Part 2

栃錦、もう古い話になりますが、我々の中学、高校時代のある面でのスター力士、小兵ながら巨漢力士を
連続技でバッタバッタとなぎ倒していました。まさに稽古の虫、努力の人でした。
同じ負けるにも明日につながる負け方があるとも言われていた。当時170キロの横綱東富士に対し、
(栃錦は100キロ強)一度目の対戦では真正面から突っ込んで3秒で土俵の外に吹っ飛ばされ、2度目
には5秒で土俵の外、3度目は、東富士はまた真正面から突っ込んでくるものと読んで、どんと踏み込んで
出たその瞬間栃錦は、突っ込むと同時にサット身体を開いて、二枚げりで、もんどり討ち取り、初優勝へと
こぎつけた。栃錦曰く最初の2戦は相手に戦法を洗脳させるための準備段階であり、負けることを前提にしかし
次なる時の対戦の白星への道程でもあった。それ以後、東富士にはほとんど負けることはなかった。
実務社会でも同じことであろう。常に状況を読みながら、それに対応した能力向上をしていかないと、自分の存在
できる位置はなくなる。
とりわけ、21世紀は最初の10年間が一番のヤマバである。企業も個人も一様に、生き残りを賭け、社会的存在観を賭けた
どろどろの戦いが続く、諦めたものが負け、一人落ち、二人落ちといったあんばいである。人を落とすのではなく、
自分が生き残る武器となるものを何に求めるかが分かれ目でもある。今からどうしょうでは、少々遅い。でも何もしないよりは
ましであろう。とにもかくにも真剣に自分の武器となるもので、これから10年は通用しそうなものを見つけ磨いていこう。
その場合には、日本の中だけで、考えていては、沈み行く船の中でもがいているのと同じ。船の外、海は広い。
海に向かって泳ぎだすことも必要であろう。しかし、波は高いし、冷たいからそれだけの情報収集、沈まない準備、乗り切る
準備がいる。さあー真剣に考えよう。栃錦が東富士を倒したように、情報を集め、叡智を絞り、自己研鑽をしよう。
最初の3年位は負けても良いではないか。(但し致命傷にならない程度にです。)
陽は必ず上る。真正面を向いて、状況を凝視して、最悪を想定して、心穏やかに判断して行動を起こせば、
正しい方向へと進路が取れるものと信じて精進しよう。




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