてほしい、と言われたら、書いたということでございます。」(182頁)と述べました。山江の桐木証人は、代筆するケースとして、老人(これは65歳以上だそうです)とか、字が汚いということでも代筆していたとのことです。これでは、同意書からでは、本人の意思が確認できないばかりか、そもそも本人と会ったのかすら判らないことになります。さらに多良木の松崎証人は、「夫婦だったら、生計を一にしておられるし、経営も一緒にしておられる、耕作もですね。」(166頁)と述べ、本人不在の際、妻にパンフレットを渡し、妻に代筆してもらった例の存在を認めました。しかも「夫婦間であればいいということを聞いておりましたので」(168頁)と述べています。これが上からの指示だったのかどうかは判りませんでしたが、大変な問題です。少なくとも多良木の同意書で、夫婦間の代筆であることが明らかなものについては、本人の了解のない代筆、すなわち偽造である可能性を払拭できないわけです。

3 死者の署名

  本件訴訟の中で、署名当時既に死亡されていた方々の署名が存在することが明らかになりました。これは、究極の代筆問題とも言えます。山江の桐木証人は、署名をもらう際、必ず署名者が本人であることの確認をしていたと述べながら、それが死者の署名になっていることに「気付きませんでした。」(296頁)などと平気で証言します。

  本人確認などしていかなかったことは、あまりに明らかではないでしょうか。また、多良木の松崎証人は、「前任者から、この受益者調書の名義人の名前で(中略)もらってくださいと言われておりましたので」(178頁)「そうするものと思っておりました」(179頁)と述べました。すなわち、そもそも指示として原則代筆OKだったのです。この死者の署名の存在は、特定地域に限定されたものではありません。本人の署名をもらうということの重要性が、全体に徹底していなかったというわけです。

4 白紙署名

  同意書について、藤本証人は、事業所としては、「必要事項につきましては、記入しておくようにという指示は出しました」と証言していますが、須恵の伊津野証人は、須恵では、印刷された同意書の形式に、住所氏名はもちろん、継続・新規・除外といった部分も記載されていない状態、すなわち白紙の状態で同意署名を取って回ったことを認めました。須恵村だけかと思ったら、多良木、錦、深田でも同じでした。これでは、仮に本人の署名であったとしても、あとから記載された区分欄が、署名当時の説明と同一であると認めるわけには行きません。例えば、署名してもらうときには除外になったと説明しながら、あとで継続に○印を付けることも可能になるのです。仮に、故意にそのようなことはしなかったとしても、勘違いや記入ミスは十分あり得るのです。結局、どういう計画変更に対して同意をしたのかを、この同意書では立証できないわけです。

5 費用負担のちぐはぐな説明

  同意するかどうかの判断で最も重要な費用負担の問題について、多良木の松崎証人は、事業所からは「パンフレットによって説明をしてください」と言われただけであると述べ(74頁)、関連事業関係については、証人独自の判断で「それを取り組むときに説明しますから」と話したとのことです。人吉の丸山証人は、国営の用排水事業について費用負担はなくなったことを説明し、県営・団体営事業については、質問がなければ説明しなかったし、質問を受けても、その事業を起こすときに再度説明する、という限度でしか説明しなかったと述べました。深田の吉松証人は、それまで証言した証人とは異なり、水は「ただじゃありません。」「はっきり詳しかことは知りませんので」などと述べました。錦の久保田証人にいたっては、国営の工事代金は負担無しだが、水代は当初計画でも変更計画でも受益者負担であり、そのことは説明したとまで述べています。このようなばらばらの説明で、計画変更に向けた合成行為としての有効な意思表示がなされたと認めるわけには行きません。

6 単独訪問

  事業所からは、原則として複数人で3条資格者を訪問するよう指示したことになっています。複数で回る理由は、多良木の松崎証人の言葉によれば、「説明をするとき、1人で行った場合はうその説明をするんじゃないかという感じもありまして、2人で行ってたら確認ができます。」(112頁)ということです。その多良木町はどうかと言えば、松崎証人は、事業所の指示ではなく、多良木独自の判断で複数の班編制をしたと述べながら、実際にはみんな単独で訪問したケースが多いことを認めました(240頁)。何という自己矛盾でしょうか。

7 以上のように、極めて杜撰な同意取得体制であること明らかになりました。従って、その結果である同意書によっては、3条資格者の3分の2以上の有効な同意を認めることは絶対にできません。

以上

 

5 農家(三条資格者)尋問で明らかになった同意取得の実態

弁護士 西 清次郎

1 多数の農家が同意書の署名を否定しています。

 

(1)当審では、石崎亨(愛知県豊橋市在住)が、「平成5年7月同県半田市へ転居し、同6年8月に現住所地である同県豊橋市へ転居しており、平成6年2月当時同意署に記載されています球磨郡多良木町には住んでいませんでした。また、当時、同意書のことで連絡を受けたことは一切ありません。」と証言し、手石方敏郎(山江村在住)も「同意書に記載されています同村の『山田乙2076番地』には一度も住んだことはありません。」と証言したうえで、いずれも同意書の署名をしていないことを明らかにしました。

 また、田代圀博(山江村在住)は、「同意書に記載されています田代『邦弘』は、戸籍上の『圀博』の字と全く違います。」と証言して、同意書の署名をしていないと断言しました。同様に西野啓介(須恵村在住)や岡元勝行(山江村在住)も同意書に記載された署名を否定しています。

(2)原審においても椎葉静雄(多良木町在住)は、「平成6年2月当時、同意書に記載された『多良木町大字黒肥地1842』に住んでいませんでした。」との理由で同意書に記載されています署名を否定しました。

 また、野嶋吏(多良木町在住)は、「戸籍上『野嶋』が正確であり、山へんの島の字ですが、同意書に記載された『野島』は字が違います。」との理由で同意書に署名していないと断言しています。なお、同様に白石カツ子(相良村在住)、兼田国見(同村在住)、宮崎ミユキ(人吉市在住)、林田熊治(同市在住)、田口鉄記(深田村在住)および宮原忠喜(山江村在住)が、いずれも同意書の署名を否定しました。

 以上のように、多数の農家が同意書の署名を否認し、控訴人認否の根拠があることを裏付けています。

 

2 死者の署名という驚くべき同意書の署名の実態も明らかとなりました。

 

 原審において,守永ヤエ子(相良村在住)は、「同意書の署名欄に記載されています『守永繁』は、平成6年1月6日死亡しており、同年2月当時署名できる筈がありません。」と証言し、いわゆる「死者の署名」の具体的内容が明らかになりました。

 

3 誤った説明を受けて署名した事例も多数あります。

 

(1)当審における福田八郎(相良村在住)は、「ダムのことで署名をもらいに来ました。」との説明を受け、誤信したまま署名した事情を詳しく証言しました。

(2)原審においても、村山秀文(深田村在住)は、「ダムの賛成反対の書類だと思って署名しました。」と供述しています。また、池田武光(相良村在住)は、「平成6年2月当時、事業推進委員をしていましたが、『除外地であって関係ない』との説明をしながら、署名を集めて回りました。」と説明したもの自身がいつわりの説明を重ねていた実態を明らかにしました。同様に、川村史子(多良木町在住)も「除外のための手続をしますので,署名捺印くださいと言われました。」と供述し、小園重光(人吉市在住)も「除外するのに、同意の印鑑がいるから,印鑑をついてくれと言われました。」と供述しています。さらに、吉田國一(相良村在住)は、「水利権さえとっておけば、後でやめてもいいちゅうことで、とにかく署名捺印してくれと言われました。」と供述し、手石方敏男(山江村在住)も「同意しないと言ったら,水の問題については、また別に機会を設けて、そのときに水は要らないと言えばいいと説明されました。」と供述しました。

 

 以上のように,多数の農家が誤った説明を受けた為に錯誤に陥って署名した実態も明らかとなりました。

 

4 最後に農家尋問の結果、三条資格者の3分の2以上という条件を満たしているとの被告の主張は成り立たないことが、明かとなりました。

6 アタック2001の意義と成果

弁護士 森 コ和

1 フランスを代表する画家ミレーは、農民を描いた作品を数多く残した。代表作は「晩鐘」「落穂拾い」である。

  「落穂拾い」は、麦の穂を拾う農民を題材にしたもので、作物を大切にする農民の姿が描かれている。

  日本でも「米」は「八十八」と書くと言われ、米作りに八十八回の手間がかかるので、米を大事にするように言われてきた。

  今回、控訴人らは、農民が作物を大事にする心をもって、同意書調査アタック2001にあたった。この調査は、落穂拾いのように地道な作業であった。

 

2 原判決は、認否を行っていない約2000名の三条資格者を同意書に加えて同意率を認定し、3分の2以上の同意があったという結論を導いている。

  そこで、控訴人らは、控訴審において、認否を行っていない(保留扱い)にもかかわらず、3分の2以上の同意があったと判断を下した原判決には、事実誤認ないし法令解釈の誤りがあると主張した。

  平成13年3月5日に行われた進行協議において、裁判所は、控訴人らに、同意書の認否を行うよう指示をした。私達は、この指示を原判決の誤りを認めた結果だと受け止め、アタック2001に取り組むことになった。

 

3 2000名を越える三条資格者の調査という前代未聞の取り組みに対して、当初本当にこれだけ大量の調査を短期間に達成できるのかという戸惑いの声もあった。

  また、原審における同意書の認否は、原告・補助参加人らが中心であり、裁判に参加している人々の同意書には、死者の署名や偽造された署名などの問題が数多く含まれていた。

  これに対して、認否をしていない三条資格者は、原告・補助参加人以外の者が大半であり、その中には役場職員、推進委員など本件事業を推進してきた人々も含まれていた。

  そのため、調査は困難を極めることが予想された。

 

4 アタック2001では、ゴールデンウィークに相良村で先行調査を行い、夏休み入り残り多良木町、錦町、須恵村、山江村、深田村、人吉市の順に調査を行った。

  相良村では、当時の村長の自宅を訪れ調査を行った。また、原審に証人として出頭した友田政春証人宅の家族からも同意の事情を聞き取った。多良木町では、ダム関係の公共事業を数多く受注している建設業者の関係者に対する調査を行った。

  このように、1つ1つ落穂拾いをするように地道に調査を進めていった。

 

5 今回の調査結果が明らかになったとき、私達は、驚きの声を上げざるを得なかった。

  原審と同様に、三条資格者の同意を得ないで行われた署名(書名偽造)、水代(負担金)の支払い、除外の有無、ダムに関する署名などの錯誤に代表される様々な問題点があることが明らかになった。

  この結果は、同意書に関する問題点は、原告・補助参加人に止まらず、今回調査対象となった者を含めて三条資格者全体に及んでいるという重大な事実を示している。

 

6 裁判所におかれては、今後の進行において、杜撰な同意取得の実態など本日の更新弁論で指摘した事実をつぶさに審理して頂くよう申し上げる。

以上